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目が覚めると白い空間にいた。
「ここは?」
「ここは次元の狭間じゃ」
振り替えると、白いワンピースを着た少女が立っていた。
何やらとても神々しい雰囲気と可愛さを持っている。
「次元の狭間?」
「うむ、お主は次元断層に誤って落ちてしまったのじゃ。」
「落ちた?」
「おもしだせんかのう?」
…あれは、たしか
そう、思いだした。
俺の名前は城新弾。
しろあらだん
ツーリングが趣味の高校2年だ。
バイクが俺の彼女だ。
けして、モテナイ訳ではないと言い張りたい。
両親と兄と弟がいた。
そう、過去形なのは5年前に兄貴が行方不明になったんだ。
10歳も年の離れた兄貴が忽然といなくなった。
共働きの両親に代わって俺たち2人の弟を育ててくれた尊敬できる兄貴。
ある日、中々起きてこない兄貴を起こしにいったら、部屋内には誰もいなかった。
携帯電話は枕元にあり、靴も履かずにどこかへ消えてしまった。
兄貴が残していったバイクに乗っていると兄貴が近くにいるように感じられたんだ。
そして、山道をツーリング中に対向車線をはみ出した車を避けようとして、ガードレールにぶつかり谷底へ落ちていった。
そして、光に包まれまんだ。
「まあ、そんな感じじゃ」
「それじゃ俺は生きてるの?」
「うむ、もちろんじゃ」
たしかにジーパンに黒い革のジャケットのままだ
『じゃあ、戻れるの?」
「いや、戻ることは出来ん。ここは一方通行じゃ。」
そんな。まだ告白もされたことなかったのに…
「まあ、聞くが良い。これからお主には異世界に行ってもらう。この先には有象無象の女子よりも良い出会いが待っておるぞ。っと、その前にお主にこれをやろう。」
幼女神の手から白く光る球体が現れると俺の胸の中に消えていった。
「いまのは?」
「あれはお主の持つスキルを覚醒させるものじゃ。例えば剣術レベル1は一人前レベル。レベル2は熟練者。レベル3は超越者という感じじゃな。分かりやすいじゃろう?さてさて、お主のスキルは?…身体操作じゃな。なかなかのレアじゃな。」
「身体操作?レベルはいくつ何ですか?」
ホッホッホ。それは使えばわかるじゃろう。そろそろ時間じゃな。行って来るが良い。」
俺が最後に見たのは満面な彼女の笑みだった。
目が覚めると森に、ではなく、町の広場にいた。
「ここは?」
広場の先には宮殿のような城があった。
ガサッ
後ろを振り替えると、中世の鎧をきた鋼のような筋肉を持つ兵士が槍を構えていた。
「あ、あははは」
俺は苦笑いしか出来なかった。
この先にどうなるんだろう?