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無題

「弟子にしてください」頭を下げてきたのは高校生のような恰好をしている人である

「弟子とは?」首をかしげながら鑑定を待っている喫茶ルームで突然話しかけられて驚いている。

喫茶ルームでいつものように新しい研究やら発表やらを書かれている力石の情報誌を読んでいる。どのくらい小さくできるのか?とかどのくらい高品質にできるのかって。こうワクワクするよねっていう感じで新しい技能は楽しみがある

古い技能も楽しさはあるが、最新の研究成果とか読むだけでワクワクするしどうしてそうなったのか興味関心があるので、時間つぶしで楽しんでいたのに

それなのにこれである

「力石職人になりたいので」そう頭を上げていってくるので

「残念ながら職人ではないのでできませんね。趣味の一環で作っているだけで定期的に仕事としていません。本業は工場で商品チェックをしているおばさんです」きりっと言い切ると呆然としている

このくらいの品質でこのくらいの大きさで。といわれるとちょっと作りたくないし

このくらいの値段になる商品をといわれるとやる気がなくなる

青空だけを集めた力石とか。夜空だけを集めた力石。

新月だけを集めた。満月だけを集めた。吹雪の日だけを。雨の日だけを。と興味関心があることだけを集めた力石を生成することも好きだし

特定ポイントの力石を生成するのも好きである

紅葉だけを切り抜いた。桜だけを切り抜いた

そんな花シリーズもある

一年365日ただひたすらにどんな日でも力石を生成したときもあったし。

1日を切り取って生成したものもある

気に入ったものは何年も繰り返して作っているし

飽きたらそれで終了。

人が是非にといっても作る気になれなければ作らないので、安定した収益を見込めない。ゆえに安定した精神で作ることができなければ失敗することも多くあるということで、本業は別にある

そういう人間であると以前からギルドには説明している。人を指導するというのは苦手で誰かと腹を割って話をするというのは緊張して吐き気が出るくらいだ

でも、孤立も苦手なので。

できるならうちの外。外のうちという感じで程よく距離を取ってもらえればうれしい限りです。な人間なのでちょっと何を言っているのかわからない。

目の前の人を凝視していると

「お。今年も絡まれているな」と茶々を入れてくる人がいてちょっとほっとした

「絡まれました。助けてください」そういえば笑いながら請け負ってくれるのはギルド指定の指導者をしてくれている偉い人である。こう、人を教え導くのがうまい人なんだろうなと思いながら助かったと手を合わせる

「え?」弟子にしてほしいという人が驚いているので逆に驚いて「え?」と返せば

「あなたは指導をしてくれるのではないのですか?」と当たり前に弟子にしてもらえると思っている様子で聞いてくるので逆に何でそんなに自信満々なんだろう?どうやって育てば自分の意見が100%通ると思う子供が育つのか?と思いながら

「力石の生成に関しての指導をする人間は国の試験を合格した人間ではないとできません。私塾などの人も私塾をするよという認可が下りなければできません。これは国の法律で決まったものなのでどうにもできませんし。そもそも私はそっち関係の適性がないのでできませんね」

「でも、シリーズを」

「こいつのシリーズはこいつが好きで趣味で作っているものだから商売っ気はない。そもそも売りに出すのも保存スペースを確保するためにと手放した方がいいと思ったものだけだな」手を挙げてまた絡まれたってと笑いながら参戦してくれる人も出てきたので

「そうなんですよ。今回だって高品質で最小化がどのくらいできるかっていう感じでネイルストーンくらいの4ミリサイズのものが保存容器からあふれるほどになったので。最小化シリーズの整理整頓も含めてごちゃまぜで持ってきました」

「なるほど。鑑定のブースが悲鳴を上げていたのはお前のせいか」なんて納得ているのは協会の偉い人である。周りも時間取っているのはお前のせいか!!みたいな顔をしているので

「ネイルストーンだったらネイルアートで術式を紛れ込ませて動力として力石をつけたら守りくらいならできるんじゃないですか?技能でそういうの確かあったはず。去年の奴でそういうので大統領とか守れるんじゃねーっていう話し合ったじゃないですか」ネタで上がっていた技能の話でそういえば

「ネタを現実化すんじゃねー。シールでつけれるようにするのもありだな」なんて言っているので手先ではなく足の方でも大丈夫でしょうねって答えたら。

「こうポンポンと技術革新するんじゃねー。本当に大変なんだからな特許とか特許とか特許とか」なんてぶつくさ言いながらどこかに連絡をしつつ私に髪を1枚出してくるので、今言った技能はギルドに一任します。安全に国民の幸福追求のために使ってください」と一筆書いて終了である

