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無題

もう誰も守らなくてもいい

守らせてもくれないのだろう

そう、思う気持ちが湧き出たのは

祖母が施設に入所し姉たちが結婚したからだ。

祖母と折り合いが悪く同居していて常に冷戦状態だった母。父に相談しても改善せず常にギリギリの状態だった母を守りたいと思っていた、

守られたかどうかはわからないが

姉たちにも

迷惑はかけたくない。幸多かれと思っていた

それは今でもだが

それでも、姉は良き伴侶を得て子供を産み・育てて楽しげに何かあれば伴侶と相談して人生を歩んでいる。私の出番はない

母も好きなことを好きなように出来ることが増え笑顔が増えた。私が寄り添う必要もなさそうだ

ぽっかり空いた隙間に風が吹く

ただただみんなが幸せになっただけなのに自分が置いていかれたような。寂しさが湧き出る

心を見つめ何をすべきか。どうするべきか

何がしたいのか

ぽっかり空いた心のスキマをみつめてどうするべきかと立ち止まって考える。無論、日常生活や仕事はきっちり行うが。

心中を見つめて見つけたのは、小さな頃に好きだった力石を作りたいと言う気持ちだ

昔は夢中になってやっていたが、やらなくなっていたが

今は暇な時間もあるし。通信教育で勉強することも可能になった。だったら自分に時間をかけてもいいだろうと

始めた勉強は楽しい。知らない知識を得られるのはとても楽しくワクワクする。自分が知らない知識を得られるのはとても楽しい。

知識欲が満たされるのは嬉しい。

力石の理論は基本は変わらず。必要な技能もさほど変わらない。実務はギルドで通信教育の番号を伝えれば、それに該当する講座を教えてもらえる。実務は夜勤前や休みに行っていた

そうやって実地だけは時間がかかったがペーパーは3ヶ月で合格した。

生成と精製が合格できたのは更に半年後。

初級の力石の資格を取得した。

 あとは自己研鑽。

最初は近くのスポットで生成をして初級の簡易設備で家で精製する。品質が上がると簡易では難しくなったのでギルドの有料施設で行うようになった。完全に趣味である

趣味を趣味として品質確認のために鑑定を学び品質を上げるための精製についても更に学ぶ。ゆっくり自分のペースで進んでいき10年

40歳になった頃には一級を取得した。

それで同行するわけでもないが。

遠距離で生成出来るようになったので、排他的経済水域で出来るようになった。

精製にも時間がかかる様になったので一つ一つ丁寧に行い品質を高く維持することを気をつけていた。専用の設備を家につけて行うほうがいいのだろうが、賃貸だし

管理用のケースは専用のものを使っているので特に問題も感じていない。淡々と自分のタイミングで生成して、精製する。それが仕事問いわけでもないが、多くなってきたら時々断捨離のように売買する感じで過ごしていたが

「趣味で生成されているかたの力石を買い取りができなくなりました」そうギルドで言われた

要は副業でも商業契約をしてほしいと言う話らしい。品質が高いのが不定期で出るのはギルド的にはあまり嬉しくないということらしい

「そうですか。でしたらこちらで売却するのはやめます。売却は違うところでもできますし。年に数回売却するのが迷惑というのならそれは致し方がないでしょうね」ニッコリと微笑んで拒否されたので致し方がないとお断りして売却をお願いしていたのを引き下げた

え。そんな顔をしているギルドの職員に

では、失礼します、一礼してその場をあとにした

で、時々品質が高くて買取ができないと言われたときに売却している店に行き

「ギルドで会員じゃないと買い取れないと言われまして」とカウンターに巾着に入れていた0,5ミリサイズで一級の品質に調節した力石を入れた巾着を置く。自分の細工で使うからと0,5ミリサイズに調整したものが余ったのを

