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二十四章の各勢力について

二十四章は半月程度という短期間なので、各組織側の動きは殆どありません。ただ、何気に困惑が広がってもいるので、そちらについて各勢力視点で物事を捉えてみましょう。

各勢力の基本説明は八章の「第八章の各勢力について」をご覧ください。このページでは、十八章での状況を中心に記載してます。



【ミアの財閥】

この章での活動は特に財閥には影響なし。


【共和国(街エルフの国)】

アキが提案した天空竜が群れで飛行することで長距離を少ない疲労で飛べるという提案、その取り組みには彼らも注目せざるをえなかった。天空竜の戦闘行動半径がこれによって大きく広がることになり、それは国防という観点からも影響が大きいからだ。ただ、実際のところは天空竜とは生きた災害であり、まともな対処手段などないのだから、多少行動半径が広がったところで実質的な対処方法がある訳でもなく、実影響があるかといえば無いのだが。ただ、それでも頻繁にロングヒルに通ってくる伏竜や、他の竜達の様子を見ていると、昨年までの常識がガラガラと音を立てて崩れていくのを感じざるをえなかった。ヤスケを専属でロングヒルに派遣したのも、その前例のない変化を続ける事態に速やかに対処するためだった。老竜の小型召喚体についてヤスケが目にして報告書を送ったことで、老竜という存在がどれほどなのかを認識し直すことにもなった。争っていた時代を覚えている者もいるが、その当時でさえ老竜を目にすることは殆どなかったからだ。ただ、過去の記録、記憶からしても、今回、福慈様が放った空全体を消し飛ばす炎の吐息ブレスはあまりに常識を超えていた。アキはそれを竜族相手には目晦ましにもならないと断言していたし、事実その通りなのだが、地の種族にとってそれが何かの慰めになるかといえばならない。そのため、雨雲を消すための吐息ブレスという形で何としても留めなければ、という意識を持つことになる。25章ではそうしろ、と強く指示が届くことだろう。


【探索船団】

→特に影響なし。


【探索者支援機構】

→特に影響なし。


【対樹木の精霊(ドライアド)交渉機構】

→特に影響なし。


【竜神子支援機構】

→特に影響なし。


【ロングヒル王国】

彼らにとって、受難の時代が続いていると言えなくもない。平和裏にやってきているとはいえ、天空竜が三柱も同時にやってくることが頻繁に起きているのだ。以前からすれば考えられない事態である。ただ、これはロングヒルの民が慣れてきている影響だが、以前なら一柱がやってきただけでも大混乱といったところだったのに、この章で三柱がやってきた時も、人々は圧は感じていたものの騒いだり恐慌状態に陥るようなものは殆ど見受けられないという事態になっていた。これ自体は大変喜ばしいことだが、これは頻繁に天空竜が飛来することで慣れた、ロングヒル特有の事象である。なので、ある程度は慣れたものとはなってきた。

ただ、福慈様の小型召喚は厳戒態勢が敷かれることになった。何かあるかもしれないから、市民は行動を控えよ、との通達が出された程度ではあるが、皆、それに従った。なぜかといえば、通達で、第二演習場に老竜を召喚する、それによって不測の事態が起こることがあり得る、紅竜、白竜の二柱が対応されるが、万一を考えて不要不急の外出は控えるように、なんて通達だ。誰もがそんな怪獣大戦争なんて巻き込まれたくないから大人しく従ったのは言うまでもない。

