首だけなんだが……
初投稿デス
ん?どこだここは?
目を開けて周囲を見渡すと薄暗い洞窟のような場所にいた。天井から水滴が落ちるたびに反響するのを感じる。
どこだここ?なぜ洞窟?にいるんだ?俺は確か…あれ?全然思い出せん⁉︎昨日何をしていたのかが思い出せない。
なぜか昨日の記憶が抜けている。記憶がぶっ飛ぶまで酒を飲んだとか、いやそれはないなお酒はあまり飲まない主義だっはず…。
それに酒のせいで記憶がなくなったとしてもそもそも洞窟にいるのがおかしい。
視点が地面から近いことに気づく
ていうかなんか身長縮んだ?俺170はあったはずだけど…どっかに鏡みたいなもので姿を確認したいんだが。
周辺を見渡すと僅かな光で反射する池のような場所を発見する。
ちょうどいいところに池?みたいのがあるじゃん、そこで俺の姿でも確認するか…。洞窟については後でもいいだろ。
その場から歩こうとしたがなぜかうまく歩けずに俺自身は転がった。かなりの速度でガン!ガン!と音が洞窟内に響きながら転がる。
イデデ、、あれ?転がってるはずなのに痛くないんだけど。ちょっと待った!やばい!このままだと池にボチャンのコースだ!くっ止まれえぇ!
目の前に洞窟の隙間から溢れる僅かな光を反射して光っている池が迫ってくる。
…ふぅーあぶねぇ、なんとか踏ん張れた。自分の姿見るだけなのに池に落ちるとか醜態を晒さずに済んで良かった。つーかなんでうまく歩けなかったんだ?
池から少し離れたところでなんとか踏みとどまることができ、少しずつ這うような形で池に近づく。
あー疲れた。なぜだか知らんがめっちゃ動きにくいな。さ、て、と、これでようやく自分の姿を確認できる。どんなナイスガイな俺が現れるのかなぁっと…自分で言ってて恥ずかしくなった。
目の前に現れたのは人間の顔ではなく兜だった
え!?俺の背後になんかいるんだけど!
素早く後ろを振り向いても静かな空間が広がっているだけだった。
なんだったんだ今の変な兜は?
よし!今度は後ろにいないこと確認したし俺の姿でも見ますか。
勢いよく池の中に映る自分の姿を確認した。そしてそこにいたのはさっきと変わらない黒光りする兜がいる…。
「……は?」
いや、一旦落ち着くんだ俺、クールに行こうじゃないか。
何度見ても結果は変わらなかった。
「なんでやねん!」
驚きのあまりエセ関西弁になってしまった。
それにしてもなんで首だけなの?というか何故兜をかぶっているんだ俺は!?そしてどうして首だけなのに、声が出せるんだよ!しかもちょっとダンディーな声になってるし、俺の声もうちょっと高かったような気がするんだけど。
あっそっか!もしかして夢だな!なぁんだそういうことなら早く目覚めないと〜、、、
現実逃避しても変わらぬ事実か、泣けてくるぜ。
改めて自分の姿を見てみるとなんとも禍々しい雰囲気の黒塗りで所々に紫色の線が血管のようにある。顔の部分が覆われているいわゆるフルプレートの兜だ。目だって真っ赤にギラギラ光ってて、兜が全体的になんかへんなオーラみたいなのが実際出してるし…。
「あー、あー、、なんで首だけなに声は出るんだろ。まぁいっか、そんなことは異世界だからってことでいいだろ、多分。」
状況を整理すると、気がつくとよく分からん洞窟にいて、そして俺はなんと首だけになっていたと。はぁ、なんだこれ。まぁでもこの状況的にどっからどう見てもあれだよなぁ、アニメとかでよく見る異世界転生って奴。
最近のだと転○ラとかが有名だけどまさか、自分が転生するとは…というか俺はモンスターなのか?いや首だけだからモンスターだというのはわかるんだが、どういった種族なのかが全然分からん!よくあるスライムとかゴブリン的なのは分からんでも無いが、俺のはよく分からん!うーん、首だけで兜をかぶっているモンスター、、、いたか?そんな奴。考えても分からん!この問題は後回しでもいいだろ。多分!
