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23-15.心の天秤(後編)

<前回のあらすじ>

研究組が集い、さっそく熱線術式に関する様々な考察、検証を開始しました。成竜の全力の牽制技としての熱線術式は格好良かったですねぇ。正に大怪獣、ビーム兵器って感じで、依代の君がワクワクするのも無理はありません。日本あちらの子供達なら大喜びの光景でしたから。(アキ視点)

福慈様が放つ熱線術式が単なる量的拡大なのか、質的上昇を伴うものなのかという点については、ここで話していても結論はでないので、紅竜さん、白竜さんに、実際に福慈様に試射して貰い確認することになった。同時に、自分達の展開した人を覆える程度のサイズの障壁シールドが実際に防げるのかどうかも試してくれるそうだ。


<事前に確認できるのに手間を惜しんで、本番で失敗なんてしたくない>


白竜さんの思念波からも、寸暇を惜しんで後悔する可能性を残すなら、手早く確認してすっきりしておこう、という意識が感じ取れた。活動は単発的でそこで完結するようなものが好まれる竜族らしい考え方でいいね。


研究組による確認でも、賢者さんとシャーリスさんが共同で展開した魔法陣があればこそ位階を引き上げるような操作が可能になったのだし、異なる位階同士の魔力の交換レートはなかなかキツイってのも判明したから、いくら力が強い老竜と言っても、その巨体に見合った量的拡大は確実だとしても、質的向上を伴うかというとその可能性は低そうではある。


まぁ、全ては召喚前に確認を済ませれば良いこと。そして量的拡大のみであるなら、小型召喚によって二百分の一に低下した熱線術式は、二柱の展開する障壁シールドで余裕で防ぎきれるのも確認済み。


 なので。


実のところ、ここで確認作業を打ち切っても実害はないんだろうけど。皆さんやる気を見せてくれてるし、僕もどんな感じか見ておきたいから、試していくことにしよう。





「では大型幻影に映しつつ、残る防御手段について軽く説明していきましょう。①偏向する、ですけど、これは異なる屈折率を持つ物質を重ね合わせた層を用意し、光が照射されると、ある角度を超えると全反射という現象を起こすことが知られています。全反射というのは――」


屈折率が異なる層に光が照射されると、ある程度は照射面に吸収され、或いは周囲に散乱するんだけど、ある程度浅い角度で侵入すると、照射した光の全てが完全に別方向へと全反射されるという現象が起こる。全反射の名の通り、ロスなく光を別方向へと偏向させることになるので、障壁シールドに比べると、より大きな力に対しても防御効果が期待できるって塩梅だ。SF界隈の宇宙船では定番の装備で、ビーム兵器を撃ち合っても敵宇宙船の展開している偏向領域バリアを無効化しないと有効打を与えられず、互いに相手の偏向領域バリアを如何に相手より早く削り切って有効打を叩き込むのか鎬を削ることになるんだよね。


<熱線術式に対してどう機能するのか見てみたい>


 まぁ、うん。


「ヨーゲルさん、偏光板で熱線術式に耐えるようなのを用意できます? 勿論、竜族用じゃなく、妖精族が放つ奴を一、二秒程度耐える程度でいいんですけど」


そう話を振ってみたけど、やはり返答は渋かった。


「無茶をいわんでくれ。そんなすぐに用意できる訳がないだろう。それにそもそも妖精族の放った熱線術式は鎧すら容易く貫通する威力なんだぞ。いくら全反射させるつもりでも、偏光板自体に十分な強度と冷却能力を付与せねばならん」


 だよねぇ。


「師匠、ちょっといいでしょうか――」


ここで、続きは一か月後とか言ってても埒が明かないので、ここは便利な魔術に頼ってみよう。そんな訳で師匠に実際にできそうか、試してみてもいいか許可を貰い、師匠も生成物を竜爪でその場で破壊することを条件に了承して貰えた。


 ふぅ。


ケイティさんに長杖を出して貰い、創造術式で手早く畳一枚サイズで偏光板を創ってみる。異なる屈折率を持つ透明な層二枚と最後は鏡面仕上げの金属板という三層構造で、熱で変化をしないよう念入りにイメージしてみた。


