ハンバーグとハンバーガーについて
playにerをつけるとプレイヤー。スポーツをする人という意味になりますよね。つまり、erを語尾につけることで「〜する人」という意味になるわけです。
そこで僕は思いました。「なぜハンバーグにerをつけるとハンバーグを食べる人という意味ではなく、バンズに挟んだあのハンバーガーになるの??」と。小学生みたいですね。ハハッ。
※ここからは僕の妄想です。しっかり調べたわけじゃないので読み流してね。
その昔、アメリカにもドイツ系移民がいました。ドイツでは、当時ハンバーグは多くの人に愛された、よく知られた食べ物であったようです。
そこでドイツ系移民は、アメリカ人にハンバーグを振る舞うわけです。ドイツ人のハンバーグは世界一ィィィィイイイィィィィイイ!!!などと絶叫しながら。
さしものアメリカ人も、ハンバーグが庶民でも楽しめて栄養価も高く美味しい料理であることにさぞ驚いたことでしょう。
「ワオ! なんて素晴らしい食べ物なんだ! ドイツ君、これはなんていう食べ物なんだい? 僕たちにも作り方をぜひ教えてくれよ!」
こんな出来事がアメリカのさまざまな場所で起こったのでしょう。そしてドイツ系移民はその料理名を答えるのです。
しかし、なんとドイツでは地方によりハンバーグの呼び方が異なっていたのです。これではアメリカ人たちは、ハンバーグの喜びを伝え合えないではないですか。
それでもハンバーグを伝承されたアメリカ人たちはハンバーグにぞっこん。話題もちきりだったことでしょう。
当時のアメリカ人たちは口々にハンバーグの良さを伝え合い、広めようとします。
「やあフレンド。友情の証に僕のとっておきの料理を紹介しよう、その名もFleischküchle!!」
「え、なにそれ? ところで僕もとっておきの料理を紹介するよ! それは……Frikadelle!!」
「待って待ってなにそれ知らない」
アメリカ人たちは混乱しました。同じハンバーグなのに呼び方が違うなんて。シンプルイズベストな思考のアメリカ人には理解できなかったことでしょう。
迷ったアメリカ人たちは、名前はなんかいろいろ違うけど、とりあえずドイツのハンブルク(hamburg)から伝わってきたステーキはうまいよね!と喜びを共有したのです。そしてアメリカでは、それがそのままハンバーグの料理名として定着したのです。アメリカではハンバーグのことを、"hamburger steak"と呼びます。そのままの意味ですね。
余談ですが、アメリカでは地名にerをつけることで、「その土地出身の人」という意味になる場合があります。そのまま日本語になっているものとしては、ニューヨーカー(New Yorker)が有名でしょう。
つまり、ハンブルク出身の、ハンブルク版ステーキというわけです。
話はここで終わりません。アメリカ人はジャンクフード大好きなクレイジー野郎の集まりなので、ハンバーグをバンズに挟むというとんでもないことをしでかしたのです。
そして、ハンバーガーが生まれました。パンに食い物を挟んだらそりゃサンドイッチじゃねえか!という読者様のツッコミが聞こえてくるようですが、ここは待ってください。ハンバーガーを初めて食べた当時のアメリカ人たちは何を思ったでしょうか。
「おぉ……神よ……なんてことだ……。ハンバーガー・サンドイッチは手軽に食べられて美味い!! こんな素晴らしい食べ物がサンドイッチ界隈の片隅に留まっていていいはずがない!」
と思ったに違いありません。パンに食べ物を挟むなら一般にそれはサンドイッチと呼ばれます。しかしアメリカでは、牛肉を挟んだ場合のみ特別に、ハンバーガーと呼ぶことにしたのです。
ハンバーガーという言葉が生まれるまでには、ドイツでハンバーグをいろんな種類の呼び方をしていたことや、牛肉を挟んだサンドイッチだけを特別扱いした当時のアメリカ人たちの感動など、たくさんの歴史が詰められているのです。
食べ物の複雑で深い歴史に感動を覚えた僕は今夜、ハンバーガーを食べようと思います。
最後に、日本語でもまた意味が少し違います。日本語のハンバーガーは英語でもそのままhamburgerで通りますが、ハンバーグは英語だとhamburger steakになります。