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無題1

何かが違う。

何かが足りない

違和感が常にまとわりついていたが、その原因を思い出した

俺の。俺様のマジシャンがいないと

俺の無茶振りにも嬉しそうに笑いマイロード。そう言って頭を下げて実行し常に予想よりもはるか上の結果をもたらす。俺のマジシャン

俺が人生の道標だと

そう言って影のように付き添っていた。

いないときはそれは俺が指示を出して離したときか俺が今後必要になるだろうと工作作業をしているときぐらいだ。何もしないときは静かにそれでも視界にぎりぎり入るくらいの距離で何かをしたり調べたりしているが。

戦闘や決定をするときにはぬるっと側にいて俺の言葉を聞き漏らさないように。無意識で俺が漏らした言葉ですら拾い実行する。俺だけのマジシャン。

なぜいない。どこに居る!!

癇癪を起こしたくなるが周りを見て納得する。

今の状況は昔。

何度産まれ直したかわからないが、その最初。原点と言える環境にある。

その広い背中。明るく楽しげに人生を謳歌している養い親。その養い親のもとに集まって無理難題を叶えようとしている社員たち。

ああ。懐かしき我が原点

そしていつも側にいて俺が欲しいものを軽々と得ながら必要ないと捨てる義兄弟(くそったれ)

何かあれば俺の名を呼び。俺に執着し

俺が必死になって築き上げた物を壊し俺しかいないだろう?と嗤う義兄弟(くそったれ)

なるほど。

ここから始めるのか

ため息が出る。

だが、何度か目のときにマジシャンが呟いていた事を実行に移すには良いかもしれない。

二人だけでしかなかったから執着されたのだという俺に。だったら誰か違う人間を中に入れてゆっくり俺のことを無関心になるように誘導すればいいじゃないですか?と愛情の反対は無関心ですから。独特な引き笑いをしつつ楽しげなマジシャンの笑い声が脳裏に浮かぶ

周りを見渡せばマジシャンいわく夢主とか言う義兄弟(くそったれ)を狙っているやつが居る。ちょうど人手が足りなくて見習いを増やすといってきた時期らしく。周りの人間が仕事のことをレクチャーしている状況だ。なるほど。なるほど

天は俺に微笑んだみたいだな

薄っすら周りの人間さえわらからない。マジシャンだけがわかる薄笑いを浮かべた後に実行する。ちょうどこの時期は色々と養い親である社長の元を離れて社員に色々と技能を学んでいたときだ。あいつは有能だから養い親が直接教えていたが、俺はそうでもなかったから社員がというふうになっていた。当時はその差に悔し涙が浮かんだが、今はいい機会だ。社員と言えども超一流の技能を持って居る人たちに時間を割いてもらえるのだから。教えて貰えるだけありがたい

まずはと基本的ことや生活に必要な事。繰り返す生の中で困っていた事などを教えてもらい習得していくうちにふと疑問に思ったんだけどという体で教えてもらい身につけていく。

夢主だろうと思われる人間があいつと距離を近づけていくたびに俺も同じようにあいつから距離をおく。最初は引っ付いて教わったことを愚痴っていたがそれも徐々に引っ付いてこなくなり近くにいる夢主の方に近づいていく。徐々に徐々に距離を置く。

周りの社員たちにあいつが俺の側にいないことを疑問に思われたら。

「社長が勉強を教えているから」そう言えば。なるほどっと納得してから俺の頭を撫でてくれて

「頑張ってるな。あいつもやっと親離れならぬお前離れが出来てきたんだな」と寂しいような嬉しいような複雑な顔をしつついう

俺離れとは?と思ったが確かに安心タオルが無くて寝れないとギャン泣きする子供のようなものだろう?とマジシャンの顔が浮かぶ。納得。納得

そんなふうに距離を起き養い親の残念な方の子供と世間に称される様になってきた位になれば、あいつの執着は夢主の方に完全移行したようだ

準備は整った

現在居る世界は、剣と魔法の世界らしい。魔力が多いほうが良いと言うのは世間一般的で。何かればということで魔力を貯めておけれるものがあれば便利だろうなという卓上の理論は出来ているが実際は出来ていなかった。