アキは二柱が来てくれて安心だ、依代の君もきてくれた、あぁ、皆、協力してくれてありがとう、くらいにしか思ってないが、天空竜二柱が背後にずーんと構えていて、あぁ、安心だ、ありがとう、などと言えるのはアキくらいなものである。そして、起きたのが福慈様による空を埋め尽くす炎の息吹ブレスの行使、そして雲が消え去ったコレ以上ないほどきれいな青空の出現だった。僅かな時間の出来事だったので、空を炎が埋め尽くし、その後綺麗な青空が見えた光景に、恐怖を覚える国民はいなかった。それは幸いだった。が、そこでロングヒル王家はといえば、或いは軍部はといえば、当然だが、顔面蒼白モノとなった。竜の吐息(ドラゴンブレス)というものについて、文献にはあり、まだ記憶にも残っている古老もいる、そんな時代ではあるが、実際に目にしたものはかなり少なくなっている、そんな時代である。

そこにきて、地の種族の常識からは完全に逸脱した天災レベルの大規模な力の行使がなされたのだ。御伽噺の出来事が再現された、それも聞いていたような戦術級の力の発動ではない。福慈様のそれは国すら亡ぼす戦略級の災いだった。かくして、エリーがアキの元に押し掛けて何とか状況を詳細に把握して対処しようと動いたのも無理はなかった。


【人類連合】

東遷事業も実施が決まりそのための準備、計画立案に大忙しな人類連合、ニコラス大統領だが、決まってからまだ一ヶ月と経過してないので、何もかも動き出したばかりだ。そんな中、時折ロングヒルから届く報告書は、なんというか、ぶっ飛んだ内容が多くて頭が痛くなってくる思いだった。召喚術式の改良は長期的な話なのでそれほど驚くようなことではないが、アキの銀竜召喚、そう、幻影術式で出しているとは書いてあるがどうみても実態は召喚術式としか言えないソレも、身体感覚を持たせてそれを確認しあう白竜さんと銀竜の仕草がかわいかったです、などとアキは書いて寄越してくるのだから頭が痛い。何がどうなってるんだ、と当然、リアやケイティに問い合わせを送ったのは言うまでもない。なので、結果としては正しい理解をするに至るのだが、どうも森エルフがかなり重要な地位を占めるらしい。あの精霊を行使する種族だ。大統領ニコラスからすれば、人類連合の中で、あぁ、雲取様の縄張りで庇護されている一族だろ、くらいの認識しかないマイナー種族である。人口もさほど多くない。だが、アキが銀竜を心の中に住まわせることになりました、などと言い出していることから、その重要性は爆上がりになった。


【鬼族連邦】

人類連合と同様、東遷事業の実施が決まり、さぁ、大規模治水事業を指揮するメンバーを選出しなければ、などと冬ごもりの準備をしながら考えている、そんな時期である。ところがロングヒルからは連日、まぁ、全部、アキが起点となっての前例のない出来事の乱舞が定期的に報告書となって届いてくる訳である。竜達が編隊を組んで長距離レースをやろうだとか、アキが出した幻影の銀竜が幻影のつもりだったけど、自我が芽生えて、自分で身体感覚を付与した幻影の身体を動かして楽しんでます、とか、一体何の話だ、と疑問で頭が一杯になっていることだろう。というか、鬼王レイゼンをして、これは何の話だ、と皆を読んで共に読んで意見交換をしたくらいだった。それくらいにまず、幻影の存在が自律的に動く、という話がありえなかった。幻影の銀竜が地を踏みしめて足跡ができた、というがそれは幻影じゃないだろ、と。創造術式で創ったか、召喚術式で喚んだのだろう、と皆が思う、というか思った。結果として、毎週、定期的に帰国しているセイケンが質問攻めに遭うことにもなった。その辺りの話も25章で語られることになるだろう。


【小鬼帝国】

東遷事業の本格始動も決まり、皇帝直轄領に他勢力から大勢の作業者たちがやってきて年単位の大規模土木事業を行うこととなった。小鬼族の技術を超えた大規模治水の技は鬼族から学ぶことになる。また長年の宿敵でもあった人類連合からも大勢やってきて、一定区間の工事を担うことになるだろう。街エルフや魔導人形達もロングヒル並みの密度であちこちを歩き回る筈だ。そして天空竜。伏竜だけが今は参加が決まっているが、その参加と合同事業をすることも決まっている。竜爪を使えばどんな頑丈な岩盤であろうと、豆腐のように切り刻めるのだから、確かに手を取り合えばその恩恵は計り知れないに違いない。かくして小鬼族の人々もこの未曽有の大工事を驚きを持ちながらもそれを皆でやることを成立させた皇帝ユリウスを皆が大いに讃えたのだった。