スタッフさんに離れたところに偏光板を地面に置いて貰い、入射角と反射角の見積もりをしっかりと行い、偏向現象を観察できればいいので、賢者さんに持続照射で出力を絞った熱線術式を放って貰った。


 おー。


熱線術式の赤く輝く細い光が、偏向板に命中すると、入射角と同じ角度で偏向されて、空の彼方へと向きを変えてる様子がよく見える。そして僅かでも角度がズレると全反射は起きないという特徴もしっかり確認できた。


白竜さんが竜眼でその様子を見ていたけど、使えない、と断言した。


<僅かでも入射角がズレると全反射が起きないのでは、使い勝手が悪過ぎる。それにそんな偏光板をアキとの間に並べたら、福慈様からアキが見えないわ>


 そうなんだよねぇ。


全反射自体は、光ファイバーケーブルで実現しているように、透明で屈折率が異なる層が二つあればいいから、今回のような鏡面仕上げ反射板はなくても機能はするんだ。ただ、そうした透明率の高い二層式偏光板を使って、福慈様が放つ熱線術式を防ごうとするなら、何十枚と積み重ねる感じにあるだろうから、いくら透明といっても見通しは酷く悪くなるに違いない。


実際の運用は難しそうと解ったところで、一応試しておこう、と一言告げると、白竜さんが偏光板に対して熱線術式を間髪入れずぶっ放した。目に残像が残る強度で放たれたソレは偏光板によって全反射を起こして、酷く浅い角度で空の彼方に飛んでいき、遠方にあった雲にやはりぽっかりと大穴を空けた。


その様子を竜眼で眺めていた紅竜さんが告げる。


<全反射と言っても、偏光板自体が随分と熱を持っている。とはいえ溶けないとは驚いた>


言われた通り、あれだけの熱量を叩き込まれたにも関わらず、全反射によってそのほぼ全てを別方向へと変えたことで、偏光板自体に蓄積された熱量は僅かだったようだ。紅竜さんが物体移動サイコキネシスでひょいと手元に持ってくると、竜爪を振るってサクッと消してくれた。


 良し。


これで終わり、といった紅竜さんの振舞いだけど、研究組の面々も、福慈様と僕を対面させると言いながら、両者の間の視界を阻害すること、また入射角をかなり厳密に設定しないと全反射が起こせないこと、浅い入射角に等しい反射角で受け流される熱線術式の飛び方がかなり危ない、なんてことから、この方式を今回深堀する価値はなしということで意見は一致した。





では、次は無効化だね。


「ケイティさん、常闇の術式はその領域内では光は存在できなくなるんでしたよね? ちょっと板状にして展開してみてくれません? そこに向けて熱線術式を撃つと、光が存在できない訳ですから熱線術式は無効化できると思うんですよ」


「アキ様、アレはそれほど便利使いできるモノではありません。閉鎖された室内を常闇で満たすといったことはできますけど、こうした開放系空間において、領域を絞って展開というのは想定されてません」


 なるほど。


長杖を構えて、透明で分厚い板で仕切った部屋を創造してみた。


「では、この中を常闇で満たすということで」


「……試してみましょう」


ケイティさんが魔導杖を一振りすると、透明な板で区切られた部屋の中がこれ以上ない漆黒で満たされた。


 ふむふむ。


阿吽の呼吸って感じで、心得たとばかりに紅竜さんが物体移動サイコキネシスで闇色の透明箱をふわりと持ち上げて、先ほどから試している照射位置にそっと置いてくれた。早速、賢者さんがウキウキな態度で、熱線術式をぶっ放してくれたけど、予想通り、闇部屋の向こう側に貫通していくことはない。いいね。


