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元勇者、すばやさを自覚する

 勇者をクビになった翌日、目を覚ますと体が何かおかしいことに気づいた。


 いつもはどこか倦怠感が残っているのだが、今朝はまったくそんなことがない。むしろ動きたくてうずうずしているくらいだ。


 これがタネパワーか……。


 とりあえず惰眠を貪っている訳にもいくまい。

 成り上がると決めたからにはさっそく行動だ。


 ……と勢い込んでいつもの勇者装備(木の棒とボロ布)で外に出たは良いものの、まず何をすれば良いか分からん。


 風の噂によると、最近は冒険者ギルドに行ってSSSランク冒険者というものになるのがトレンドらしいが、このスーパード田舎王国であるアジハアンにはそんなナウいものはない。


 そんな訳で、困ったときのルイーズの酒場に来てみた。


 酒場内は平日とあってか、そこそこの賑わいを見せていた。

 ただ昼間から飲んだくれてる奴は少なく、どっちかって言うと冒険の準備に来ている人が多いようだ。


「あ、アレンさん。いらっしゃい!」


 冒険窓口に行くとリンカちゃんが受付をしていた。

 昼はウェイトレスではなく、悩める冒険者たちの案内役になっている。


「今日から新しい旅立ちだね!さて、お悩みをどーぞ!」


「あの、まず始めに何をすればいいかなーって」


「そうだねぇ……やっぱまずはお金集めかなぁ。アレンさん、いま一文無しだよね?」


「やっぱ世の中金か……」


「何するにしても必要だからね。そこにクエストが張り出してあるから、出来そうなのを見つけたら教えてね」


「何かオススメってある?」


「そうだなぁ……やっぱ魔物退治は割が良いものが多いね。アレンさん勇者だったからお手のものじゃない?」


「うーん、実はオレそんなに強くないんだよなぁ」


 勇者やってた時も隣の大陸までしか行ったことないし、そこでリビングアーマーに追っかけ回されて命からがら逃げ帰ってきたし。っていうか大陸1つ越えただけで敵強くなりすぎなんだよなぁ。


「そうなの? でもスライム退治とかもあるから心配しなくていいよ」


 まあスライムならいけるか。

 掲示板の前に行くと、リンカちゃんの言った通りスライム退治の募集が。

 さっそく受注して、いざ冒険の旅へ! ……言ってて空しくなってきた。


 アジアハンから出ると平原にはスライムの姿は見当たらなかった。

 魔王が倒れる前にはこの辺にもうようよいたらしいが、最近は森の方に姿を隠している。


「しゃーない、森までひとっ走りするか」


 そうして走り出して、オレはようやく体の異変に気付いた。


「ん?」


 いつも通り走っているはずなのに、周囲の景色が目まぐるしく変わっていったのだ。


「おや?」


 そして足を止めると、そこはもう森を通り越して隣の街に向かう為の橋の手前まで来ていた。


「あれえ?」


 試しにもうちょっと走ってみる。すると、数秒も経たない間に大陸の西端まで来てしまった。


「ふむ」


 考える。これは一体どうしたことだろう


ニア1.大陸が突然小さくなった

  2.何者かの高度な空間魔法の影響を受けている。

  3.素早い


 1にしては木とか草とかの縮尺変わってないから違うような気がする。

 2も移りゆく景色を見ていたから途中すっ飛ばしていきなり移動したとも考えにくい

 3は……選択肢シンプルだな、おい。


 そして数秒考えた後、めんどくさくなって考えるのを止めた。


―――――――――――――――――――――――――――――――――――


なまえ:アレン

しょくぎょう:無職(元勇者)

すばやさ:255

何やら気分が乗った時にでもノリと勢いだけで更新します。

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