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一つのテーブルの周りに藤田、あかり、若い男性、若い女性、そしてフードの男が座る。あかりは相変わらずご飯を食べている。藤田もちょこちょこと食べている。若い男女はその光景を優しい顔をして見守る。そこで、フードの男が話し出す。
「じゃあ、ちょっとだけ説明を始めるか」
そう言うと藤田とあかりは手を止め、フードの男に視線を向ける。そして、フードの男は続けて説明をする。
「まず、2人の意志が知りたい。俺達は能力者達を集めている。その理由、それは俺達能力者は無能力者と共存し、繁栄しなければならない。そうじゃないと人類は終わると思うんだ。だから、仲間を集め、世界を救い、能力者に対する差別を無くす。これが俺達の目的だ。どうだ? 俺と一緒に来て、自分の世界を広げてみないか?」
藤田とあかりの動きが止まる。少し間を置いて藤田が発言する。
「私は付いていきたいです! もう帰るところもないので……」
それに釣られてあかりも発言する。
「私も同じです。でも、もしここで断ったらどうなるんですか?」
すると、フードの男は背もたれにもたれ掛かって答える。
「その場合は俺達と接触した記憶を消して元の生活に戻す。まぁ詳しい事はその時に話す。じゃあ、2人とも俺達と一緒に来るって事でいいか?」
2人は力強く頷く。それを見て若い男女は微笑む。それと同時に藤田は身を乗り出して、ある質問をした。
「あの仲間ってここに居る人だけですか?」
この質問に男はテーブルに置かれているお菓子をつまみながらこう答えた。
「いや、もう1人居る。その人は今パトロール中だ」
さらにこう続けた。
「まぁ、2人が加わるなら心強い! これから宜しくな! 俺はボスだ。だからといってかしこまって話し掛けるのは止めてほしい。いつも適当だし俺はそういうのが嫌いだからな!」
ボスはそう言うと藤田とあかり、2人と握手をし、手元に缶ジュースを出現させ、飲み始める。
こうして藤田とあかりは無事に収容所を脱出し、ある組織に入る事が出来た。
そして、この2人はある事件を解決し、ヒーローと呼ばれる事になる。