<なら、私達の術式ならどうか試してみよう>


って、白竜さんはこちらの返事を待つこともなく、宣言するのと同時に熱線術式をぶっ放してみせた。すると、確かに一発は防ぎきったけど、部屋を構成する透明な板に大穴が空いて板としての形状を保てなくなったのか創造術式が保てず、穴の空いた壁面が崩壊、同時に常闇の術式も区切られた範囲がなくなったせいか消え失せてしまった。


そして、依代の君が一言。


「そもそも、そんな常闇で遮っては、福慈殿がアキを視認できないだろ」


 あー、うん。


熱線術式は防げたようだけど、空間を区切ると、区切り自体が破壊される結果として、常闇の術式の維持前提が崩れちゃう感じで、何発もは防げそうにない。何より彼が突っ込んだように、一切の光の存在を許さない究極の黒で、両者の間を遮るって時点で、対面させてないじゃないか、と言われればその通り。


という訳で、無効化案も残念烙印を押されることになった。





では、次はお爺ちゃんが提案してくれた、世界を割いて術式が届くのを阻む案だ。


「では次は妖精族が編み出した究極防御、世界を割いて攻撃が届くのを阻む術式ですね。あー、そういえば白竜様、空間跳躍テレポートで移動する「世界の外」では熱線術式を撃っても全然飛ばないですよね?」


<試したことはないけれど、熱線が飛ぶ空間自体がないのだから、飛ぶという現象は出ないと思う>


 うん、うん。


っと、ここでふわりと、シャーリスさんが飛んで来た。


「その術式じゃが、試すのは控えた方がよいと思える。妖精界に比べると、物質界(こちら)の自己修復率が酷く劣るように感じられて、先読みに良い感触が持てぬ。依代の君はどうか?」


そう話を振られた彼は、少し虚空を眺めるような仕草をしていたけれど、お手上げというジェスチャーをした。


「シャーリス殿の言う通り、試さぬ方がいいだろう。ボクの使う消滅術式や、竜族が使う竜爪での対象破壊と違って、破壊対象が世界そのモノになるのが何やら不味そうだ」


 ふむ。


「あくまでも対象となってる存在を世界から消すという行為に対して、世界そのモノを割いて広げるというのは別行為ってことだね。それ、キミの神術で、空間を限定して割いて、何かあったらすぐ埋め戻すとかできない?」


一応、粘ってみたけど、これには呆れた眼差しを向けられてしまった。


「望めば直接結果を得られる神術だからと、それを何でもできるなどとは誤解するな。確かに結果は得られよう。だが、その結果になるよう辻褄合わせを世界に強いることにもなる。きっと元通り、何もなかった事になどならぬ」


現身を得た神である彼がそう言うのならそうなんだろうねぇ。なんとも不便な話だ。結果は得られる、けれど代償を世界が支払うとなると、下手すると(ことわり)が歪むとか、やらなきゃよかった、なんて話になりそう。


 うーん、うーん。


「残念ですけど、では世界を割く実験は中止としましょう。残念ですけど」


そう告げると、何故か、観覧席にいる面々だけでなく研究組からも安堵の声が漏れ出る事になって。えー。





しかし、そうなると、なんか不完全燃焼感が強いので、他の方法がないかマコト文書の知識をざっと思い返してみる。地球(あちら)の世界に現実にはバリアは存在しないけど、創作系界隈ならネタは豊富だからね。


「えっと、例えばですけど、停滞領域(ステイシスフィールド)なんてのはどうでしょう? こちらには保管庫があって、対象空間の時間の流れをほぼ止められるでしょう? 開放型の保管庫なんてのもある訳ですし、福慈様と僕の間の空間の時間の流れを極端に遅くすれば、熱線術式が届く前に僕は避ける事も容易でしょう?」


ある意味、防御系最強の技と言われる所以だったりもするんだよね。届くのが実質数秒後とかになるなら、どんな攻撃だって余裕で避けられるんだから。まぁ、永遠に止められるわけじゃないから究極の時間稼ぎ技とも言えるかな。


