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説明会ってあるよね

「まずFランクの説明からさせていただきます。こちらは冒険者ギルドに登録されましたら誰でも取得することが可能です。そして、冒険者の九割九部はFランクです。Eランクに上がるためには、試験を受けなければなりません。社会常識であったり、兵法、戦闘力を計る試験に合格できればEランクになることができます」

「それって難しいんですか?」

「国家四大難関資格の一つなんていう言われ方もされるほどですので、冒険者にとって一つの目標であると言われています」

「ジャックは、結構すごいってことですね?」

「そうですね、ジャックさんは結構すごいです」

「ただ、Eランクを維持するためには年間で百程の依頼を受けなければなりません。そしてDランクに上がるためには、実技のみの試験を達成しなければならないのですが、その試験を受けるための資格に、依頼の達成回数が含まれているのです」

「ジャックは専業じゃないからその資格を取るのが難しいってことですね」

「そういうことです」

「で、今回セレンさんが一旦登録されるのがCランクです。Cランクは魔力を持っていれば取得が可能です。もちろん、Dランクから同じように試験を受けて昇格も可能ですが、難易度は相当に高いです。何せ魔力を持っている人たちに裸一貫で肩を並べるようなものですから」

「一旦ってどういうことですか?」

「本当のCランクではなく仮の資格なんです。都の学校で三年程の勉強した後に本資格が発行されるのです。魔力を持っている人は絶対にここに通わないといけないので、魔力を完璧に扱えて、Eランクの資格を取って、地道にCランクまで上がっていったとしても、ここには通わないといけないんですけどね」

 なんとなくわかった気がする。ジャックが言っていた才能には環境が与えられるという話はこのことを言っていたのだ。魔力を持っているだけでCランクに登録するのは、才能を囲い込むためだろうし、絶対に学校に通わせるのは才能を管理しておきたいという話なのだろう。

「その学校って貴族様とかいっぱいいる感じですか? ジャックが魔力持ちを見たことがないって話をしてたんですけど」

「そうですね、やはり貴族の方々が多いです。学年によっては平民が一人もいない年もあるようです」

「それって年齢で区切ってるってことですか?」

「はい、貴族の方々が魔力の測定をするのは十五歳になってからになりますから。入学は十五歳になってからです」

「じゃあ後三年間私は?」

「試験を受ければCランクに行くことも可能ですが……ジャックさんと同じ条件なのであればEランクが限界じゃないですか?」

「ランクによって何が変わるの?」

「受注報酬と依頼の内容等ですね。Fランクだと受けることができる依頼に制限がありますし、依頼を受けたとしても達成報酬しか出ません。でも、Eランクだとその制限が少し緩和されます。敗北をしたとしても保証金が出て、遺産が出るので、安心して依頼に臨むことができます。そして、ランクごとにある受注報酬もまるまるもらうことができます。まぁ指名料みたいなものだと思ってもらえれば……。あとはダンジョンにも入ることができますし、依頼の斡旋も受けられます」

「FランクとEランクは雲泥の差ってことですね」

「そうなります」

「じゃあ取り敢えずEを目指します」

「それが良いと思います」

「あとなんかできることありますか?」

「今日何と、Bランク冒険者の方がいらっしゃるんです。お話ししてコネを作ったり、師匠になってもらったり」

「それって貴族なんでしょ? 私みたいな小娘相手にしてもらえないですよ。それより私、お姉さんとお茶に、ほら、私将来有望じゃないですか。ここでどうにか……」

「夜になりますけど大丈夫ですか?」

 サリーさんはしばらく悩んだ後に結論を出してくれた。

「大丈夫です!」

 よし、サリーさん、忘れられない夜にしようぜ!

 奥の部屋から戻って来ると、ジャックが腕を組んで、それもまた端っこの方に座っている。今気がついたのだが、ジャックは明確に人に避けられてる。

 ただ、ヒソヒソと

「あれがジャックさん?」

「そうだ。あのジャックさんだ。第二次巨人侵攻戦で戦果を上げてEランクまで上げたあの」

 という声が聞こえて来るので、避けられているというよりは、近づけないと言った方が良いだろう。

 ジャックにそんな過去が……。第二次巨人侵攻……。なんかやばそうなので活躍してるじゃんよジャックさん。

「ジャック、終わったよ」

「あぁ、随分長かったな」

「なんか魔力持ちだったから、三年後の学校とかウンタラカンタラ説明受けてたからね」

「そりゃまぁ、そうか」

 サリーさんはあんな驚いてくれたのに、コイツぜんっぜん態度変わんない。ありゃりゃ、口が悪くなっちゃった。完全にジャックのせいだよ。そりゃそうだよな、本当に二年間ずっと一緒にいたんだもんな。でもそれならジャックはもっと可愛くなっても良いのにずっとおじさんだ。

「驚かないの?」

「そりゃそうだよなしかねぇよ! お前どう考えてもおかしかったもん」

「どうしたんだよお前ら」

 ジェラルドさんが薄ら険悪なムードが漂う私たちに声をかけてきた。

「聞いてよジェラルドさん、ジャックがね、私が魔力持ってるってわかってたのに驚かないで薄いリアクションしか取らないの!」

「嬢ちゃん、そりゃそうだろ。まぁ、気の基礎で俺とかジャックはカバーしてたが、嬢ちゃん程のパワー持ったやつは見たことがねぇ。可能性はかなりあるだろうとは思ってた」

「私が魔力持ちなのって、当たり前な感じ?」


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