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19-11.統一に向けた社会変化と竜族(前編)

前回のあらすじ:共産主義も令和日本では随分と落ち目ですけど、昭和時代には共産党は自らが採択した綱領等に従って武装闘争を行い、殺人事件や騒乱事件を起こしたり、山荘に赤軍が立て籠もったり、旅客機をハイジャックしたりと随分、やんちゃしてました。……というか碌な事をしてませんね。階級間闘争である、労働者よ団結せよ、ってノリで、何故か必ず総括せよ→内部粛清の嵐、が彼らの定番でした。こちらでは赤軍ドミノは起きて欲しくないですね。(アキ視点)

少し長めの休憩時間ということで、冷えた麦茶を飲んだりしつつのんびりすることに。おかげで、熱の入った話をしていて火照っていた身体もだいぶ落ち着いてきて、ふと、皆と雑談しているレイゼン様のそれはもうご立派な太い腕が目に入った。


これまでにも何度となく見てきた筈なんだけど、ここで何故か閃いた。


 これはぶら下がれるんじゃないか、と。


「レイゼン様、僕に触れても五秒くらいなら平気でしたよね?」


ちょいと近付いて、座っているのに少し見上げる感じになるのが面白い。プロレスラーの人の鍛え上げた肉体とかで、丸太のような腕という形容があるけど、正にその通り。自分の腕と同じとは思えない大迫力だ。


「ん? あぁ、それくらいならな。それがどうした?」


「僕が手を組んで腕にぶら下がるので、その状態で立ち上がって貰えませんか? 前から夢だったんですよ」


「なんだ、そりゃ?」


予想だにしていなかった、という顔をされてしまったので、ここはしっかり説明することにした。大人の男性というのは力強く野性味に溢れた迫力があって、凄いなぁ、と幼い頃に憧れたこと。父親はまだ大きいなぁ、で終わってたけど、プロレスラーの人に会ったら、身体つきが半端なくて、格好いいと思ったけど、同時に怖いとも感じてしまい、父の後ろに隠れてしまったこと。それで、他の子達が腕にぶら下がってぐるっと振り回して貰える様子がとても羨ましかったことを話した。


「小さ過ぎると自力でぶら下がれないし、ある程度成長しちゃうと、同じ男性に吊り下がって振り回して貰うのって、こう、なんか微妙な感じじゃないですか。と言う訳で、日本あちらでは逃してしまった夢が、レイゼン様なら叶うなぁ、と」


ご立派な体格だから、と褒めるとレイゼン様は呆れた顔をした。


「鬼族なら、セイケンやトウセイだっているだろ」


「セイケンは線が細いし、トウセイさんはほら、鍛え方が微妙でしょう?」


男の子が憧れる力強さ、野性味が足りない、と力説すると何とも微妙な顔をしながらも、まぁ気晴らしになるだろう、とやってくれることに。


「リア姉、撮影宜しく!」


「思い出の一枚ってかい?」


一応、撮影もあるだろうからと機材は用意していたそうだけど、こんな事に使うとは、などとぶつくさ文句を言われてしまった。


「いやいや、リア姉。これが街エルフの国内だけだったら叶わなかった夢だよ? 成人女性を腕に軽くぶら下げるような真似は普通、無理だから」


特に街エルフの男性達は細マッチョ系だから、体格も筋肉量の不足も絶望的だ。


「はいはい」


リア姉に適当にあしらわれたけど、庭先のちょいと離れたところに移って、レイゼン様に膝をついて貰い、腕を曲げて力こぶを作って貰った。


 おぉ。


肩にちっちゃな重機を載せてるじゃないかってくらい、現実味のない筋肉の盛り上がりの迫力が半端ない。離れた位置から見上げてるのと、こうして自分の手が触れて、彼我の大きさの差を意識するのとでは、受ける感覚はまるで違う。