これには師匠が駄目出ししてきた。


「最初から停まってる代物を動かないように固定するのと、ぶっ飛んでくる弾丸が動かないよう固定するのでは必要な労力はまるで違うって理解すべき話だね。保管庫の技術を使うってことは、時間を停める対象が小さく、保有エネルギーが小さいほど必要な魔力も抑えられる。ということは竜族が放つ熱線術式なんてのは、その対極と言ってもいい。今あるどれだけ大規模な保管庫だって、ほんの僅かでも熱線術式の進みを遅くすることなんてできず過負荷で壊れるのがオチさ」


「ならそこは依代の君の神術で補うとか」


「できない事柄を神の力で埋めていこうとする考えは、決して褒められたモノではないぞ」


 ぐぅ。


依代の君にも駄目出しされてしまった。残念、停滞領域(ステイシスフィールド)案は駄目か。





なら、なら!


「それなら、機能性素材(スマートマテリアル)で防ぐ作戦はどうでしょう? 普段は透明だけど、強い光を当てると不透明になって遮光してくれる窓ガラスとかあるでしょう? そういう透明度の高いブロックで福慈様と僕の間を遮れば、熱線術式が照射された瞬間、透明なブロックは光を遮るブロックに様変わり、そして厚みがあるなら僅かな時間、照射される間くらい溶けながら耐えると思うんですよ。石英ガラスみたいに千℃の高温にも耐えるガラスだってあるのだから」


機能性素材(スマートマテリアル)というのは近年、編み出されてきた機能を付与された素材のことで、曲げると発電するとか、発光するとか、罅割れると自己修復して強度を保つとか、今回の例のように強い光を照射されるとそれに比例して透明度を失っていく自動調光機能付きサングラスみたいな奴とかがあって、その可能性はいくらでも伸びていきそうという分野でもある。


我ながら良いアイデアだと思ったのだけど、これにはヨーゲルさんが駄目出ししてきた。


機能性素材(スマートマテリアル)は確かにこちらにも無い訳ではないが、強い光の照射を受けて不透明になるまでの間に、アキがこんがりローストになるくらいの熱量は通ってしまうだろう。人の目には一瞬に見えても、熱線術式の照射時間からすれば、その変化はあまりに遅い」


 ぐぅ。


「なら、透明だけど、可視光域を超えた赤外線波長を遮断してくれる遮熱ガラスで遮るというのはどうです? 強い光が通って眩しくても焼かれる熱線が遮断できるなら、防御に使えると思うんだけど」


「そもそも、強い陽光は肌に悪いからと、紫外線遮断結界を多用している街エルフが言う台詞とも思えないのだが。酷い日焼け状態になるのがオチだ。それで防いだなどとは言えんだろう」


ヨーゲルさんから、そもそも街エルフは日焼けに弱い子供みたいな肌じゃろうに、と指摘されてしまった。


 むむむ。


おや。依代の君が手をあげた。


「二柱が障壁シールドを展開してくれれば、それを抜けてくるまでに僅かとはいえ時間も稼げよう。当日は、ボクも立ち会えば三つ目の守りくらいにはなる。こんな奴でもミア姉を助けるためには欠かせない存在だ。その時は守ってやる」


 お、おぅ?


「あ、ありがとうね。えっと、じゃ、立ち会う時は僕の前に立って貰う感じで」


「絶対の安心があると思って、いつも通り緊張感なしでアキが立ってれば、福慈殿の拒む意識も減るだろ。あと、思ったのだが、福慈殿の心に課す枷だが、アキ自身の立場とソレが支えている未来も十分枷になるんじゃないか?」


「立場というと、竜神の巫女ってこと?」


「そうだ。竜神の巫女がいるからこそ、多様な勢力が集って一つに纏まっていく未来が見えている。お前はその未来が瓦解しないよう繋ぎとめる唯一の要だ。福慈殿もそのことは重々承知している事だろう。そのお前を消し飛ばすということは、竜族の未来を含めて全てを消し飛ばすのと変わらん。福慈殿の抱える葛藤は並大抵のモノではあるまい」