魔力が枯渇するのをどうにか出来ないか?薬は苦いしすぐに回復しない。回復してもその後の返しでダウンするのはいかがなものかと食事中に雑談をしていた俺の先生役をしていた社員と副社長が話しているのに紛れ込む

最近は副社長からも社長からも微妙な視線を向けられてくるようになって来ていた

話に割って入って微妙な雰囲気ができあがっていたが術式を弄ってこういうふうにしたけど。これなら宝石とかにチャージして枯渇手前で補充するとかできるんじゃないか?

補充できなくても補助としてこっちに魔法をいれてぶっ放すとかというふうに説明すると食いつく。現金だなと思いながらもクズ宝石を術式の真ん中に置いて軽く術式を発動

副船長に雷の魔術の初歩をいれてもらう。失敗しても静電気を感じるくらいの初歩魔法を

まあ、実験ですからと副社長にうながしてくれた先生役に目礼をしてから仕方がないな〜とちょっと嫌そうな副船長がクズ宝石を触って魔術を発動するとぬるっと魔術がクズ宝石に内包される。

発動した感覚があるのに静電気を感じない。手応えがあるのに・・・・

驚いた顔をした副船長。

まじで成功した?と先生役と顔を見合わせる俺。

「内包した魔術はどう放出するんだ?」圧が若干かけられつつ

「放出したい方向に宝石を向けてリリースって」なるほど。なるほど?という顔をした副船長が泥酔して寝転んでいる社員の方を見て小さくリリースと呟けば、寝ていた社員が驚いたという顔をして起き上がる

小さな電撃が有ったように。

周りを見回して副社長を見て。あ!!という顔をした後に食堂をでていった

「成功だな」ぼそっと呟く副社長が俺と先生役の社員を見て

「もう少し使いやすいようにしてくれ」砕け散ったクズ宝石を手から払い落としつつ言う

周りの社員たちも突然の実験と成功。それを商品化?する命令を見てざわめいている。俺も驚き先生役の社員も驚いていると俺の頭を撫でながら

「よく頑張っている」そう言って嬉しげにでていった。半年ぶりに副社長に撫でてもらった。

それにぐっと涙が零れそうになる俺を抱きしめて良かったなと言う社員に頷きしばらく抱きついてから

さて、実用化しようじゃないかと朗らかに笑い合い飯を食べて実験室に戻る。

それから超一流と言われる社員だ。あーだこうだと言いつつ俺も時々何度か目の俺のマジシャンが講釈をたれていた物をアイデアという補助をし完成した術式は、俺が知るその術式よりも何倍も優れた術式を作り上げクズ宝石でも社長の魔術を魔力を内包できる品物を作り上げた。放出しても崩れ落ちない品物で、何度も使えるようにしたもだった

食堂で披露してから2ヶ月後にお披露目したそれを社長は喜び。商品化し世間に広めた

無論それは数年後には空中の魔力を集め結晶化させる技能に昇天されて行く。

元々俺のマジシャンが奥の手として作り上げて現実化させていたものをぼろっと理論だけ漏らせば、超一流の人間が集まっているところである。現実化するには時間がかからない。それを流通させ世間一般的に広め

作れる職人も当たり前の仕事として世間に認知される世の中にするのは養い親にとっては簡単なことだろう。

俺のマジシャンが世の中に顔を出しやすい環境を整え俺も養い親から距離を起き普通に生活できる状況を作り上げる。さすが、俺のマジシャンと思いつつまだ側にいないあいつを想う

無骨なそれを宝飾品のようにしてアクセサリーとして仕立て上げたい。社交界で違和感無く持ちたいと言う需要はあるので会社としてもそれに答えるべく対応している。そこにバイトとして働かせてもらっていて指名をもらうこともあるので、独り立ちしてもやっていけると示すと独り立ちしてもいいと養い親から大学卒業した4年後には独り立ちして小さな店を持っても良いと。店は社長が独り立ちの祝として建ててくれると許可が降りたのは俺が19歳のときだ。

