無題
倉庫番として15年勤務しているが、毎年新人にマウントを取られるのが面倒だなと思っている。力石は生成も精製もできるが、期限が決められているものを作るのが苦手で気が向いたときに作ったり方法を確立していくスタイルが性格的に有っているので、ガンガン作っていこうぜとう言う会社は合わないと何度か転職して気が付き今の会社で倉庫番として採用された
力石の倉庫管理は資格が必要であり等級ごとに適応資格が変わるが、現在会社で扱っている特級の資格も取得しているのですんなり採用された
もともと自分の力石を管理するために取得したものであり。以前の会社でもスムーズ運用していくために必要で個人的に取っていたものだ
会社は力石を加工して魔道具を作る会社であり力石以外の素材も管理しなければならないので、そちらの資格も就職してから取得した
難関と言われている力石の管理を取得できたので他もつまずくこともなくすんなり取得できたのは幸いである。ちなみに自分が休みのときに資格保有者がいないとなれば問題であるとして社長はじめ古参の職員たちもある程度の水準で管理の資格を持っている。特級は社長と専務2名。特級以外はそれ以外の社員という具合に
社員10人の小さな会社なので、大きな取引をしていないから多量の素材を管理しているわけでもなく回っている。
ただなーとキャンキャンと今年も力石を生成できるだけで入社したというか企業奨学金で力石を3年納品することで奨学金を返済する枠の社員が食って掛かってくるのはいかがなものか。
たかが倉庫管理がと言うが、そのたかが倉庫管理がいなければ高評価される魔道具を作れないってわかってんのか?
3級の力石すら納品がままならない人間が?技能を磨き工夫して安定して納品できるようになってから大口をたたけよとイラッと想う今日このごろ
技を練り心を磨き高みに登ろうとしないのに人を蔑むのは好きなのは何なんだろうか?
去年まで同じようにキャンキャン言っていた2年目でやっと会社が望む3級の力石を納品できるようになった人間が青い顔をして聞いているし
職人として入ってきて倉庫管理だからとバカにしてきた2年目も自分が管理に回るようになって大変さをわかって来たのか青い顔をして居る
さて。どうしようかな~と口を開く前に
「キャンキャン無駄吠えする暇があったら社内規格に合格するように工夫してほしいんだが?4年間の学費を溝に捨てさせるような行為をする人間だったんだな。お前」そう自分の見る目がなかったと残念なものを見る目で言い切る社長。
お。社長じゃん
周りにいた社員が軽く頭を下げて道を譲っている。モーゼの十戒だっけ?アレみたいだなと思いながら開けかけた口を閉じる
そんなというふうな新人が驚いているが無視して
「社長どうしたんですか?注文票通り出しましたよね?」朝のミーティングのときに出された注文票通り素材を届けたが?と首を傾げると
「注文通りだがちょっと引っかかってな。もう一つ上のやつ。あるだろ」そう言って出してきた力石は1級として仕入れて社内規格に合わせて生成し直したものである
「これでも良いんだがしっくりこないんだ」というので、注文票を取り出して他の素材との相性を見つつ違うものを取りに倉庫の奥へ
倉庫番の研修をしている3年目の社員にその場を任せて行く。社長が居るので特に問題は無いだろうという信頼もある。それに研修中に簡単にできるとかほざいていたので実地少々の実地も行う意味も有ってのことである
背中に刺さる視線を無視して奥に進んでいく
素材を見ればだいたい風属性の何かを作っているのだろう。他の素材は風属性に融和度が高いもので力石もそう指示があったのでそれを出したが、それではないとすれば?と思いつつ風によりすぎているのか?
だったらバランスを取るものとして5級の土と間を取ってもらう水と火を細部にバランスよく配置するといい感じになるのでは?と考えながら適合する力石を何個かピックアップして持っていく
倉庫のカウンターには肘をついて待っている社長と必死に制御している研修さん。
社長自ら何度目かの規格についての説明?を受けている新人と言う状況が目に入った
「説明したと想うが。我が社が設定した規格に合格しなければ納品したとカウントしない。カウントできない場合は、奨学金返済は現金で月々払いでも対応可能だが返却してもらうことになる。他社に売ってそれで返済してもらっているが。4年間の大学時代に提示している規格になるように工夫するなりすればいい話だが。それが出来ないからと言って我が社に食って掛かるというのはどういうことだろうか?鑑定が不服とするなら鑑定士に講義するのが筋だろう?。各社に我が社の規格水準で鑑定してほしいと伝達しているので、我が社の鑑定士が信用ならないなら他社に鑑定士てもらっても良いんだ。それにも関わらずなぜ無関係な倉庫番に食って掛かんて居るんだ?」理不尽だよな。っていう圧が強いなーと思いつつ
社長と一声。
こちらへ視線を向けてくる社長は懐に入れた人には優しい。お!嬉しそうな顔をしてこちらを見る社長に
「しっくり来ないという話なので。風を落ち着かせるという意味で地属性をいれてみたらいかがでしょうか?風だけではなく融和度が高い水や火もいれているとなれば安定するように配置するのもありかと思います。近すぎると反発するなら少し話して装飾に施して全体的にバランスを取るのもありかと」とブローチでしたよね?だったら風属性の金属で周りを囲って一番遠い装飾を地属性を配置し反発しないように朝のオーダーで出した水か火をつければいい塩梅になるのでは?