 なるほど。


それはそうと、福慈様が抱える心の難問が大きいこと自体を歓ぶその態度はどうなのさ。


「キミ、ほんと、試練とか好きだよね。性格悪いよ?」


そう指摘するも、馬耳東風といった感じで、逆に優越感すら感じさせるような眼差しを向けられることになった。


「葛藤なくして心は成長しない。試練なくして今の己を超えて行こうなどと誰が思えようか。今回の件は、福慈殿が過ごした遥かな時の中で久しく経験することのなかった試練となろう。あぁ、そういう意味でもその場には立ち会わねばならん。アキ、事前に自身の立場や弧状列島の未来における重要性は、心話でよく伝えておけ。心を縛る鎖は予め巻き付けておかねば意味がない」


 だからさ、何、その満面の笑みは!?


「そりゃ説明はするけどさ、キミ、小型召喚体で福慈様が喚ばれた時、そのニヤけた笑いは隠しておきなよ? 感じ悪いから。第一印象は大切なんだからね?」


そう言い聞かせると、わかってる、わかってる、と手をひらひらと振られることになった。


なんだろ、この的確な煽りの態度って。……仕方がない。彼の後ろに控えてくれているヴィオさん、ダニエルさんが座った目をしたまま、任せて、とジェスチャーで応えてくれたので良しとしよう。覚悟しておけ、このガキんちょめ。


 ふぅ。


さてさて。


一応、アイデアは出尽くした感があり、僕が竜神の巫女であり、弧状列島の統一へと繋がる未来、そこに至る要であることを念押しすることで、福慈様に対して更なる心の枷を付けられることもわかったし、福慈様自身の放つ熱線術式の威力や位階についても、二柱が確認してくれることになったから、これなら福慈様を小型召喚したとしても、不幸な事故は最悪の場合でも被害なしで済ませることができそうだ。


『駆け足気味にはなりましたけど、相談と検証の結果、二柱による障壁シールド二重展開並びに、僕の前に依代の君が立つことを最終防衛ラインととする三重の守りを用意することで、福慈様を安全に小型召喚する目処が立ちました。後はこれらの話を伏竜様に事前に通しておくことで、全体の調整を行っていこうと思います。福慈様と伏竜様の間のことはお二人にお任せして、それとは別に老竜の抱える過大なストレスは小型召喚によって発散して貰うことで思念波爆発の再発防止策とします。皆さん、ご協力ありがとうございました』


これで、「死の大地」の呪いを下手に刺激しちゃう爆弾を抱え込み続ける未来とは決別できるよ、という安心できるイメージを言葉に載せて送ってみたけど、なぜだろ、調整組や参謀本部の面々から、後で面貸せや、といわんばかりの笑顔でコーティングされた拒否権なしな強い誘いの意思が伝わってきた。


 うーん。


考え得る限り穏便かつ速やかに問題を解決できる良案なのになぁ。何もかも求めるのは悪癖ですよ、皆さん。

いいね、ありがとうございます。執筆意欲がチャージされました。


はい。様々なタイプの防御方式についての検証も、アキが行使する創造術式の圧倒的な汎用性もあって、さくさくと行うことができました。そして、防御方法は色々あっても、対面するという両者に対して、間を隔てるとなると、思ったより使い勝手が悪いモノばかり、或いは実用レベルに達しないものばかりでしたね。まぁ、それでも確実に防御できる防壁を三重に用意したなら、対策としては万全でしょう。何よりそれらすら、万が一、暴発した場合の備えであって、福慈様の心を縛る枷の数が半端ないですから。

依代の君は、そんな福慈様の境遇を慈愛の眼差しで眺めてますけど、万人から同情されるくらい酷い状況に追い込まれたとも言えるでしょう。急性ストレスで胃に穴が空いたりしなければよいのですが。


あと、アキも感じ取ったように、一見すると対策もばっちり、これで安心などと言う纏めとはなりましたけど、これで問題ないね、などと思えるような節穴なら、この場に立ち会った面々がその地位にいる訳もなしなのですよね。という訳で、調整組、参謀本部それぞれと熱く話をするのは避けられないでしょう。


次回の投稿は、九月二十五日(水)二十一時十分です。

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