あいつが言っていた力石を世間にお披露目させてから10年のときが流れ懐かしい顔ぶれがちらほらと俺の下に戻ってきている

だが、マジシャンはまだ来ていない。懐かしい顔ぶれは、マジシャンがまだ来ていないと聞いて驚いた顔をしているし。生まれ変わっていないというのはありえないという顔をしている。

確かに。俺も何処かに居ると記憶を思い出してから感じていると頷く。だったらなぜ?そう全員で困惑していたらとある筋から俺が欲しがっている宝飾品としても使える力石を開発したやつがいるかも知れないと情報が流れてきた

それは片田舎すぎる片田舎の高校が学校祭で小さく展示すると。あいつかもしれない。

俺は欲するものをぬるっと当たり前に出してくる俺のマジシャンならやりかねない。しかも、俺が張っているだろう情報網に引っかかるか引っかからないかの加減で伝達するこのやり方も

「あいつらしい」薄笑いを浮かべた俺に。周りも確かに。と頷く

 知り合いに面白いものを見に行ってくるが、一緒に行かないか?と声をかけ。大学卒業したら独り立ちを許可していた養い親にはヘッドハンティングに行ってくると伝えると笑って許してくれた。一応保護者としてとなぜだか副社長もついてきたが。

片田舎の片田舎にある小さな町立高校の学校祭の一般公開に出向く俺に。本当にここか?という顔をしている知り合いと副社長に。

頷く。事前に知っておいたほうが良いと展示をする人間が書いた論文まで行かない程度の理論が書かれた物を到着するまでの道中で読んで貰っている。その時は実際に出来たらすげーなとは言葉を副社長からいただいているし技能職の知り合いからは一度話をしてみたいと知識欲が爛々と輝く顔をされた

片田舎の過ぎて最寄りの地方都市で一泊し出発から2時間掛けてたどりつたところなので、疑心暗鬼にかかっているのだろうが。俺のマジシャンがここに居ると勘が囁くし、理論の書き方があいつらしいクセのある書き方なので間違いない

ガヤガヤと繁盛している校舎前の模擬店をすり抜けて目的の科学室へ到着する。本当にこじんまりとした発表なのだろう

人が来ないだろうと思われているのかテーブルの上に学生向けの椅子が置かれて居る。

本当にここであっているのか?と顔を見合わせている二人を気にもとめず入室するとチラホラとその道のプロたる知り合いがこちらに手を上げて来る

学校祭の一般公開が10時で展示及び説明会が10時半。好評なら午後からあるかもしれないという噂を聞いて逃しはしないと朝に来る貪欲さは素晴らしい。

ここまで来ると副社長も本当らしいと緩い顔を引き締め座る。

「どんな野郎だろうな」ウキウキとしている知り合いに。楽しみだなと受け答えしつつ俺のマジシャンですが?と心でドヤ顔する

時計が開始時間を示す頃には科学室は割と満員となった。

紺のブレザーにグレーのスカートをはいて重たげな黒髪を雑なポニーテールして田舎の芋っ子学生と言う雰囲気を醸し出した学生が入ってきた。教室内を見回して俺を見ると口角が下がって不満顔をしていると称されるそれが、一瞬口角が上がって一文字になる

微笑んだと思われづらいその顔を見て。ああ、マジシャンど満足した

それからは怒涛の理論説明と実験公開だ

私母国語しか出来ません。という顔をして実際に母国語しか出来ないのだろう。一応と置かれた通訳機械から流れる微妙なニュアンスを聞きながらというか本気な奴らは自分たちの通訳機械を用意して聞いている

俺もマジシャンならやりかねないとちょっとお高い通訳機械を手に聞いている

一字一句きちんと機械が認識できる発音をし理論を説明し白熱した質疑応答を繰り返し一旦5分の休憩。

では、実験としましょうか

用意してもらった力石をこのプリントに書かれた術式を使うと出来ます。

そう簡易に術式を書き込まれた紙を配り。先程説明した理論が理解来ているとできるんですけどと言いつつ

もう一度軽く説明をしてから

では、各々お好きなようにと一言添えて自分も要しただろう力石を術式の真ん中に置いて魔力を流すのを見る。術式に魔力が行き届き淡く光った後に置かれた無骨な力石はキラキラと多面カットされた宝飾用の力石に変わり品質も力石として使用するのにも耐えうるものだと遠目でも鑑定できる品物が出来上がる