そう言うと思案顔をしてから
それもありだなとトレイを掴んで持っていく
新人に
「力石を納品できなければ、現金で返却してもらうという基本的なものは変えられない。事前に説明されていたのにも関わらずゴネればどうにかなると考えが理解できない。お引き取りを」そう言って玄関を示し退出を促している
渋々というか社長がでてきてしまって無理なものは無理。っていうかゴネる意味が理解できないと言われてしまってはどうにもならないと思ったのか戻っていった
あとから担当に一言言っとかなくてと呟いているので、広報担当にSNSの対応を指示するのだろう
さて、仕事をしましょうか
静かになったので納品されて水準の規格には合格したがもう一歩足りない素材を熟成させるために倉庫内の調整をし各素材の精製を行う
管理だけならまあ、なんとかなるしなれればさほど負担にはならない。社内には社長も他の社員も居るので何かあっても封じ込めれるようになっているので大丈夫である
ぐっと何かを耐えるようにして居る研修さんと自分なりに管理しやすいように試行錯誤して技を練っている今日の倉庫番担当者たち
以前自分だけが倉庫番をしていたときに職人たちが倉庫番をバカにしたことがあるので、品質管理のが大切だと理解させるための業務になっていて古参も定期的に行っているため有給が取りやすくなって良きである。
倉庫番は倉庫の管理をする仕事である
倉庫にある素材管理を始め倉庫の保存するための環境管理もその仕事なので、周りに影響を及ぼさないようにするのも仕事に含まれる。
故にそろそろかと自分で時間を掛けて精製した倉庫管理用の力石を確認する。そろそろ素材用の結界の基点をしている力石が寿命を迎えるので交換をしなければならない
出来上がった力石と管理資格についての法改定基準を書いた書類を持って出社
朝のミーティングのときに社長に報告すれば流れるように力石の鑑定と買取を行われて現金小切手が渡された。会社所有になった力石を社長がその日に魔道具へと作り上げることになったため私が倉庫管理を一手に行うことになり倉庫と社長の作業部屋は立入禁止となる。
それ以外の作業は通常通りになるため必要な素材は朝の時点で全社員に渡されるのはいつも通りだが倉庫番の研修を受けている人間たちは今日だけはカウンター業務で商品の受け渡しや発注対応飲みになる。売却や鑑定は本日は中止となるとSNSで上げると同時に関係会社に連絡することとなったが、その程度は予想済みであるため問題ないだろう
社長が号令を出し動き始めたので自分も素材管理の法改定されている参考書を片手に倉庫へ
倉庫中央にしかれている結界の中央に陣取り社長が魔道具を作っている間書類を読み込み規定を結界に施していく
一つ一つ改正された基準に調整をしつつそれに合う結果に改定していく作業は根気がいる。倉庫に保管している素材や力石のバランスを考えつつシステムを社長が構築していくのに沿って結界も改定していく作業。
力石を精製するのとどっちが?と聞かれたらどっちも同じくらいだと答えれるくらい神経をすり減らして行く作業だ
切り替え作業中に保存している素材が揺り起こされて暴走しないように。力石がしょくはつされて暴発しないように結界を貼りつつ改正をしていく
保存している力石や素材が溶けて無くなる場合もあるのでそちらも気をつけないといけない
素材一つ一つに関して基準があるし。属性にも基準がある。それ以外にも環境に関していの基準も色々とあって倉庫に物がある状況で改定して行くのはちょっと面倒な作業であるが、改定するために倉庫内の素材をすべて出して結界を調整とかするのも結構な手間なので、どちらが面倒ではないかと言われたら物理的に面倒ではない方を選んでしまう
臨時休業とかはなるべくしたくないので
ちょっとおつかれな社長が午後15時に倉庫に基準となる魔道具を作り持ってきた。ちょうど結界の改正も終えたところなので改正版を敷いた結界の中央。基準点に魔道具を置けばふんわりと淡い光が立ち述べて倉庫内すべの素材が管理の結界の下に管理される
