0.絶望と謎へのプロローグ
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「お母さんのバカ!もう知らない!」
「あっ、小晴!待ちなさい!」
私は愛用の絵本やスマホが入ってるバックを持ち勢いよく家を飛び出した。
コート来てないから寒いかと思ったけど冬だっていうのに寒くなくむしろ熱くさえ感じる。
飛び出しはしたものの車が来ていないのを確認して近くの公園のほうへ走る。
ああ、今日は最悪な日だ。今思うと家から飛び出す必要はなかったのについカッとなってしまった。
お母さんに何と言って謝ればいいんだ…ああ!もう私のバカ!
私の名前は「本川 小晴」16歳になったばかりの高校一年生。
絵本が大好きでいろんな物語を考えたりするのも好き。
だからって根暗みたいになってるわけじゃなくて普通に友達はいるし、よく一緒に映画を見に行ったりするの。
学校での成績はいいほうだと思ってるし、国語は学校一の成績だ。
こんな風になってるけど普段からお母さんとケンカしているわけじゃない。むしろ一緒に買い物行ったり、ご飯作ったりするし仲はいいと思う。
ただ今はお母さんにお願いしたけどそれが拒絶されたからつい家を飛び出すレベルにはケンカっぽくなっていた。
そのお願いとは、とある絵本を見せてほしいというもの。。
お母さんの部屋にある絵本の棚、昔お母さんと一緒の部屋で寝てた時夜読んでくれた絵本。そのほとんどは 読ませてもらった…というか今もいくつか持っている。
その中に唯一読んでない本がある。丁寧にラッピングされていて題名さえも読めないんだけどおそらくあれは絵本だと思う。どう見ても子供向けのラッピングに「もとかわ こさめ」というお名前シールがついているの。
急に名前が出てきたが「もとかわ こさめ」、漢字で書くと「本川 小雨」という人は私の姉だ。
ただ私が1歳の時、彼女が5歳の時にトラックの交通事故でお父さんと一緒に死んじゃったけどね…
つまりほとんど姉との思い出はない。その名前を知ったのも姉が生前読んでいた絵本を読んでもらった時に知ったんだ。
その時は何で姉が今いないのかと聞いて死んだといわれて泣き出して…とにかくお母さんを困らせてしまった記憶がある。
私の持っている絵本はすべて姉からのおさがりだ。故に自分で買った本はない。というかほかに本がいらないくらいにおさがりの絵本にはまった。
種類はいっぱいあって50冊くらいある。その中でもお気に入りなのが4冊だ。
まあ、ほとんどの本は今も読んでいるけどね。
話を戻すと小さいころから私はあの絵本が読んでみたかった。
いくら頼んでもお母さんはあの絵本だけは読んでくれなかった。理由を聞いても何も教えてくれないし…
そこでお母さんに今回のテストで国語100点とったらお願いをかなえてもらえるように頼み込んでOKもらったんだ。そこから私はとても頑張った。小論文とか物語は得意なんだけど、ちょうど範囲が俳句で、苦手な範囲だけど詠んだ人や俳句の技法などを覚えるのを頑張った。
それで100点取ったのにあの絵本を見せてほしいというお願いは聞き入れてもらえなかったの。
曰くあれだけは絶対にダメ。ほかのことなら何でも聞くからあきらめてくれと。
そっから私がキレて喧嘩になっちゃって今に至るの…
はあ…、どんな顔して家に戻ればいいんだろう。とりあえず多少私の気持ちが落ち着くまで公園にいよう…
そして私は近所の公園にやってきた。
公園はまあまあ広く、今日もボールで子供たちが遊びまわっている。
この公園には一本だけ大きい木があって、その下のベンチで絵本を読むのが昔からの私の趣味だ。
お気に入りの絵本を何冊か持ってきているから何を読もうか迷うが、お母さんに一番最初に読んでもらった絵本の「お菓子の国の危機」を読むことにした。
この絵本はお菓子でできた国で一番人気の店「デザートプリンセス」でパティシエをしている女の子「パテリーヌ」が主人公のお話だ。
どんな内容かというと、お菓子の国の近くにある粉砂糖の森の主をしている普段は温厚な大熊が急に暴れ始めてお菓子の国を荒らしてしまうんだ。
そこでパテリーヌの能力で作られたお菓子でできた兵隊で大熊を止めているうちに落ち着く作用のある薬草をメレンゲの川の近くの草原からとってきてそれを生地に入れたケーキを作って大熊に食べさせるの。
正気に戻った大熊から悪い魔女が大熊に魔法をかけて暴れさせていたことを聞くんだ。
そしてプディング山の頂上にいる悪い魔女をパテリーヌの兵隊で懲らしめるという話。
最後は魔女も改心してみんなでお菓子の国をより良いものにしていく…というところで終わるんだ。
このお話の魅力的なところはお菓子の兵隊さんの豊富な種類だ。
例えるなら、クッキーの兵隊は力強いけどもろい。でもいっぱいいるから重いものを持ち上げたりすることが得意。
ケーキの兵隊はとにかく万能で、大熊を止めるのに一役買うんだ。ただそこまで多く人数がいないからいわゆる指揮官みたいなポジションだ。
ゼリーの兵隊は、焼かいところから落ちてきたものを受け止めたりするのが得意。衝撃吸収だけじゃなくて魔女の魔法をはじくこともできるんだ。
こんな感じでいろんな兵隊さんがいてそれを作り出すことのできるパテリーヌは相当すごいパティシエなんだ。
もちろん普通にお菓子作りの才能もすごくて大熊に国を破壊されて落ち込んでいる人たちに自分の作ったお菓子をふるまってみんな笑顔にしちゃうほどだ。
こういう絵本を読んでこれを書いた人はすごいって思うし私も書いてみたいな...なんて思ってるんだ。
ここだけの話私の将来の目標は絵本作家だ。ちょっぴり恥ずかしいから学校の友達にもお母さんにも内緒だけどね。
「お菓子の国の危機」を読み終わって満足した私は家に帰ろうとベンチから立ち上がった。
そして公園から出て大通りに差し掛かったんだけど、お母さんとケンカして飛び出してきたことを思い出しちゃった。
考えていてもしょうがないからこのまま帰るしかないんだけどね。
…でもいきなり会うのは怖いから電話で話してから帰ることにしよう。
そしてバックからスマホを取り出そうとしたその時――――――
目の前にトラックが突っ込んできた。
世界が回る。
なんだろう…
悲鳴みたいなのが聞こえる…
音は聞こえるけどそれ以外の感覚がない。
あ、れ?
わ、たしど、うなっ、てるの?
そして私の意識は
暗闇の中に落ちていった。
目が覚めたと思ったら私は、
一面雪景色の森の中にいた。
―第一章「お菓子の国の危機・バッドエンディング」
文章が短いのは作者の力量不足です申し訳ないorz
頑張るので応援お願いします!