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二十一章の各勢力について

二十一章は四日間という短期間なので、各組織側の動きはありません。街エルフだけの内緒話ばかりでしたからね。今回、アキが提案した話が各勢力に巻き込まれるのは早くて次の春といったところでしょう。それに実のところ、未探査領域への使節団第一陣派遣は共和国以外から絡むこともほぼありません。探索者達ですら上陸はせず通信を介した支援を行う程度になるでしょうから。


とはいえ、街エルフの魔導人形達によって支えられてる分野は多岐に渡るので、使節団の為に人員引き抜きを行うと、統一政府樹立への熱が冷めた、と誤解されかねないところでもあります。まぁ、そこはきっと未来の長老達が上手く取り計らってくれる筈です(笑)

それでも、百人単位、待機要員を含めればその倍が引き抜かれれば、三大勢力の隅々まで、共和国が何か大きな決定を下したことは知れ渡るでしょうし、それを各勢力代表も容認し、我々の結束は固いとか表明しちゃえば、きっと妄想が飛び交うのは止められません。未来には「これも街エルフの陰謀だった」とか言われる定番ネタになるでしょう。

各勢力の基本説明は八章の「第八章の各勢力について」をご覧ください。このページでは、十八章での状況を中心に記載してます。



【ミアの財閥】

マサト、ロゼッタは、アキがお姉様方に内向きの提案、外向きの提案をするとして、別邸にいるサポートメンバー達と資料作りや準備をしていたので、その概要は粗方聞いたことだろう。そして、その影響があまりに大きく、財閥が関わる全分野を揺るがす激震となることを理解したに違いない。そもそも優秀な人材を先行して狩りまくったのが財閥なのだから、国家事業としての未探査領域後押し計画となれば、一番、優秀な魔導人形達を引き抜かれるのも財閥となるのは確定だ。


そして、魔導人形達の持つスキル、性格、興味を向けている分野や意欲といったところまで子細を分析した上で採用しまくった訳だから、使節団のリーダー、サブリーダー、専門家メンバー達に誰が引き抜かれそうかも、ある程度は予想ができるに違いない。


ただ、長命種らしく、短期的に財閥の被害を抑えるような策を選ぶのも避けるはず。そんな真似をすれば下手な恨みを買うだけで、それは未来に手痛いしっぺ返しとなって戻ってくるだけなのだから。


なので、ヘッドハンティングの際に作成したであろう他勢力も含めた人材リストを調査し、相応しい人材を他社からも出させて、全体として財閥が被る影響と同程度に釣り合いを取ろうと画策する、といったところが、街エルフらしい落し処になる。長命種故にメンバーの入れ替わりが少ないからこそできる超調整って奴だ。


引き抜きメンバーリストを見た他企業群は、あぁ、財閥、めっちゃ気を使ってるなぁ、とか察するだろう。案外、少し財閥に便宜を図ってくれたりするかもしれない。


国との綱引きも、ある程度は出来レースになるのは確定だ。多くの魔導人形が待機状態で眠ってた中でも活動していたような魔導人形達こそが有能で「使える人材」なのは確定なのだから。

民側が渋って国が多くの魔導人形を出すことになって、国の活動が傾いては洒落にならない。まだ統一国家樹立は絵空事であって、準軍事態勢維持の状況は変続いているのだ。


マサト、ロゼッタ麾下の秘書集団の奮闘は暫く続くだろう。ストレスに強くないとやってはいけない。


【共和国(街エルフの国)】

三大勢力代表と入れ替わりに、お姉様方がアキのいる別邸に押し掛けたことで、何かひと悶着あるんだろうくらいには、長老衆も思っていたことだろう。事前に聞いていた滞在予定の見直しが入って三日間に延長されたことを聞いても、随分と仲良くなったのだなぁ、くらいに思っていたかもしれない。

ただ、三日目に統一を果たした弧状列島の弧国が外向きに行う策について意見交換する、その場にヤスケだけでなく、全権大使のジョウも参加すると聞いて、何やら雲行きの怪しさを感じた長老もいた事だろう。


そして、三日目の歓談が終わった時点で、レーザー通信でヤスケから事の子細を聞き、がっつり提案を検討するからスケジュールを確保しておけ、財閥(マサト、ロゼッタ)に三大企業(ミエ、ユカリ、マリ)、それと探査船団のファウスト提督も参加させる、などとヤスケが長老権限で招集をかけた訳だなら、そりゃーもう、上層部は大騒ぎになったに違いない。


