第一章:魔王の真実 プロローグ
魔界
地上界の地下深くにある、魔族達が棲む世界
そこには魔獣や魔物、魔人、ゴースト、淫魔、夢魔等々、魔に属する者たちで溢れている。
そして魔王が棲む城もここにある。
「魔王様!」
「…デーモンか…何用だ」
魔王の元に使い魔デーモンがある報告をしに来た。
「お喜び下さい魔王様!
魔王様に楯突く者を、このデーモンめが抹殺致しました!」
Γ…ほう、お前自ら手を下すとはな」
Γええ、なにせ相手は殺しても殺しても飽き足らない、あの光の聖女でしたから♪」
Γ…………デーモン、まったくお前は…良くできた部下だな」
Γありがとうございます!魔王様!」
褒められたと勘違いしたデーモンは上機嫌だ。
魔王は傍にあった水晶玉に手をかざす。
Γ…フッ…」
Γ魔王様?どうかなさいましたか?」
魔王は水晶玉をデーモンに見せた。
Γ!こ、これは一体」
そこに映っていたのは、魔界の入口である真っ黒で巨大な地獄の門を開き、魔界へ足を踏み入れるモモ・ルーの姿
Γどういう事じゃ?
こいつは…光の聖女!?
いや…あれは確かに死んだはず。
それに聖女ならば聖衣を纏っていなければならん、こんな漆黒のドレスなど『光の聖女』が着るはずが…」
Γ…ならばこれは誰だ?」
Γいや…それは…」
Γ………良かったなデーモン」
Γは?」
Γ…こいつを我の前に連れてこい。」
Γは、はい、承知しました。」
Γ…殺すなよ、次はないぞ」
Γ!ヒィッ…お、お許しを〜〜〜っ」
魔王が怒っている事にやっと気付いたデーモンは、真っ青になって玉座の間から逃げるように出ていった。
Γ…黒魔導士よ」
魔王が呟くと、何もない空間からいきなり真っ黒なフードに覆われた黒魔導士が現れた。
魔王は黒魔導士を近くに呼び寄せ何か耳打ちをした。
Γ…分かったな」
Γ…御意」
それだけ言うと、黒魔導士は姿を消した。
魔王は自分の手を見た。
ひび割れた指先から魔物の身体を構成する魔素が漏れている。
「…我には時間が無いのだ」
何千年も生きてきた魔王の身体は、限界を迎えていたのだった。
『聖女モモ・ルーと冥界の女神』第二部 魔界編 第一章:魔王の真実 プロローグ 完
第二部 魔界編 始まりました。