ザラッと巾着から出して一つひとつ品質をカウンターで確認していく職員さん。小さなところであるが技能はしっかりしているしきっちり売却してくれる。

極小化した力石でも普通サイズの力石でも売却ルートがあるそうだ。以前そんな話をしていた。

ざっと査定が降りた。

「すべての品質が最高級ですね。さすがです」そう言って総額350万ほどで買い取りしてくれる。

「最近は極小のものが人気でして」そういうことらしい。数も多かったが、年収と同じくらいで驚いたが、時価である。そんなものだ

ということでいつも通り貯金しておく。

副業として青色の確定申告が必要なので。今は簡単で売却書類を写真で撮影して転送すれば、会計ソフトがなんとかしてくれるので助かっている。

精製も生成も出来る施設ができたのでとインフォメーションをもらったので

作りたくなったら予約して生成し品質を上げるために精製して楽しむ

キラキラ万華鏡の様に見える精製は好きだ

精製している様子をアップしたいと言われてなにが楽しいのかと思ったが。楽しいと思う人もいるのでと会員にお願いしているということで一度だけならと了承した

人それぞれやり方があり。勉強になるかと思ったのもある。自分以外の人のやり方を見て学びもあるだろう

そう思って。了承したが。

まあ楽しい

動画配信でいろいろな方の精製方法は見ているだけでも楽しい。勉強にもなった

私はくるくる回しながら行う方法だが、人によっては固定して行うバージョンもあるそうで。勉強になるなと。自分でも試してみたりと

色々と試行錯誤して品質が数段階上げることができた

キラキラ内包する魔力がとても魅力的になって満足満足。そんなふうに楽しんだのを売却する

 売却カウンターで職員さんが一瞬止まってから

「お楽しみいただけたようで」一言つぶやいてからサクサクと手を動かしていく

数で10

さほど多くない量なのだが

「とてもいい品質で」フッと笑ってから査定額を算出していく。

ちょっとまっていると後ろで二重チェックしていた人もうなずく

「とても品質が高く時価がつけられないものもありますので。オークションとなりますがいいでしょうか?」とのことだ

そういうこともあるんだなと思って了承。オークションを見ることも出来ると言われたが

「仕事でしょうから」ニッコリと微笑んで置く。金額が此のくらいになるとわかって精製するのはちょっと品質が落ちるので、評価は他人がつけるもので力石は私が満足して作れればそれでいいと切り離している。

で、数週間後。

ニュースに取り上げられる用になったのは驚いた

たしかに10個セットで何処かの王族のまもりに使われるとかなんとか。

買われた力石が、正しく守りとして使われるようにと祈りを込めておいた。

ギルドから連絡が来て金額が振り込まれるが、いつもの口座でいいのかと聞かれたのでお願いしておいた。

これで、働かなくても一生暮らしていけるだけのお金はゲットできたが

まあ、仕事は色々とあるが楽しいし。お金は何かあったときに使えばいいでしょということで、生活を変えることもなく淡々と楽しく力石を作り時々仕事をやめてやるって言いながら仕事をして過ごしている

それもまた人生

最高額を叩き出したことで以前取引をさせてもらっていたギルドからなんで!!と連絡を受けたので

「不定期の売約をお断りされたので」と答えたら膝から崩れ落ちるような感じでがっくり来ていた。品質が高い人ほどそういう傾向が高いらしく。不定期で売却する人が抜けて大変になったという話は時々売却をお願いしてるギルドで聞く

「うちはもともと高品質を売りにしているから。不定期に売却する方が多くても運営上問題もないし。一定品質で売却してくる人も居ますが、そちらも同じ様に買い取らせていただいておりますし。どちらも大切な顧客ですので」ニッコリと微笑んでいたので

商人としてはこちらが上なんだろうと思う

ぽっかり空いた穴は力石で埋まって楽しく暮らしている

時々母や姉たち。友人たちの話を聞いて手出しはしないけ。それは彼らの人生で手出し無用だと学んだから

幸多かれとは思うけれども

そして力石で作ったお守りで彼らの幸せが続くように祈っている程度が私にはちょうどいいと知ったので

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