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第一話:ブラックラベル

 この世は理不尽だ、いつの時代でも金を持っている奴が優位に立ち持たぬものは何も得れずただ金を持っている奴に搾取され支配されている。


 だが今から三十年前新しい総理により新しく法律を作ったことにより俺たち貧乏人にとって最悪だった世界がさらに地獄へと変貌した、


「ちっ…あの警官俺がブラックラベルってだけで窃盗犯扱いしやがって、」


 三十年前に作られた法律は色々とあるがその中でも一番厄介なのはラベル制度だ、

ラベル制度とは一年に一度払われた税金の金額によって首に埋め込まれたチップが発する色が変わり、その色によって階級が変わるのだ、


 偉さは大昔にあった冠位十二階のような色に落とし込まれており紫色、青色、赤色、黄色、白色そして黒色だ、

黒色だけは他の色と決定的に違うところがある、それは税金の最低金額を払えていないかそもそも払っていない奴に与えられる色で、黒色になった奴は人権が完全になくなることはないがほとんどの権利を失ってしまう、


 黒色はたとえ車に轢かれたとしても救急車は呼ばれないし多額の金額を払わなければ医療を受けることもできない、俺はこの目で同じ黒色の奴が死んでいくのをなんども目の当たりにした。


何故助けなかったのか? と疑問に思う人もいると思うが、金も権利も何も持っていない子供には何もできやしないのだ。


 この様に差別されている黒色は黒く光っておりそれが黒いラベルのように見えることからブラックラベルと呼ばれ人々から差別の対象となっている。


 「さてと…もう日が暮れてきた事だし飯買ってから帰るか…」

俺が重労働で稼いだ金の殆どは食費に消えてしまう、決して俺が暴飲暴食をしているわけではない食費も最低限に絞ってはいるが俺たちブラックラベルが働けるのは重労働しかなく給金も呆れるほど少ないし言わずもがな職場環境もブラックだ。


 「今日の晩飯は…ってこれしか買えねえ〜けどな、」

金がない奴は屋台に売っている雑穀おにぎりと何が入っているかわからないインスタント味噌汁しか買えないのだ、

俺が住んでいる場所も都市部からだいぶ離れている郊外にあるスラムに住んでいるスラムには俺のように親が居なく税を払えない子供が大勢住んでいる、たまに大人も流れ着いてくるがすぐに自ら死を選んでいなくなる。


 さてやっと家に着いたか、なんと俺の家は電気なし! 水道なし! 外壁やねは鉄板! そう、俺の家は倒壊寸前のオンボロハウスだ…


だがこんな生活をしている俺だが唯一生きていられる理由がある、


「ただいま〜、、」


「タク兄おかえり!って遅い〜もうお腹ペコペコだよ〜」


「すまん、すぐ作る」


俺が生きる意味は年が2つ下の妹の澪の存在だ、

澪の明るい笑顔を見るとまだ生きておこうと思えるんだたとえこの世界が地獄だとしても…


そもそも俺と澪は実の兄妹ではない、俺は物心つく前にスラムに捨てられ幼い俺は物を盗む事でしか生きていくことはできずなんども殴り殺されそうになったことか、だが俺が10歳の時スラムに親子2人がやってきたそいつらはスラムに居るような身なりではなかったが、首を見ると黒く光っていたここにきた理由はそれだけで十分だった、

その親子は俺の住んでいる場所の近くに住むようになった、


その親子はスラムなのに俺に挨拶をしに来た普通はスラムなんかでは、引っ越しの挨拶なんてものはないのだが、母が尾崎 咲、娘が尾崎 澪と名乗った、仕方なく俺も名乗った、


拓也:「上村 拓也だ、あとここでは引っ越しの挨拶なんてしないほうがいいぞ、ここには危ねぇ奴がゴロゴロいるから安易に関わったら危ねぇぜ」


咲さん:「ご忠告ありがとう、それで親御さんは?」


拓也:「俺に親なんかいねぇよ! たとえいた所で今の現状が変わるとも思えないがな!」


咲さんは俺をギュッと優しく抱きしめた、


拓也:「なっ、何すんだよ!」


咲さん:「貴方の今の現状を変えれないかもしれないけど思うけど、拓也くんもし良かったら私の家族にならない? 澪もいいよね?」


澪:「別にいいけど…」

拓也:(なんだ?、このお人好しは?)

咲さんは俺と家族にならないか提案してきた、どうせ今まで一般人として暮らしてきた奴が俺を憐んでいるだけに違いない、


拓也:「誰がなるkっ…」


咲さんに抱きしめられていると俺の冷え切った心の奥があったかくなっていく気がした、俺は生まれてこの方誰かに抱きしめられたことはない、そしてこんなにも人の温もりを温かいと感じることも今までで一度もなかった…


拓也:「すっ少しの間だけなら…」


少し気が緩んだ俺は咲さんの提案を飲んだ。


咲さん:「じゃあこれからよろしくね拓也くん!、じゃあ私たちの家はこっちだから着いてきて」


咲さんに家は俺の家もどきのすぐ近くにあった、


拓也:「おぉ豪邸じゃん!、屋根がある家なんて」


俺のすんでいた家もどきは横からの風から守るための仕切りしかなぬ雨は防げなくもはや家ではなくただの仕切りでしかなかった。


咲さん:「そう? 喜んでもらえて良かった、」


澪:「前の家よりちっちゃいけどね…」


咲さん:「こ〜らそんなこと言わない住めば都って言うでしょ、このこ父が死んでからこうなのよ…ってことで仲良くしてあげてね!」


確かに澪は目の奥が曇っており生が宿っていないように見えた、


拓也:「言われたから仕方なくだが、よろしくな澪?」


澪:「拓也さん別に無理に関わらなくてもいいよ、あと私の家族はパパとママと私の3人だけだから、」


そう言い残し澪は自分の部屋に逃げ込んだ、


咲さん:「こらっ、もぉ〜澪ったら…拓也くんごめんね、最近人を遠ざけてるみたいなの」


拓也:「まあ、ここならそのぐらいの距離感のほうがいいけどな…」


スラムでは人と深く関わりすぎると何かに利用されたり不意を突かれて殺されたり、碌でもないことにしかならないからな。


咲さん:「じゃあそろそろ晩御飯にしよっか! 拓也くんも手伝ってくれるよね?」


拓也:「えっ俺が?べっ、別にいいけどさ、俺料理なんかしたことなんてないけど」


スラムでは飯にありつくことでさえ大変なので料理まで手が回らないのだ、拓也も料理っぽいことをしたことといえば残板を水で煮込んだ残飯シチューぐらいしかしたことがなかった、


咲さん:「じゃあ教えてあげるから一緒にやろ、ね?」


拓也:「うん、」


生まれてから親という生き物を知らない俺は母として接してくれる咲さんにどういった対応をしたいいかわからず困惑した、


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