自分の種族がなんなのかは置いといて、お次はみんな楽しみ!チート能力の時間だよ!...みんなって誰やねん。孤独感をなくすためにやったことだけど余計悲しくなってきた。
とはいえ能力確認は大事だよね。よくある確認方法としては。
「ステータスオープン!!!」
自分の声が洞窟内に響き渡る。めっちゃ恥ずかしいんだけど!あぁ!何やってんだ俺生まれてから26年たつのにこんな厨二っぽいセリフを、恥ずかしくて死にそう…もう死んでる?けど
「恥ずかしがってる場合じゃないな。能力確認は大事だからしておけば後で楽になるかもしれないし!」
気をとりなおしてとりあえず思いつく言葉を言ってみるか。
「ステータス!ステータス展開!能力値!ならば、鑑定!」
ぴろん。静かな洞窟の中、俺の頭の中で機械音のような音がなった。
「おっ、正解は鑑定だったか。これでステータス確認ができる、さぁて俺のチート能力は何かなぁ。」
目の前に表示されたステータス画面を意気揚々眺める。
個体名《 &@3)&1&#£》
種族〈デュラハン〉
レベル1
スキル
鑑定:Lv 1、念力Lv1、自己回復Lv1、ライフドレインLv1シャドウLv1、ダークレイLv1、呪術Lv 1、創造Lv 1、物理耐性Lv1、魔法耐性Lv1、恐怖の呪眼痛覚無効、鏡の世界Lv1
固有スキル
死の眼、深淵、
おぉ〜なんか知らんけど強そうだな俺!レベル1だけど。でも、チートって感じじゃん!やばそうなスキルあるけど…。ていうか俺の種族デュラハンなの!?確か、首なしの騎士だったか?首を抱えて大剣振り回してるボス敵。ゲームではよく見たことあるけどまさか自分がそうなるとは。
あれ?…俺の体は!?今首しかないんですけど!体がないと不便すぎるだろ。こうなったら体を探すしかないか。まぁ今はとりあえず目の前のステータスでも見るか、、
視線を再びステータスに戻すと。
なんか個体名のところバグってるし、俺にはちゃんとした名前が…名前が思い出せない、あれ?俺の名前なんだっけ?俺が日本人であることは確かにわかるししがないリーマンをしていたこともわかるんだが、、
まぁすぐに思い出すでしょう。知らんけど。
そういえばデュラハンってどんなモンスターだっけ?確か、ゲームで出てくるのは、アンデットで水に弱い…だっけ?
デュラハンについて調べて見るか。
生態を知るって意味でもいい機会だし
デュラハン《呪精霊の一種で神出鬼没。頭部と胴体で分かれており、騎士のような甲冑を着ている。古くから伝わる話では【沈黙の魔女】が創造した魔物。初代の剣聖と渡り合える力があるとされる。現在ではお伽話として空想上の魔物とされている》
デュラハンを調べて見たがアンデットとかではなく呪精霊?とかいうやつらしい。
そもそも、沈黙の魔女って誰だよ。俺をこの世界に呼んだ張本人の可能性があるか、、
それに剣聖ってのがどのくらい強いのかわからんけど滅ぼすことができるほど強いんのか。まぁ俺には関係ないでしょ!剣聖が誰かなんて知らないわけだし!俺が剣聖とあったことあるわけじゃないしね!、、関係ないよね?
とりあえずスキルの詳細が分からないと使うときに不便だし、調べてみるか。
鑑定〈対象の人物、物などの情報をみることができる。〉
念力〈魔力を練り上げて不可視の力として物質に干渉できる〉
自己回復〈損傷した肉体を少しずつ回復する〉
ライフドレイン〈対象の生命力を吸収する〉
シャドウ〈自らの影で分身を作れる〉
ダークレイ〈闇魔法の一種、範囲魔法〉
呪術〈対象の人、物に対して呪いを付与できる。ただし強い呪いは自らに返ってくる〉
創造〈物質などを魔力で具現化することができる。〉
斬撃耐性〈斬撃攻撃に対する耐性が上がる〉
魔法耐性〈魔法攻撃に対する耐性が上がる〉
恐怖の呪眼〈対象の恐怖耐性を打ち消し恐慌状態にする〉
痛覚無効〈あらゆる痛覚を無効することができる〉
鏡の世界〈相手に鏡像を見せる〉
固有スキル
死の邪眼《対象の魂を殺すことができる。かつてこのスキルを持ったものが一国を滅ぼし邪神の眼とも呼ばれた〉
深淵《対象を深淵に誘う。深淵に誘われたものは抜け出すことができずに永劫の時を深淵で過ごすと言われている〉
すぅー、うん!やべぇスキルが2つほどある!普通のスキルは結構強そうだし、問題は、、多分ない!一番の問題は固有スキルだよなぁ。
死の邪眼《対象の魂を殺すことができる。かつてこのスキルを持ったものが一夜にして一国を滅ぼし邪神の眼とも呼ばれた〉
このスキルの何が怖いって、まず一国を滅ぼせるほどの威力があること。こんなスキルどこで使うんだよ、、魔王にでもなれってか?
