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無題

祈り石ね

そう言いながらひょいひょいとテーブルに出している小さなビーズ型の力石を縫い付けていっている友人

「祈りってなんだと思う?」にこやかにそう言いながら手芸の手を止めないのは彼女だからなんだろうと思う。

この国で一番実力があると言われているのが彼女であるが、本人はそんなことはないという。

決められた規格の力石を決められた数だけしっかり揃えて生成できるのが本来求められている力石職人の技能であって私のように気まぐれで作るのは違うのだと

私は良くも悪くも趣味の範疇で作っていてその作ったものに誰かが意味を価値を見出しているから売れる

ただそれだけだと引き笑いで楽しげに言っていた

この力石だってただの青い中級レベルの力石と評価されるか今みたいに空と海シリーズとして宝飾品としての価値も認められて高値で評価されるかなんて他人の受け取り方次第なんだと。

なんでもないようにバックの小さな袋から取り出した極小の空と海シリーズの力石

青を煮詰めて濃紺と言われるくらい黒くなってしまっている青であるが。深い青で光を当てると青空のように澄み切っているその美しさと言ったら。そう言われて高値をつけられるものである

0,5カラットの小さな意思でも数千万すると言われているのを小さなこの国で言えば巾着袋と言われる手提げ袋に入れているのだからなんとも言えない

ビーズの一つで青を煮詰めたような青が合ったので見つめていると微笑んでから

「祈りってね。親しい人や大切な人が幸せになりますように。元気で楽しく生きていられますようにとか。本能的に思って誰かを大切にしたい。幸せになってほしいって思う気持ちが元になるの。だから災害とかで被害があって自分たちが壊滅的な被害を受けても。自分たちよりも親族や親しい人の無事を祈る。そういう気持ちが凝り固まって集積したものが祈りとされる力となる。と私は解釈しているの。で、祈りをするところって基本的に精神的に落ち着くところとかでしょ?そちらだったら教会とか祈りの場として信仰の場があるでしょ?我が国ではどうなのか知らないけれども。結構、霊力スポットが祈りの場として使われることが多いのかな?そういう祈りの力の集積が祈石であり。聖なる石と言われたり清らかなる意思?とか言われるのよ」チクチクと手を止めずにビーズを縫い付けているそのデザインにも意味があり祈りがあるのだろう。

誰か彼女の大切な人ために作っているそれはブローチになるのだろうか?それとも髪飾りになるのか。

彼女が手ずから作り思いを込めて作っているそれはどんなものよりも高価なものであると思えるのは彼女を大切だと思う気持ちが自分にもあるからなんだろうか?ナンテぼんやり思っていると

「で、なんで祈りなって話になったの?」首を傾げて聞いてくるので、国で上がった話をする

どこか田舎で見つかった祈り石を使って宗教団体が立ち上がった。ただただ人のためにと祈るその力で幸せになるというその宗教団体は最初のうちは普通の団体であったが、最近では過度の献金をという風になり信者の家族などが自己破産のしているところも多く訴えが多くなっているということで、その宗教団体のもとである祈り石とはどんなものなのかという話になったと

「まあ、確かに祈りという力を使って幸せになっているという思い込みが合って幸せなのは本人というのは結構あるし。我が国では信じる者は救われる。鰯の頭もという話もあるのだから何かを進行して良いことがあったらその御蔭で悪いことが合ったのはその御蔭で軽減したと思えていれば幸せなんでしょうということわざが・・・」困ったわね。ナンテ言っている彼女は基本的に無宗教であるらしい

この国の信仰は分かりづらく。生活の中に溶け込みすぎて一部文化として成立していて社会常識として考えられているものの中にも信仰の考えが溶け込んでいる。故に信仰なんてしていないと言ってしまう国民が多い

彼女いわく基本はシャーマニズムの自然を進行する神道。死生観というのはその家々で大第受け継がれている仏教がベースであるという。仏教といっても本場者の仏教ではなく。我が国独自に進化した仏教なので本場のところとは実感考え方が違ってくるも

死んだら神仏のところに行って生きてきた道を振り返り反省会をして生まれ変わって勉強をし直すか。ステップアップするのかを決める。できない課題は何度も考え方を見方を変えて挑戦して輪廻転生を繰り返し御仏というか神仏が良いよ。頑張ったね〜っていうふうになった地球を回る風や大地や海などに溶け込んで子孫を見守るものとなる

