表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
4/4

父の友人 視点

 子供が孫に会わせてくれない。と悲観する友人を見ている。


 酒が入り紅潮した顔で、なんで会わせてくれないのか、と言っているのを見てそりゃそうだ。という感情しか湧き出てこなかった。


 奥さんと子供を捨てて愛人と一緒に住み。愛人が亡くなるまでの約20年、家族にノータッチだったわけなのだから当たり前の結果だろう。覚えているかどうかわからないが、家族は血の繋がった他人で心の繋がった本当の家族は愛人だと言っていた。この調子だと忘れていそうだ。


 しかも奥さんと知り合いで家族にろくに金を渡していないこともなんとなくわかっていた。だが本人に自覚はないのか「金を出していたのに」と言っていた。いくら出していたのか気になって酒の勢いで聞いて見たら月一万円。すごいな。子供二人が月一万で育つと思っている。



 悪い所ばかりのようだが、そんなに悪いところばかりではない。友人の飲み代を奢ってくれたり、仕事も率先してリーダーシップをとってくれたり。


 だが、何を思ったのか不倫をして愛人と暮らした。


 その愛人が亡くなって何がどうなったのかはわからないが、しきりに血の繋がった家族に会いに行こうとしているようだった。会えなかったようだが。


 絶縁されてもおかしくないことをしたので、自業自得の結末だと思うが本人はどうも納得ができないようだった。


「なんでだ、仕事も真面目にやってた」


 すごく真面目か?と聞かれると首をかしげたくなるが。以前、愛人と二人でカラ出張したって自慢してたし。経理にバレてクビ寸前までいったし。


「家のことだってしてた」


 愛人の家のことじゃないよな?違うよな?


「なんで、なんで」


 そう言うヤツの目には涙が浮かんでいるようだった。

 なんでわからないんだ。と声に出してはいけない。


「ま、今日は飲んで忘れよう!!」


 俺に言えるのはそれだけだ。


 不倫なんてしなければこんなことにはならなかったのかも知れない。


 なんて言えるはずもなかった。



ここまで読んでいただきありがとうございます!

面白かったら評価、ブックマークお願いします!

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