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異世界で現実的に生活する彼  作者: レノン
放浪者としての彼
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放浪者、大ピンチ③ そして……

 巣に隠れた俺は卵を発見した。


 しばらくは親鳥のおかげでオオカミが襲ってくる事はなかった。


 ドーム型の巣の中は暖かく、床はフカフカの草が敷いてある。


 ドーム型に編み込まれた木はオオカミにやられて所々から月明かりが入り込んでくる。


 するとそのわずかに空いた隙間からオオカミが顔を突っ込んできた。

 さすがにビックリしてしまい腰が抜けてしまったが、オオカミは体をくねらせて中へ侵入してきた。


 オオカミの目的は俺ではなく卵のようだ。俺には威嚇しかしてこない。


 卵を見ると……なんと孵化してるではないか。

 中から可愛い雛が出てきて親を呼んでいる。

 もちろん目の前のオオカミは口に加えようとするが、俺はオオカミの顔を蹴り飛ばしていた。


 あまりにもかわいそうだったのでついついやってしまった。


「あっち行け! コノ!!」

 二発目を喰らわせようとしたその瞬間、オオカミの大きな口が俺の足に噛み付いた。

「痛いっ! 離せっ! この野郎っ! 離せっ!」


 雛は無事だが俺の足からは血が大量に流れていた。

 痛すぎるせいか、感覚がなくなってきた。


 オオカミに押し倒され、首を噛まれそうになった。

 だがオオカミは俺から離れていった。いや、正確には引きずられていった。


 そしてキャン! という鳴き声と共に音がしなくなった。


 そこからの俺の記憶は曖昧だった。ハッキリ覚えているのはあの親鳥の金色に輝く目がこちらを見つめていたという事だけであった。


 そして何か暖かい毛布のようなモノが俺の体に覆いかぶさり俺は完全に気絶してしまった。



「あ、」

 目の前が真っ暗で何も見えない。どうやら俺は死んだらしい。だがなぜかここは暖かい感じがした。そしてマスクをしているような、顔を何か、厚い何かが覆っていることに気づいた。

 そして思い出した。たしか俺は鳥の巣で気を失ってそのとき何かが俺に覆いかぶさるようにして座り込んだのだ。


 目の前が真っ暗だったがよくみれば黒い大きなモノがスゥー……ハァ~しているのが分かった。


「もしかして俺……生きてるのか?」

 起き上がろうとすると黒い大きなモノが起き上がった。どうやら昨夜の馬鹿デカイ親鳥が俺を下敷きにして寝ていたようだった。いや下敷きというよりはむしろ俺を雛達と一緒に暖めてくれたようだ。その証拠に俺の隣では雛達が寝ていた。

 

「ありがとな……」

 なんとなく俺は親鳥に御礼をした。足を見ると血は止まっており、傷口も少しだけふさがっていた。

毎回字数がばらばらですみません。


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