確認した後に我先にと各々が用意した力石を使って実験した参加者たち。手にはキラキラと輝く宝飾品にも使用でき一級の魔術も内包できると鑑定できたそれを持ってニマニマとしている。

「特許申請しましが誰でも使えるように指定います。一定の使用量を払ってもらえればですが」にっこり微笑んで言うマジシャン

先程使用した術式は既に消え失せている。

使い捨ての術式だろうそれ。

マージンとして売上の0,02%

使用する力石を購入し商品を売ったとしても利益はだいぶ見込まれるというか。必要経費として考えても些細なものすぎる。多少宝飾品用として力石に方に制限があるとしてもさほど気になるほどの規格制限でも無い。一流の力石職人ならこのくらい簡単に作り上げることができると脳内でそろばんを各自弾いているのだろう。ニンマリといい笑顔である。

さすが俺のマジシャン。術式を簡単に世間に認識させ自分が就職する頃には業界の常識にするための手段としてはこれは良い手だ。どちらもWii-Wiiってやつだな

最初に配られていた理論プリントの隅に特許認可の番号とマジシャンの力石職人としての取引番号が記されている。のを見て誰しもニマニマと良い笑顔である。これを使えば宝飾品としても力石を流通させられる。あとはデザインの勝負であると。

これにて発表は終わらせてもらいます。一礼したマジシャンはテーブルを片付け始める。それを見た奴らはスマートに立ち上がり良い発表だったと良いマジシャンに絡むこと無く教室を出ていく。満足げな大人たちにありがとうございますと一言言って見送るマジシャンを引いた目をして立会の教員が見ているとか笑える

副社長も知り合いも真剣な顔つきで今後のことを考えているのだろう。スマートに教室を出て駐車したレンタカーに乗り込んですぐに各方に最近出始めた携帯電話で連絡をしている。

怒涛の連絡を終えた副社長が満面の笑みで

「よくやった」と褒めてくれた

知り合いも「よく教えてくれた」と褒めてくれたので、俺いい仕事した。わがままを一つだけ叶えてやると言われたので、マジシャンが懐かしいと遠くを見ながら呟いたのを思い出して

近く?に温泉があるからそこに行きたいとわがままを言った。温泉?といった顔をした副社長にお食事処に入って腹ごしらえをしつつ聞いて貰えば普通に教えてもらい車で40分

寂れて居るとは言いづらいが栄えているとも言いづらい地域の温泉という佇まいの温泉に到着してひとっ風呂浴びる。

入っている間に興奮も冷めて冷静に戦略を練ることが出来たようで。もう一度2時間掛けて最寄りの地方都市のホテルに付けば、知り合いのところの社長とうちの社長。それに各部門の幹部様がロビーで待っていたのには引いた。

社長には「面白いもん見つけたんだってな」と頭をワシャワシャ撫でられぎゅっと抱擁されて驚いた。義兄弟(くそったれ)が社長について学び始めてから俺との接触は少なくなり。大学卒業したら独立すると決まってからは会話すら会議でするくらいの関係になっのに。まあ、今も仕事関係といえば仕事関係だし。いい商品を開発したときは褒め称えのハグは社員にもしていたなと冷静になって。ありがとうございますとハグを返したのだが、一瞬不満ですという顔をした社長に首を傾げる俺を見て副社長をアイコンタクトをしている

解放されてから不思議に思いつつ幹部会議をするから部屋に戻っていなさいと言われてカギを渡されたので戻る。

温泉に入りマジシャンのマジシャンたる所以を久しぶりに見て満足。少し疲れたなと眠りについた俺は、社長と副社長が俺や俺の部下。それにマジシャンを絡め取るための会議をしているとは思わなかった。

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