 っと。


時間もないので、指をがっちり組んで腕に軽くぶら下がる。


「それじゃ上げるぞ」


負担など無しと言わんばかりにレイゼン様はひょいと軽く立ち上がり、一気に視界が高く舞い上がった。そのまま、くるりと一周回してから降ろしてくれたんだけど、うん、これは凄いや。


とん、と軽く地面に降ろしてくれたんだけど、幼い頃に大人に感じた体の大きさの差、頼りになり憧れていた感覚が蘇ってきて、思わずにやにや笑いだしてしまった。


「これでいいのか?」


「はいっ。最高でした♪」


上手く緩急を使い分けてくれていたから、僕の手足にかかる負担もそれほどでもなかったし、こちらの様子を伺いながら加減してくれていたレイゼン様の心遣いも感じれて、とっても良い経験だった。


っと、撮影機材を片付けながら、リア姉が話しかけてきた。


「高い目線を堪能するなら雲取様とか、仲の良い竜族の誰かにお願いしたって良かったと思うけど、そう言いださなかったのは忘れていたから?」


 あー、なるほど。


「雲取様達だと大きさが違い過ぎて、感覚的には雲梯にぶら下がってる方に近くなっちゃうでしょう? 僕を持ち上げて力強い大人だなぁと、こう、憧れるような感覚が湧いてこない感じ」


強くて大きいけれど、それは完全に別の存在であって、自分の成長した先とは繋がってないんだよね。パワーショベルに力強さは感じても、自分も成長したらそうなるんだ、なんて思わないのと一緒だ、と説明を重ねてみたんだけど。


 んー。


僕の力説にある程度、共感を示してくれたのはニコラスさんくらいかな。男の子ならそういう感覚はあるでしょ、と聞いてみたものの、抱きかかえられるのでもなく、肩車をして貰うのとも違う良さがある、という僕の主張には、他の男性陣は理解できなくもない、と語る程度だった。





小難しい顔をしてた皆さんも、僕とレイゼン様のやり取りを通じて、だいぶリラックスしてくれたみたいだ。


そっちを狙って、という意識も多少は合ったから、良い結果だね。


「それでは、前提知識の共有もできたところで、その次、三大勢力の現状認識と、統一国家樹立への流れに伴う変化辺りから話していきますね。あくまでもこれは僕が今、知ってる認識範囲での予想に過ぎないので、皆さんと意見交換をしていくことで、内容が変化することは十分有り得ること、今後起こりうる事象の内容によっては、更なる方向の変化も考えられることはご了承ください」


そう予防線を張ると、皆さん、それは当然のことと頷いてくれた。


「では、まず現状認識から。地球あちらでは機械化に伴う労働の集約化は、労働者の部品化を招きました。以前より少ない人数で、高い品質の製品を大量に生産できるようになった訳ですから、当然ですが人は大量に余ります。簡単な仕事は機械が担う。そうなれば、人はより高度な技能を担う事が求められ、そして誰もが簡単に別の職業に転じられるほど器用ではありませんでした。雇用のミスマッチという奴です。こちらの場合は、戦時に合わせた社会が、平時の時代に移りゆく中で、人が余る職業から、人が足りない職業に上手く人材を移行シフトできるか、といった話になるかと思います」


働く場を失い、富が得られなくなった人々は、なぜ自分達だけが、と不満を募らせて行く。それは自分がそれまで培ってきた常識や技能を不要と言われ、社会の中での居場所を失ったと感じさせる。これは群れとしての我々は平等であるべき、という直感に反する事態であり、場合によっては生存すら危ぶまれるので、社会を大きく揺るがす衝突も起こりうる、と補足した。


さてさて。


とは言ったものの、この話に危機意識を露わにした人は誰もいない。良いね。


「社会構造の根本的な変革となれば、まつりごとに携わっている皆さんにとっても大仕事と思いますが、それほど緊急性を感じないのは、戦時体制が当面続くから、続けざるを得ないことが見えているから、でしょうか?」


