2/2
孤独な少女
5月の半ば、一人の少女が強大な力を手にした。
強大な力は少女と一体化し、少女は神にもなれるほどの力に喜んだ。
6月の始めごろ、少女はとある場所に大きな雷を落とした。
それは少女が誰かに見てもらうため、愛されたいからこそおこなったことだった。
けれど人々は少女の力に恐れ、少女を地底の底に閉じ込めた。
でもそれは無駄なことに過ぎなかった。
少女は強大な力を持っていたのだから。
少女はその力を使って宙を舞った。
人々は少女の力で石に変わってしまった。
その時突然に雨が降った。
雨は少女の頬をつたって地面に落ちた。
少女は泣いていた。
わずか6歳で孤独を味わい、11歳になった今でも孤独を歩んで逝くと思ったからから。
少女は北に向かって歩き続けた。
ただ独り冷たい雨に打たれながら。