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流星のサクリファイス story side

 流星群の夜が訪れ世界は一時の幸せを得た

その後の絶望と釣り合うようなそんな希望に包まれた幸せを


暗い地下通路の中で背の低い順で進む見通達

鴉を先頭に見通、灯色、藤金、藤堂の順番だ

通路は一本道になっていて降りてきた階段から見ると後ろに行くか前に行くか

その二択で

見通達は前へと進むことにした

「まるで牢獄ですね」

灯色が不気味さに思わず感想を漏らす

道の左右には部屋があったがほとんどがドアの上部に

鉄格子があり灯色の言う通り牢獄の様だ

「だったら~この先に看守があったり~?」

ふざけた問いの答えかのように

開けた場所に出た

どうやら前に進んだのが正解だったらしい

「気配ってやつは確か前からだったよな?」

「はい、この先にその正体が居るでしょう」

「わあ~楽しみ~」

藤堂の確認に真面目に答える灯色と

強がりを言う見通

見通は確実にわかっている

現状、この先の存在に勝てるかどうかギリギリだと言うことを

千里眼の見通、身体強化の灯色、霊を操る鴉

鴉を戦力に数えるのは賭けに近い

この先に居るのはそれさえも支配する【何か】で

鴉に味方する霊は恐らく居ない

そう考えると決定打は灯色

自分は徹底的にサポートに回らなければならない

「鴉さ~ん、ここで藤堂さんと藤金さんの護衛を頼めるかな~」

「!?」

目を見開き、唖然とする鴉

「待って!もう置いていかないで!あの時の約束なら守ってる!」

キャラの崩壊が復活した鴉

どうやら素がこっちらしい

「いいですか?」

手を挙げ灯色が意見する

「どういう約束かは知らないけどもう離れないためだと思います鴉さん」

「それはどういうこと?」

少し遠慮がちに続きを述べる

「それはこの先では、鴉さんは単なる少女ですから・・・・・・」

「わかってるよ!そんなこと!」

ついには泣き出した鴉

(鴉さん?この世界では過去を捨て、演じた方がいいですよ?)

(お兄ちゃんは演じてるの?)

(どうでしょうね?でもご褒美ならありますよ、きっと僕が渡しますから・・・・・・)

「あの時、見通お兄ちゃんは演じたらご褒美があるっていったのに!」

「それはその先だよ、鴉」

見通は鴉を呼び捨てに考えを語る

「きっとこの事件が終わればご褒美を与えられる気がするから

この場では我慢してほしい鴉には生きていて欲しいんだ」

「そんな・・・・・・」

とうとう泣き崩れた鴉に背を向け

両開きの電子扉に手を掛ける

開いた電子扉からは瘴気とも取れる圧が溢れだしている

そこに覚悟を決め入る見通と灯色

「待って!」

鴉の叫びは電子扉に阻まれた

扉の先からの光が眩しく、手を翳す

「待っていたよ、お兄ちゃん」

円形の席がないホール

赤黒い斑点と灰色が支配する

死臭包むコロシアム

その奥に雑な瓦礫を積んで出来た玉座があった

そこに座るのは見通と同じ顔をした

同等の背丈を持つ少女と思しき人間

「待たせたな・・・・・・鎖通(さとり)・・・・・・」

「やっぱし、なにかわかってたと思ったよ見通」

「バレた?」

「お兄ちゃん?そいつは誰?」

なんだか嫉妬の様な感情を向け、灯色を睨む

「鎖通、俺の相棒で最強の灯色 美哉だ」

「そんなことは聞いてないよ?私だけのものでしょ?お兄ちゃんは」

目を見開きながら頭を傾げる鎖取

「もうお兄ちゃんじゃないんだよ?あの女は逃げたし・・・・・・」

「違う、違う違う違う!ウあぁぁぁぁぁあぁあぁあぁぁぁぁぁぁぁっ!」

保たれた正気は一気に崩れ、そして完全な敵となる

「見通!何が来る?!」

「恐らく、火の槍が左右に現れて灯色が狙われる」

「わかった、なんか策があるんだな!囮は任せろ!」

まっすぐ突っ込んで距離を縮める灯色とは別行動で

鎮圧を目指す見通


「鴉たんはどっちが素なの?」

「うるさい、嫌いになりますよ?」

「ははっ!処世術か?」

扉の先とは違う微妙に安穏とした雰囲気で

鴉と大人組は談笑していた

鴉は恐らく強がっているのと見透かしていた大人組は

どうにか気を紛らわせるためかあらゆる手を使っている

それが功を奏したのか過去を語り始める

「私は計画を担うオルタナティブチルドレン、鴉多(からすだ) 香通(かとり)

それが本名で鴉は偽名なの・・・・・・」

計画は簡単なものだ

様々な世界にスパイのようなオルタナティブチルドレンを置き

サクリファイスによる支配を敷く

しかし色々な横やりや裏切りにより

次第に計画の意義を失い

残ったのは「粕屋プロジェクト」

粕屋見通を台頭とした解放計画

計画の内容こそ違うものの

いずれ世界を違う意味で支配する

「これは私達が見つけた最後の希望なの・・・・・・」

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