僕の問いに、ユリウス様が頷いた。


「連合と帝国は長年争ってきた。昨年争わなかったからと言って、双方、兵達に武器はもう捨てていい、などとは言えまい。そう思える為には、信頼を積み重ねていく必要があり、信頼が安心へと繋がり、いくさに備えることが無駄に思えてこなくては、武器を置くことなどできん。その為にどれだけの歳月が必要となるか。少なくとも数年単位ではあるまい」


どれだけ各勢力の為政者が優れていようと、長年降り積もった恨み、恐怖、怒りはそう簡単に拭えない、という事だね。


長年一緒に暮らしてきた、昨日まで隣人として共に生きてきた部族が、対立を煽るラジオ放送を切っ掛けに衝突したルワンダ大虐殺では、八十万人もの人々が虐殺されることになって、今なお爪痕が消えることはない。


多分、竜族の圧でこの一年はいくさも生じず過ごせたけれど、その圧が無くなれば、簡単にいくさは再燃するだろう。


っとニコラスさんが手を上げた。


「アキはこちらの歴史に疎いようだから補足しておくと、帝国は成人の儀と称した定例戦争を起こしているが、いくさが常に帝国から仕掛けられてきた訳ではない。連合から攻勢に出たいくさも多く、互いに望まぬまま、偶発的な衝突が切っ掛けでいくさにまで発展したような事もある。火種は三大勢力のいずれにもある、そう考えることだ」


ふむ。


これはこの場だから言える認識であって、公式の場で、連合の大統領としてのニコラスさんという立場なら言えない意見だろう。


レイゼン様もそこまで踏み込むか、と少し驚いたような、ん、違うか、感心した表情を浮かべている。


「火種はどこにでもある。けれど、湿気った薪は容易に燃えることはない。どこが乾燥していて燃えやすいか、気化したガソリンで充満しているような有様か、と。ちなみに、地球あちらとの比較で行くと、三つの要因で、こちらでは平時に移行したとしても、そうそう全勢力での暴発は起きないと思えます」


「それは何じゃ?」


おや、お爺ちゃんが聞いてくるとは珍しい。


「①種族としての体格の違いが大きく、自勢力製品が他勢力にそのままでは売れない、②種族差があるから他勢力への内乱工作も難しい、③種族の寿命差があるから世代交代タイミングがズレて他勢力に騒動が伝播しにくい、です」


具体的には、①は平時になって互いの製品が双方に流通し合うようになると、地球あちらなら、競争力の強い方が相手を打ち負かすことになり、これが争いを生むことになる。だけど、こちらでは体格差があまりに大きくて、自国製品をそのまま輸出できない。そしてわざわざ相手種族に合わせた輸出商品を造るとなると、採算ベースに乗せるだけでも一苦労だ。


②は互いに他勢力に工作活動を行う話だね。地球あちらでは双方とも同じ人族だから、スパイ活動も盛んだけど、こちらでは種族が異なるから、スパイをしても旨味が少ない。何せ種族間の殲滅戦だ。わざわざ仲間を裏切ったような連中を生かしておく意味などないからね。そして種族が違うから、種族を偽装して侵入工作をする、なんてのも無理だ。だから、地球あちらに比べると、たんに情報を仕入れるだけでもその難度は桁違いになるだろう。


そして、③だけど、どれだけ優れた為政者であろうとも、世代交代の際には騒動が生じるのを避けるのは困難だ。日本あちらでも戦国時代には跡目相続争いはいくさに発展することもしばしばだった。そして全員が人族だから、一つの時代を築いた英雄達も次々に鬼籍に入っていき、新たな時代へと移り変わっていくことになる。多少の時期のズレはあっても、歴史的な単位で見れば、似たような時期に後代へと権力を移譲していくモノだ。ところがこちらでは、小鬼族と人族の間ですら寿命の長さは倍も異なり、鬼族は更に長寿だ。そこまでズレてくると、小鬼族が世代交代するタイミングであっても、他の人族や鬼族はまだ現役、という事になる。三大勢力の二つが安定していて、種族的に生活環境すら交わらないのなら、混乱の連鎖は生じないだろう。