最低でも二隻、安全策を取れば四隻からの探査船団と、総勢百名を超える魔導人形だけによる使節団、一年以上、彼らだけでなく相手国側に提供する分も含めた膨大な物資の確保、ガチな戦闘を考慮した海兵達の同行etcと、帝国首都への殴り込みを仕掛けるとしてもそこまでの戦力は出さんわ、という大盤振る舞いが想定される超極秘長期任務。


しかも独占してる宇宙関連情報の開示や、竜族の召喚による超遠距離派遣など、内容は盛り沢山過ぎて、さらっと概要を聞いただけで、何言ってんの、と頭がフリーズしたかもしれない。


それらを東遷事業と「死の大地」浄化計画を走らせつつ、弧状列島の統一も進めながら、裏で進めようか、とか言われれば、相手の正気を疑うレベルだろう。


そんな訳で、世間的には、交流祭りの後片づけをしてたり、祭りの参加者達も帰国の途についたり、全勢力に竜や妖精まで参加する東遷事業だってよ、いやぁ、まさかそんな時代がくるなんて、とか人々が盛り上がってる中、ヤスケやお姉様方は表向き、ちょっと予定が変わった程度の体で共和国に帰国する訳だ。


二十二章で、SS⑩でフォローを入れるとしよう。これらの暗闘が表に出てくるのは当分先なのだから。


【探索船団】

21-29の夜には、探査船団の居残り組であるファウストの元に、ヤスケから直々に今回、アキが示した提案についての話の概要と、翌日以降に長老衆+財閥(マサト、ロゼッタ)+お姉様方、それに探査船団代表としてのファウストで、未探査領域後押し計画の内部検討をする旨は伝えられた。


二十二章の期間内にもしかしたら、各地で活動している船団の提督達にも内々に連絡が行くかもしれない。恐らくは最低でも半年、恐らくは一年以上の長期航海、それも前情報は衛星探査だけという本当の探査船団派遣だ。きっと探査船団派遣の第一回を派遣する時か、それ以上に静かな灼熱に満ちる事だろう。


栄誉なのか貧乏籤なのか。


交易要素を排除し、弧状列島近海用ではなく、長期航海向けの探査専用帆船を向かわせることにもなる。最悪の事態に備えて支援船団も離れた地点に待機させるかもしれない。そうすると、それだけで探査×2、待機×2の四隻体制。

間違いなく、共和国の誇る探査船団の運用全体にも影響が出る規模となる。彼らにとっては激震と言っても過言ではない。人を介する情報(ヒューミント)の漏洩を防ぐ為にも、探査船団全体への緘口令も敷かれるだろう。

そして、ニュージーランド、オーストラリアには大国は存在しないだろうことは既に判明しているので、実質、未知の大国、大文化圏との接触のラストチャンスとも言える訳だ。

手が空いている状況だからとファウストがこの船団を率いるとか決めたら騒乱必至だ。他の全提督が納得するだけの理由を示さなければならない。任命する長老衆もストレスが半端ない事だろう。


【探索者支援機構】

→影響なし。


【対樹木の精霊(ドライアド)交渉機構】

→影響なし。


【竜神子支援機構】

→影響なし。


【ロングヒル王国】

→影響なし。


【人類連合】

→影響なし。


【鬼族連邦】

→影響なし。


【小鬼帝国】

→影響なし。


【森エルフの国】

→影響なし。


【ドワーフの国】

→影響なし。


【妖精の国】

→影響なし。


【竜族達】


樹木の精霊(ドライアド)達】

→影響なし。


【「マコトくん」の信者達】

→影響なし。

いいね、ありがとうございます。執筆意欲がチャージされました。


春先にやってくるだろう三大勢力代表達も、まさか水面下でこんな話が起こっているなどとは夢にも思っていない事でしょう。弧状列島の初統一、呪いに覆われた「死の大地」の浄化作戦、全勢力が団結して行う東遷事業、それらも規模で言えば「国内問題の解決」という話に過ぎず、文化圏同士のパワーバランスに介入して、都合のいい未来に誘導しようという「世界問題の解決」に比べると小粒であることは否めず、色々と心の中の価値観が音を立てて崩れ去って行くことになる気がします。


まぁ、それは暫く先の話ですので、今は、各勢力共にいいとこ見せようと、東遷事業に向けて内部調整を始めたばかりでしょうし、そっとしておいてあげましょう。いい夢見れるといいですね。


<今後の投稿予定>

二十一章の施設、道具、魔術     三月十日(日)二十一時五分

二十一章の人物について       三月十三日(水)二十一時五分

二十二章スタート          三月十七日(日)二十一時五分

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『彼女を助けようと異世界に来たのに、彼女がいないってどーいうこと!?』を読んでいただきありがとうございます。
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