次のスキルでも見るか、、、
深淵《対象を深淵に誘う。深淵に誘われたものは抜け出すことができずに永劫の時を深淵で過ごすと言われている〉
うん、よくわからん!深淵ってそもそも何?なんとなく封印でもする系のスキルなのかなぁって思うけど。鑑定すればわかるのか?まぁやってみるか!
鑑定!!!
あれ?鑑定さんが発動しない、、なぜだっと思った瞬間…頭の中で針で刺されるような鋭い痛みを感じる。
「いったああああああ、なにこれめっちゃ痛いんだけどしぬしぬしぬしぬ。」
痛みは数秒続いた後にすぐに消えた。まるで痛みがなかったかのように綺麗さっぱりと。
「なんだったんだ今のは、なんで痛覚無効貫通してくるんだよ。鑑定しちゃダメだったのか?それならそうと言ってくれればいいのに。」
鑑定さんに愚痴りながらもう深淵を鑑定しないと心に決める。
ついでに沈黙の魔女とやらも鑑定しようと思ったが今の痛みがまた起こりそうだし鑑定するのはやめておこう。
それになぜだか知らんが沈黙の魔女のことを考えると悪寒のようなものが全身を駆け巡るし鑑定したところで嫌な予感しかしないため魔女については一旦保留しておく。
その後も他のスキルについてあーだこーだ言いながら一通り見終わり一息つく。
それにしても、俺のスキル結構強そうなスキルめっちゃあるんだなぁ、固有スキルに関してはノーコメントで。
いや怖いんだけど固有スキル使うの危なすぎるだろ。
なんでラスボスみたいなスキル持ってるんだよ。
俺、魔王だったりして。
真っ先に討伐されそうなんですけど、、
そもそも魔王なんて柄でもないし世界に滅ぼすとか絶対無理!討伐されるじゃん!とりあえず固有スキルに関しては封印するしかないな。危ないし。
まぁスキルについては今後検証していくとして、問題はこの姿だな。
異世界転生と言ったらハーレムを作って楽しい異世界ライフを気づける“はず“なんだが、、
はぁ、、それに対して俺の今の状況はどう考えても異世界ハーレムとはかけ離れている。
楽しい異世界ライフを過ごすのは絶望できだなぁこの状況、だって異世界と言ったらケモミミ少女とかエルフのお姉さんとかと一緒にハラハラドキドキの冒険したり主人公のなんかすごい力で無双して、ヒロインと主人公のイチャイチャラブラブなシーンとかがあって幸せな日々を過ごすことができるはずなのに!
よくある異世界主人公だと
主人公→イケメンに転生してチート
それに対して
俺→デュラハンしかも首だけそしてやべぇスキル持ち
こんなのでどうやってハラハラドキドキの冒険するんだよ!相手の方がハラハラドキドキだわ!無双を通り越して世界滅ぼせそうだし!ヒロイン登場する気配ないし!
そんな感じで1時間くらい悲嘆にくれていたが…。
まぁ落ち込んでるだけでは意味ないし、ポジティブに考えるか。
なんだろうポジティブに考え出したら、ちょっとこの姿かっこいいかもしれない。
改めて池で自分のことを見ると意外と悪くない。黒を基調としていてその中でなぜか光っている紫色の血管のように乱列している線がちょっと厨二感があって尚良い。そして極め付けとして真っ赤に光っている目が結構かっこいい。だって日本人男子として赤目とかめっちゃ憧れじゃない?少なくとも俺は赤目に憧れてたしこの目に関してはすごく気に入ってる!
まぁスキル発動したら視界内の対象が死ぬんだけどね、、。
とりあえずスキルについては置いといて、今は自分の容姿が意外とかっこいいことに気づけただけ良しとしよう、そういえば俺の体はどこにいるんだ?なぜ頭の俺だけこんな所にいるんだよ。今頃俺の体はどこで何しているんだろうか。早くお前(体)に会いたいよ。
かっこいいことの確認はできたとして次はヒロインだな!とはいえ俺はデュラハンな訳だし、例え体が帰ってきたとしてもやっぱりヒロインとイチャイチャなんて、できないよなぁ…まぁ仕方ないって言われればそれまでだけどさ!まぁせっかくの異世界なんだし、ヒロインくらいいても良くない?異世界で一人ぼっちなんだよ。日本にいた頃も確か恋人と呼べる人なんていなかったしなぁ、よく覚えてないけど。
よし!ヒロインのことはとりあえず忘れよう!今はこれからをどうやって生きて行くかだもんな!!!
