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セーラー服と雪女Ⅰ  本編 「晴れときどき悪意ところにより超能力者」  作者: サナダムシオ


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第16章 中学生の雪村

 雪子さんに報告した通り、中学に入学したボクは、生まれ変わったように勉強に打ち込んでいた。


 ボクの通っていた中学校は、全校生徒1700名のマンモス校で、全員が部活動に参加することが不可能だった。

 当然、ボクは帰宅部であり、だから放課後の時間はたっぷりあったのだ。


 まあでも、全ての余暇時間を勉強に費やしていたわけではない。小学校から続けていた書道教室に行ったり、SF小説や推理小説、マンガを読んだり、アニメやテレビドラマを見たりしていた。


 ソロバン塾やピアノのレッスンは、習い始めのころにイヤになって、すぐ辞めちゃったけどね。


 因みに見ていたテレビ番組はNHKの少年ドラマシリーズ「未来からの挑戦」。コレは原作が眉村卓先生だと知ってから、小説「ねらわれた学園」や「地獄の才能」も読んだっけ。


 それをきっかけに筒井康隆先生の「時をかける少女」や、星新一先生や小松左京先生の短編集にも手を出したりしていた。


 人形劇の「新八犬伝」や「真田十勇士」が、小学生時代に終わってしまったのは残念だったな。ボクの名前の語源になった「真田幸村」が出てたし。


 アニメは赤いジャケットになったばかりの「ルパン三世」をよく見てた。

「ヤッターマン」もいいけど、「タイムボカン」の方が良かったな。


 マンガは例の村田さんがよく貸してくれた。萩尾望都先生の「ポーの一族」や「百億の昼と千億の夜」とか、竹宮恵子先生の「地球テラへ」とか。どちらも名作だったなあ。


 でも一番好きだったのは和田慎二先生の「超少女明日香」かな。なんだか主人公が雪子さんに似てるし。


 実は愛読書が「月刊冒険王」や「週刊少年キング」で、松本零士先生の「宇宙戦艦ヤマト」や「銀河鉄道999」を読んでいたけど、アニメはまだ見ていなかったんだ。

 

 とにかく中学二年生までは、そういう趣味の時間を犠牲にせず、残りの時間はひたすらに勉強に明け暮れたのだ。


 そして中学三年生になった時には、趣味の時間すら封印して、毎日が「寝てるか食ってるか勉強している」という状態で高校受験の日を迎えたのだ。


 その証拠に1979年4月から1980年3月までのボクのアニメの知識がスッポリ抜けているのである。

 だから「機動戦士ガンダム」にハマるのは、のちに大学生になってからなのだ。


 断言してもいい。


 今振り返っても、人生であれほど勉強に打ち込んだことは無い。


挿絵(By みてみん)

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