これでちょいちょい暴れようとしていた力強い素材も品質はそのままで暴れるようなことがなく大人しく管理されていくだろう。素材は魔物原産のものもあるので、元の魔物の気質を引いて素材の属性や特性が暴走することも時々ある
冷気が。熱気が。つむじ風が。木々がとか創意のを大人しくさせて周りに影響がでないようにし素材として使うために安定させるというのも倉庫管理の一つの仕事である
それが出来てこその管理資格者であり国家資格である
倉庫番だからと馬鹿化にしてくる人も居るが。たかが倉庫番と蔑むなかれである
ちょっと虫の居所が悪いときに会社基準の力石ではないと鑑定された腹いせにとカウンター業務を手伝っていた私に恫喝してきた人がいた
なんで自分の力石が基準に達していないと言われないといけないのか。そちらの会社が悪いのではないか。会社基準と言われるがその基準は明確な線引があるのかとまあギャンギャン騒いで最終的には持ち込んだ力石を自分のいいねで買い取れと
まあハラスメントである
会社基準の線引と言われたので、線引した指数とその基準にした要因の説明。どのような力石が必要なのか一応説明したが
そんなもん関係ないと怒鳴り散らしてくる
もう言いがかりに等しいものだったので本来は注意をされるであろう使い方であるが、周りに影響がでていると言えば納得される状況になっていたのを確認して
「魔力漏れをされていますよ」一言注意とともに魔力を使って漏れ出ている相手側の魔力を絡め取って強制的に押し戻す。
管理で力石や魔力がある素材を安定させ漏れ出る魔力を押し留めるやり方の人間版である。
ぐっと圧力をかけられて無理やり溢れ出ている魔力を自分の体内に戻されるというやり方は全身を矯正下着で締め付けられて動けなくなるような感じになるらしく体の動きが抑制される。そのまま漏れ出てるはずの魔力が漏れ出なくなり体内にとどまってぐるぐると暴走する。
そうなると体内の魔力バランスが狂う事となって軽度だとめまいのような状況になるし重度だと失神する。
で、怒鳴り散らしている人は一過性のたちくらみのような状況になってカウンターにより掛かり頭を下げてきつく目を閉じて動かなくなった
警察には客が興奮して暴れていると通報していたので、通報を受けた警察が到着。
興奮しすぎて具合が悪くなったようだと伝えて保護してもらう事となった。興奮していた状況の証拠映像としてカウンター上にある監視カメラで撮影したものを提供し引き取ってもらう
「あれはやりすぎではないか」警察に対応した社長が漏らしたので
「あのまま暴れさせて物理的に被害がでても良いならそれはそれで。攻撃を受けても受け流してカウンターを壊してもいいなら」そう言うと
「そうなっていたか。そうだよな。そうなってからじゃ遅いし。何かあったら撃退用の術式が発動したと言えば問題ないか」他人事のように言って納得した様子だ
警察からも興奮して具合が悪くなっていた様子だと保護した人についてその後の話しが来ていたし騒いで迷惑をかけられたということで、その人は出禁指定してもらっているので今後もご利用できないとなった
出禁の人は結界が弾く仕様になっているので建物すら入れないし。基準をクリアしたとしてもその方の商品は卸で弾かれて我が社が購入しない事となる。同じような基準を持っている会社はあるのでそちらに買い取られる方式となっているので今後二度と取引することもなくなるだろう
最近副業で力石を選択する人が増えてそういうトラブルも増えていると注意喚起がされていたので問題ないだろう。
結界の貼り直しとハラスメント対応を見ていた新人さんたちが最近倉庫番がとバカにしてくることもなく。むしろ恐怖におののいているがなんでだろうと想う
ちゃんと人道的に対応しているし。常識範疇であるならこちらも常識範疇で対応するのものである
まあ、基準に満たないのに買い取れとか文句を言う人には考えることはあるが
こちらとて国家資格を有しているのである。
ある程度の魔力操作や調整力があるし。自分以外に影響を及ぼす事を扱う資格なのである。使い方はグレーにはなるが。他人の魔力を外側から操作して狂わせるくらいできるのである
まあ、社長いわくバレなきゃノーカンだというのだから大丈夫だ