それに普通に考えて異世界に転生するとか普通に生きていたらできない経験だし!別に異世界の楽しみ方とか人それぞれだからね!
「よし!そうと決まれば俺は異世界ライフを満喫してやる!」
「こんな身体(頭のみ)だけど、、」
自分の姿を見下ろしながら少し悲観的になる。
「まぁ、身体についてはこの洞窟を探索して、いなければ洞窟から出て探すってことでいっか」
そもそもどっちに行けば入口なのかすらわからんけど。
とりあえず前進あるのみ!
暗い洞窟の中をガシャガシャと音を鳴らしながら進んでいく。
ー数時間前ー
「まーじで疲れたんですけど、魔物多すぎでしょ。ようやく一休みできる。」
金髪の少年が寝転がりながら愚痴る。
「最近この森おかしいくらいに、魔物が出る。流石に疲れた。」
少年の言葉に同意しながらフードの少女はその場に座り込む。
「うむ!確かに最近は魔物が活発になっているな!だが私たちの仕事はこの洞窟を探索することだ!休んでいら暇はないぞ!時間は有限だからな!」
赤く光るガントレットを着けている黒髪の大男が暑苦しく、休んでいる二人に対して言う。
「いや流石に疲れたんで休みましょうよ〜」
金髪の少年が大男に対して提案するが
「エル、ディークがその提案のむと思って言ってる?」
大男が言う前に少女が代弁する。
「マイルの言う通り!その提案は却下させてもらうぞ!私のように日々鍛えていれば休む必要はない!」
ディークが自らの筋骨隆々な体をエルに見せつけながら言う。
「筋肉バカ」ボソッとディークが言うがそれは彼には伝わっていなかったらしく鍛錬の成果を見せびらかす。
「はぁ、、ディーク、流石に二人とも疲れた状態で洞窟の中を探索するのは危険。何があるか分からないし仲間が倒れてもいいの?」
ため息混じりにマイルが説得する。すかさずエルも説得をしてようやく
「そこまでして休みたいのか、、確かに二人とも疲れた状態で探索してもよくないか、、よし!ならば五分休憩してから洞窟の探索をするぞ!」
「「まぁ休めないよりかはましか(ね)」」
2人がそう愚痴りながら休憩する。
「じゃあ結界張っとくわね」
『主よ、我らの尊き生命をお守りください。』
【プロテクトホール】
マイルの詠唱が終わるとマイルを中心に3人を包み込むような透明な膜で覆われる。
「ありがとうございます、マイルさま〜」
「もっと感謝してもいいのよ。」
薄い胸を張ってドヤ顔をするマイルを気にせず
「よし!結界が貼られたのなら安心だな!今回の探索の目的を確認するぞ!」
「休憩中にでかい声聞きたくないんだけど、、」
「エル、諦めなさい。」
「では、確認するぞ!2人とも間違えのないように聞くんだぞ!」
さっきよりもでかい声を張り上げ2人に伝える。
「今回の依頼の目的は2つ!最近【トルール森林】で異常発生している魔物の討伐。そしてメインは!この洞窟の探索だ!!」
でかい声に嫌気が刺しながら聞くエルに対し
「しっかりと話を聞いているか!エル!」
エルがディークに問うとビシッと指をエルに向ける
「ちゃんと聞いてるんで話の続きしてよ」
めんどくさそうにエルが答える。
「よし!では続きを話すぞ!この森林はもともと魔物はそこまでいなかったはずなんだが、ギルド職員からの報告では二週間前に新しく【トルール森林】の三箇所に洞窟が発見された!そしてギルドの調べによると洞窟の中にはおそらく特級魔物と同等の魔物が住んでいると思わる。そしてこの洞窟がダンジョン化してしまう可能性も考慮しての依頼のようだ。洞窟内では準二級・準一級の魔物が特級魔物の発する魔素を吸収して進化している可能性がある!そのほかにも他の場所から魔素を取り入れようと魔物がこの森林に来ているのではないか?というかのがギルドの見解だ!そして私たちに課せられた依頼はこの洞窟を探索し可能なら特級魔物の討伐・又は情報の持ち帰りだ!」
「つまり特級魔物がいることは確定ではないけど一級レベルはいると想定した方がいいってことね。」
「その通りだ!」
「後の二箇所はどうすんの?まさか全部俺たちでやる訳じゃないよね!」
エルの質問に対して
「そこは大丈夫だ!他の二箇所には【白亜の騎士】と【俺たち最強】のパーティーが行っている!私たち【英雄譚】は目の前の洞窟の探索に集中すれば良いと言うことだ!」