……が、当のユリウスはといえば、アキからの手紙を見るたびに何とも悩ましい思いを抱えることにもなっていた。何故なら、アキの中ではもう東遷事業は方針が決まり手が離れたこと、後は伏竜の教育をして慣れて貰えば良し、というくらいに終わったこと扱いされているのである。まだ始まってもいない、と突っ込みたい気分ではあるが仕方がない、相手はあのアキである。アキならそういうだろうとユリウスも達観していた。ただ、銀竜についてはあまりにこれまでの常識から逸脱しているため、何とも理解しがたいところであり、これについて研究組のガイウスに詳細な報告を送るように、と指示を出す事になった。同じ研究組なら、魔法理論学に精通している彼らならきっとわかりやすい報告書を出してくれるだろうと。まぁ、結果としてコレがまた騒動を生み出すことになる。25章でその騒ぎは起きるかもしれない。


【森エルフの国】

→特に影響なし。


【ドワーフの国】

→特に影響なし。


【妖精の国】

妖精達は、他文化圏育成計画のため、三文化圏にそれぞれ一名ずつ妖精を長期派遣することを想定している。ただ、その場合、簡易版召喚体では弱すぎるが、今のような妖精女王や賢者達を召喚する際のようなフルセット版では、あまりに召喚維持コストが高過ぎて、その枠がずっと埋まり続けると、その間の活動に支障が出ると判断していた。だからこその召喚体のコスト軽減改良という要望が出てきた訳だ。ただ、当然ながら、召喚自体が歴史書に記されている数を片手で数えられるほどしか実行例がない超難度術式であることからして、そうしたノウハウはとても乏しく手探りで改良を押し進めているというのが実情である。研究組の改良作業もそうした息の長い取り組みと捉えられている。

また、竜族に妖精族の技「伝話」を伝えることについては、どうせ異世界の話なので、妖精界としては伝えて何か変化が起きてそれで困ることがあるわけではなし、そういう割り切りもある。勿論、それで混乱が起きたら大変で、そうなることはまずないと思うからこそ、良かれと思っての技の伝授である。ただ、まぁ、当然だが、伝話、それ、妖精族は皆、普通に使ってるけど、説明を受けたアキもなんちゃって伝話になってたくらいで、ちゃんと身に着けるのはなかなか難儀な代物だ。全員が高位魔導師級という妖精族だからこそできる通常技、それが伝話である。アキがよく、竜族あるある、とか鬼族あるある、と言ってる、その種族なら常識、誰でもできる、当たり前な話だが、伝話もまた、妖精族あるあるネタなのだ。この辺りの認識のズレもいずれ語られる日が来るだろう。


【竜族達】

→特に影響なし。


樹木の精霊(ドライアド)達】

→特に影響なし。


【「マコトくん」の信者達】

→特に影響なし。

はい、何気に各勢力、悩むことになりました。特にユリウス帝は、帝国の総力を挙げて取り組むべき巨大土木事業なのに、アキの中ではもうそろそろ手離れするお仕事扱いされているのが、内心ショックでしょう。まだ計画は始まったばかりなのに。まだ誰も現地調査すら殆ど手を付けてないのに。


<今後の投稿予定>

旧:二十四章の施設、道具、魔術     三月九日(日)二十一時五分

新:二十四章の施設、道具、魔術     三月十日(月)二十一時五分

二十四章の人物について       三月十二日(水)二十一時五分

二十五章スタート          三月十六日(日)二十一時五分

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