という考えらしい

「献金って。まあ、一部では金は悪であると考える宗教もあるけど。カネがないとせかつできないでしょ。金の使い方だよ。循環させてみんなに行き届くようにしてなおかつ自分の身になるような使い方をするのが良い使い方。悪いのは自分だけ幸せになるように使う方法だけれども。そういう進行になってきたなら一度叩いてもとに戻したほうが良いのかもしれないね〜」等と言って困ったふうに手を頬に寄せている。

そう言っているうちに彼女の待合のブザーが鳴るためザラザラっと広げていた力石のビーズをケースに入れて針をしまい。作っていた小物も手提げ袋にしまってなおかつその手提げ袋をリックサックにしまって立ち上がって受付に向かっていってしまった

それを見送ってから

「だとよ」そういえば後ろに控えていた人間がぬっとでてきて

「そういう考え方もありなんですね。基本に立ち戻るですか。まあ、過度な献金をしたということで詐欺罪としてあげることができる人もいるでしょう」そう言ってため息を一つ

「どうして私はだめなんでしょうね」そうしょんぼりしながら言っているので

「合わない人間は仕方がないだろう。彼女の基準があるだろうし。親しくしたいと思っていても相手側がノーだと無理だろう」そういえば、ままならないですねと消えていく

彼女曰く自分が優秀であるとわかっていて他人が思い通り動かないとイラついてパワハラするような人間は好きではない。もともと他人と距離感がうまく取れない人間なのでちょっとそういうのはにストレスになると話していた。何で思い通りに行わないんだとイラッとしているのを見たことがあったので。それは致し方がないだろうと思っている

何でお前がといわれるが波長が合うという彼女独自の言い表しで説明されて理解できないといっていたので相容れないのは理解できたのだろう。なかよくなって利用したいという思惑が見え隠れしている人間は苦手でございますといっている彼女は自分も似た人間なので同族嫌悪であるといっていたそうなのだろうか?とは思うが、そうだと自分で言っているのでそうなんだろうとおいておいている

慈愛があり人が困っているのが苦手という彼女は。見える範囲で手を差し伸べる

自分のできる範囲で行うだけだ。自己満足。自己満足といっていたが、それが自己満足だとしても人が困っている時に動けるのはすごいことだと思うが、そういうものではないと

自己満足でもなくただ人のためにと動ける人が本当にすごいことなんだと話してた

周りにかき消されたらしく足音が聞こえない彼女がもどってきて視線だけで顔を動かさずに見回している。こういうところは鋭いのだ

「帰っていったみたいだね?何を聞きたかったのか知らんけど頭がいい司法の番人ができる・できないを判断するのであってただ検挙する人間がどうにかできないものがあるが、困っている人がいてそれを困っているどうにかしてほしいといわれたら公僕は動かないといけないこともある。めんどくさいね。公僕としての権限を自分のものだと認識して暴走しないだけ御の字なのかしら?」首を傾げつつ聞いている彼女が席に座る

査定に出していた力石の鑑定が終わったのだろう。

「半年に一度片づけないと保存する場所がなくなってしまうのが難点だけど。どれも持っていたいので大変。いつも通りのルーチンで作ったものは簡単だけど趣味で作った小さなものとか空とか海とか山とかは本当に悩む。あと一日とか」そういっているが、シリーズ物は力石としても効果を評価されているだから何とも言えない

売れる売れないと考えて作るとゆがむというのが本人談である

そういう人間も結構いるらしい。好きに作って価値を他人がつけてくれればいいという話をしていたし。そういう風に価値が勝手についてくるという芸術家の人間は多いので感覚派で間違いないのだろう。

「俺的には兄貴が困らないように。幸せにと祈って作る力石が一番効果があると思うんだけどな」という話をすれば

「それは君が君の兄貴のために祈って力石を作るからいろいろと効果が出ているんだろ。それが祈り石の大本であるといえるんだけどね。親が。子供が。兄弟が。お互いにお互いを大切に思う気持ちを込めた力石が祈り石の大本であるといえるからね」

「お前みたいにか?」そういって作っている小物を見ていえば

「そう。これも変則的な祈り石だ」そういって笑っている

なるほど。確かに家族や大切な人が幸せに困らないようにと祈る力はどの力石よりも強いのは納得いくそれが純度が高くなって生成される祈り石は奇跡を起こすというのも納得だ

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