「ふーんあの筋肉連中が依頼受けたんだ。てっきり【竜血】が受けるかと思ってた、あいつら金のためなら無茶するような金の亡者みたいなもんだし。ていうかあの騎士(笑)さまも受けてるだね。」
マイルが嫌味ったらしく他のパーティーのことを言う。
「そんなことを言うんじゃないぞ!マイル、【白亜の騎士】は実力"だけ“は本物だからな!確か【竜血】は別のうまい依頼を受けていると聞いたぞ!それにしても【俺たち最強】がこの依頼を受けるとは少し予想外だったな。確か後輩を訓練するのに忙しいと言っていた気がするが、まぁそんなことは些細なことだな!実力のあるパーティーが参加するのは良いことだからな!それにしても【俺たち最強】のところは良い筋肉を鍛えているあれはなかなか見れないものだぞ!まぁ私の方も負けていないがね!!!」
真っ白な歯をキラリと光らせながら2人にまた筋肉を見せつける。
そんなディーク(筋肉バカ)を無視して
「それにしてもマイルは相変わらず騎士さまのパーティーきらいだねぇ、なんかあったの?」
筋肉の話題から外れようとエルがマイルに尋ねる。
「別に私だけじゃないでしょ。ほとんどの術士は嫌いでしょ。あいつら術士のことバカにしてるでしょ?魔法なぞ脆弱な力〜って言っててほんとにくだらない。馬鹿みたい。」
「ああ〜そういえばそんなこと言ってたな、ギルド内で。まぁ一度問題になったけどあいつら剣の実力だけは本物だからなぁ。ギルドも強く言えないんでしょ。実力派が最近は減ってるから。」
「まぁギルドの方もそろそろ何かしらの対応はしてくれるでしょ。【白亜の騎士】に対しての不満が多そうだし」
「対処してくれると良いけどね。」
ふんっと鼻を鳴らしながら期待していないように答える。
ギルドへの不満を愚痴る。
「ていうか今回の依頼、ギルドも使い魔を使って洞窟内を探索できるんならそのまま洞窟内を全部探索して特級魔物いるのか。いたとしたらその姿くらい確認してほしいんだけど。」
エルが愚痴りながら言う
「そんなことができるなら私たちいらないでしょ?ギルドでは対応できないから依頼が回ってきたんでしょう?」
「いやまぁそうなんですけどね」
「だが実際に特級魔物に出会った際は即座に撤退するぞ!二級でも私たちだけでは辛いのにそんな化け物が出てきたら太刀打ちできんからな!」
筋肉アピールが終わったディークも会話に混ざる。
「仮にそんなのがいたら俺らに明日はないね。生きて帰れる自信ないし」
「せめて情報くらいは持ち帰れると良いんだけど。」
最悪の状況を想定して空気が重くなったのを感じたエルが
「でも本当に奴さんがいるのかはわからないし、いないかもしれないだろ?それに今回の報酬は金貨五枚、銀貨二十枚とパーティーのランクアップにもつながるし、さらに洞窟探索で発見したアイテム類は発見したパーティーに所有権があるみたいだし。ダンジョン化が進んでるんなら宝箱くらいあっても良いでしょ。追加報酬くらいは欲しいし。」
「エル、油断は危険を招くよ。この洞窟は今まで発見がされずにいたのだから危険。どんな魔物が潜んでいるのかはギルドから大体聞いたけどそれ以外にも出る可能性はあるんだから。」
「そんなこと言っても結局マイルもこの依頼受けてるじゃん。」
「当たり前でしょ?報酬は良い。何より謎に満ちた洞窟を探索するのは心躍るし、未知を知るというのは術士からしたら本能みたいなものだし。」
パーティーの空気が少し和んだところで
「さて、2人とも十分に休憩したな!そろそろ探索に行くぞ!」
意気揚々とディークが洞窟に入って行く
「はぁもうちょっと休んでいたかったですけど仕方ないか。よいしょっと」
エルがゆっくりと起き上がりながら続く
「そうですねこれ以上休んでいたら帰りには日が暮れそうですし。」
マイルも立ち上がり2人はパーティーリーダーであるディークの後に続いて洞窟に入って行く。
彼のいる洞窟へ。
ここまで読んで頂きありがとうございます!
初めて小説を書いてみたので文章表現などがわかりにくいかもしれないですがご愛嬌ということで。
評価など頂けると嬉しいです♪
連載頑張ります♪