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無題

力石に関しての問い合わせを受けてまたかとため息を付いてしまう。

兼一。登録されている力石職人の一人である

品質の良い力石を生成・精製する人で文様術式を学んでいて効果もその文様も美しくギルドに持ち込まれたら購入の手がすぐに上がる人である

売りに出されたら連絡してほしいという人もいるが、その程度の要請なら軽い

ある程度の人を使って売却されたらすぐに品質と効果を確認してその場で購入するという会社もあるぐらいであるが。どの会社もわかっているところなら良いのだが

「定期購入できないんですか?」そうしつこく言ってくる駆け出しや理解力がない商人が一番面倒だと思いながら表情に出さずに

「そもそも趣味の範疇で売買されている人ですので」そう言うとけれどもと言い募るので

「毎年一定数生成。精製し無病息災・家内安全を刻み納得し品質が良いものは家族・身内に配って余ったものがこちらに回されてきます。何も刻まれていないものも作り込んで納得言ったものの一番品質の高いものは、地元と現在住んでいる管轄の一宮に奉納、それ以外で自分が使わない品質のものを売却しています。個人的に所有しておける数の限度がありますので」そう言って持ち込まれた品質のものを見る

彼の人の品質としては最低ランクの喪であるが、彼の信用度ならこれ以上は無理だろうと言うところだろうが

「は?」

「ですから。これを制作した人間は基本的に個人使いのもを制作した過程ででた力石で売却できるものを売却しているだけで、商売をしようと思っているわけでもないのですよ、登録されて居て個人的に所有される力石の数は各品質で20まで。精製過程ので50までです。それ以上になると所有しているもので売却しても納得できるものを持ち込まれているだけで」

「待ってください。それだったら売却できないクズは?」ギラギラとした目を見せているので

「クズ?品質未満ですか?そんな物ありませんよ。彼の人は兼一さんの最低品質は丁種です。それ以下は生成しません」きっぱり断ると驚いている

「先ほどあなたが購入したと言っていたものは多分。何かに加工しようと思って精製していない状態のものだったのではないでしょうか?彼の人は何度も何度も精製を行っては休ませてという手法で磨き上げて甲種や特種を作り上げていく人なんで。一つ作るのに最低30回は細かな精製をかけているんですよ。故にムラがない良いものが出来上がる」

「はあ?一つに30も?そんな非効率なことをして」呆れているのを見て理解できない分類の人間なんだと再確認してから

「そう言われる方がいらっしゃるのは存じておりますが。品質が良いものは人の手を幾重にかけても品質が良いものにしかなりませんから。そもそも力石職人という気質の方ではありませんし。やりたくなければやらない。やりたくなったら少しでもやり始めるというムラが有りましてね。もともとそういう人だとわかった理解ある商人の方としか取引をしていませんので、どこでそれを手に入れたかは知りませんが。仲に何人かへて手に入れたのでしょうね」ぐっと言う顔をしているのでそうだろう

直売というか売りに出された時点で購入された方々はそれをふさわしい人に。特別に売りに出すので

ちょっと手伝い間隔で丙種で年末年始向けのものを作ったりすることもあるが、必ずその時に向けて制作していたというよりは。手元の数が超過したときにちょうど依頼がというパターンである

年に2回の大掃除のときに数が多くなっていたり加工に向かない品質になっていたものを売却したり。加工して更になにかに作ろうと思っていたけどちょっと違うというものなどを売却している人である

「もともと力石で生計を立てれる程度の品質を作ることはできる人で。そうしてもいいかなって思ってもらえるくらいにはいい関係を構築していたんですけれどもね。なんの采配だったのか。あなたのような効率的に品質が低かろうが高かろうが売れれば良いという人に当たりまして。まあ、値切るためにボロクソ言ってくれまして。それで生成できなくなったんですよ。力石職人はメンタルが繊細な方が多い。故に煩わしく感じて力石を生成できなくなるよりは。気ままでも品質が高いものをというのが商人の心得という感じに暗黙の了解がありますし。本当に良い商品を卸す人たちはこの一件で信用できる商人さんに囲われて仕事をするようになりまして。一時期ギルドも大変でした」じろりと睨みつければ、身に覚えがあるのだろう視線をそらしている

「兼一さんは学生時代から力石を生成していましてね。大学進学とともに学生枠で生活費と学費を稼ぐ枠を申請して利用されていましたが。どこぞのバカが、アレヤコレヤといちゃもん付けて値切ろうとしていまして。品質も術式も効果も間違いないとギルドが太鼓判を押したものにですよ。呆れますよホント。それを聞いてやる気が出なくなったのか一切生成・精製しなくなりまして。在庫は結構合ったみたいで実習もありましたからそれを見越して多めに作られていたみたいですし。こちらは学費を稼ぐためにという申請ですから。売買のタイミングは制作者にまかせていましたし。これが一定数の契約だったら大変でしたでしょうが。そういうものでもなかったので。それ以来、生成・精製はほそぼそとしていたみたいで。最近ですよ。在庫がと言って売却されるようになったのは。全て安定した5年物を中心に売却されていますし。売却されていなかったときに信用されるように交流を持っていた人たちにはそれ以上のもので一定のリクエストという注文を受けているそうですが。まあ、できたら良いな程度で気ままに待っているそうですよ」そう言うともう良いと出ていったが、彼は基本的に出禁にしていたはずである

どうやって潜り込んできたのやらと痛い頭を抱えつつ。職員に周知徹底を促し関係者に注意を流す

力石職人は繊細でちょっとしたことで仕事ができなくなるところがあるが。それを鑑みてもいい商品を作る金のガチョウを殺してはいけないと環境を整えて置くのが商人の仕事だろうと思う

大手と言われる人間たちはそこがわかっているのだろう。複数の力石職人と契約を結び囲い込むことで一定の品質を維持できるようにしているし

それで良いと契約をしている人が多い

他のところと契約を結んでいるうえで趣味でとか作っていて品質がというのをこちらに卸す人も多いなかで、あんな品のない商人が闊歩していたら力石を生成しようと思っている駆け出しさんたちも作れなくなってしまう

将来から見てもあまり良い結果が出ないと思われるものはギルドとしても容認はできないものである

本当に困ったものだ

認定を消してもいいが

潜りとして色々と歩かれても困るしと思いつつ痛い頭を抱えてしまう

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