異世界にじゃがいもがあるのおかしくないですか?
「ここは……?」
「気がついたようじゃな。ここは儂が作り出した世界。儂がお主の住んでいた世界に干渉し、彷徨っていたお主の魂を魔法でこちらの世界に連れてきたのじゃ」
「彷徨っていた?つまり僕は死んでいたのですか?」
「いかにも」
「あと『儂が作り出した世界』と言っていましたがあなたは神様なのですか?」
「そうじゃな。この世界はお主の世界の中世ヨーロッパを参考にして作ったんじゃ。まあ、冒険者なり何なり好きに暮らしてゆくとよい」
「すごい……世界を作り出すなんて。ありがとうございます!この世界で第二の人生を楽しみます!」
「どれ、今日の儂は気分がいい。この世界を少し案内してやろうぞ」
「本当ですか!?ありがとうございます!中世ヨーロッパ風の世界かぁ……、楽しみだなぁ」
「ほれ、ここは市場じゃ。食料品が主に売られて……」
「あれ?じゃがいもが売られているのはおかしくないですか?」
「へ?」
「だって中世ヨーロッパにはじゃがいもは存在しませんよね。ヨーロッパにじゃがいもが持ち込まれたのはもっと後です。あ、トマトもあるじゃないですか!これもそうですよ」
「いやでも中世ヨーロッパ風じゃし……」
「ダメですよ、世界観はちゃんとしないと」
「むう……分かった」
パン!
「どうしたんですか?急に手なんか叩いて」
「ここは儂が作った世界じゃ。手拍子一つで作り変えることができる。ほれ、みてみい」
「本当だ、じゃがいもとトマトが店頭から消えてる!」
「これでいいんじゃろ?次に行くぞ。――ここがお主の仮の住まいじゃ」
「ありがとうございます!」
「うむ。気に入って……」
「でも窓ガラスがあるのはおかしくないですか?」
「……そうじゃな」
パン!
「あ、今度は窓ガラスが無かったことになりましたね」
「お主と話していて儂も気づいたことがあるんじゃが」
「何でしょう?」
「中世ヨーロッパなら魔法も要らんのう」
パン!
世界観大事だけど細かすぎるのもよくないよね
「面白かった!」
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