毎度のことであるが、こういう利権にかかわるのは面倒なのでギルドに一任。ギルドの方で運用して売り上げは力石やほかの技能の基礎研究や基礎開発などの方に回されたり担い手を教育する方に使われたりしている。そういう使い方なら好きに使ってくださいと最初の力石の最小化とシリーズをオークションで売却したときに伝えて一筆書いているのである

「嬢ちゃん。残念ながらこいつは好きなことを好きなようにする人間で。誰かに技能を教えるという機能はついてねーし。誰かと一緒に行動するという機能も残念ながら最低限しかついていない。仕事で集団作業をしているからな。力石なんて一人で楽しく趣味で思いついたことを試してなんぼという人間だ。シリーズなんてお気に入りのもの以外は突発的に作って終了っていうもんも結構ある。それでいて誰にも何も言われないのはこいつがこういう人間であり。そういう風にしないと作れなくなると知られているからだ。こいつみたいにいろいろとやりたいと目標にするのは構わないがな。弟子入りとかできないし許可も出ない」ギルドの上の人間がそう説明しても理解できないという顔をしているので

「無理強いすると死ぬか国外に逃げ出すな。国家の損失となることはギルドでも国としても認められねーだよ。嬢ちゃんがどんなに地位の人間でもな」そういってつまみ出せ!!と後ろに控えているおつきの人に言っている

で、普通につまみ出されている

偉い人の娘か孫なんだろうか?なんて軽く思いながら

「お前な。ネイルストーンとかネイルアートとか。何それ面白い。って安易に作るなよ。そして安易にできるお前がすげーな。ネイルストーン以外にも指輪とかでもできそうだな」などといっているのですっと指に着けていた指輪の一つを取り外して見せれば

うん?なんだ?華奢な指輪だな?

え?銀細工で作った?粘土でチンするとできるってすげーな・・・・・・

「おい。これなんだ。なんだこれ」ちょっと怒ったような困ったような顔をしているので

「指輪バージョン」にこやかに微笑んで伝えたら頭を抱えてうずくまれた。わらわらと近づいてきたのは新しい技能をいじるのが好きな検証組である。指輪の模様とモチーフに意味を持たせて力石で発動。常に発動するか条件があったら発動するかは力石に刻むことで制限ができる?え?マジで?あらゆる角度から写真を撮って共有して検証をしている人たちに。一発でわかるとかスゲーと笑いつつ最新版の情報誌を見ながらのんびり

認知症を改善する薬?糖尿病の初期段階だと完治する方法がある?へーまじか

すげーな。何?心臓の細胞から心臓ができる?へー移植まちとかなくなる可能性があるじゃん。心筋シートとかできてすげーって思っていたけど。それ以上に進んでいるのね医療技能って。化学基礎がちゃんとされていると治療方法とか新しい技能が出来上がってきて。よい循環じゃないですか

それ以上にいろいろと新しい技能を作って試して市場に出してとか

民間の宇宙船とかすげーよね

開発費をどれだけ落とせるかっていう課題もあるけどもロマンあるよねーなんていいながら読んでいると呼び出しブザーが鳴ったので受取りに行くと当たり前のように偉い人がいる部屋に連れていかれて

「すげー技術を当たり前のようにして出してこない。最小化の奴は」といつものように総額が高額なのでこういう感じで呼び出されて説明される。

いつものようにギルドの方の銀行に入れてもらってそこから税金を取ってもらうことにしている。

力石の稼ぎで同行しているわけでもないし。フリーランスとして毎年3月の税金の時が過ぎないとの税で残高足りずになると困るので放置しているのが現状である。ギルドの方からの報酬の紙を取っておいて生成や精製の申請と作業所の使用料とかギルドの会員費とか勉強会の参加費とかもまとめて税務資産に定期的にお願いして計算してもらっているが。

お金が足りませんといわれたことはあまりないが、最初の時は赤が出てたいへんだったので本職で食べていけているので埋蔵金のようになっているのが現状である。

まあ、楽しく趣味の範疇でできるのだから問題ないと思えるのだが

趣味の範疇ではないといわれることもあるし。本業が力石職人ですよねって言われることもあるが、残念ながら本職は別にあるし。力石はすべて趣味の範囲である

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