なので、何か不満が限界まで高まって内乱などの形で暴発するとしても、それは一勢力内に留まる、と。


僕の説明にレイゼン様も大きく頷いた。


「他にも疫病への耐性も種族差は大きい。三大勢力全てが被災するとしたら、野分(台風)か、地震、それと飢饉か」


小鬼族は体力的に重症化しやすいけど、頭数が多い分、多様性で被害を食い止めやすい利点もあるからね。種族差を超えて感染していくような病もそう多くはないと思う。


野分(台風)は進行ルート沿いに被害が出るだけでそこに何族が住んでいるかで違いなんて生じない。地震も揺れる地域にいたら被災するだけで種族差はない。


「飢饉は厄介ですね。気温、日照量、水量によって毎年のように収穫量は変動しますから。他の地域が凶作なのに、自領だけが豊作といったパターンもそうはないでしょう。食料不足の件だけは直近の問題が出てくることは確定と思ってます。帝国で食が不足するのを他勢力は上手く手助けせねばなりません」


僕が確定した未来として告げると、シャーリスさんが手を上げた。


「アキ、なぜ断言できる?」


「それは、地球あちらでもそうでしたが、いくさというのは口減らしの意図を含むからです。相手から食料を奪えば糊口を凌げる、そうでなくてもいくさで人が死ねば、備蓄した食料で生き延びられる可能性も高くなります」


例として、蔵にある食料では来年の収穫期まで食料が持たず全滅するとして、人口が半分に減れば、食料は二倍長持ちする計算だ。実際にはそこまで減らすと社会が破綻しかねない訳だが、口減らしとはそういうことだ。


各国ともある程度の備蓄はしているから多少の不作なら耐えられる。けれど何年も凶作が続けば、蓄えを食い尽くし、そこら中に骨と皮だけにまでやせ衰えた人々が死を待つばかり、という有様にまで落ちてしまう。


実際、地球あちらの事例だけど、鉄器の量産にいち早く成功し強大な国力を誇ったヒッタイトという国は、何年も大干ばつが続いたことで、社会が混乱し、疫病が蔓延するという負の連鎖が続いたことで、国が維持できなくなり消え去ってしまった、と紹介した。灌漑を行おうと、水を無駄なく利用しようと、大地から得られる実りには限りがある。そして国力と人口にはある程度の相関関係があり、人口が極端に減れば、文化も技術も継承できなくなり、国としての形態を保てなくなってしまう。


過疎化が進んだ限界集落に、映画館なんて維持できない。日本あちらでも確か県内に数件とかしか映画館もないようなとこもあった気がする。人口減少問題は結構深刻だ。


そう説明してみたけど、シャーリスさんには想像しにくかったようだ。


「妖精さん達は食べる量も僅かで済むから、そうそう食料危機なんて起きないですよね。んー、例えば、地球あちらの例ですけど、豊かな森林地帯だったサハラという地域なんですけど、気候変動の結果、今では砂漠になってしまいました。その変化は何千年、何万年って単位ですけどね。同様に今よりも雨の量が減って、木々の育ちが悪くなって、今住んでいる地域が森林地帯から、木々がまばらなサバンナ地方になったとイメージして貰うといいかもしれません。木々の本数が今の数%にまで減れば、いくら妖精さんが少食でも食料を皆で分かち合うのは大変ですよね?」


「そこまで極端になれば確かに困るだろう」


「そこから更に山火事が起きて木々が燃えてしまったら? あ、ところで妖精さん達に植林文化ってあります?」


「妾達はそのような活動はしておらぬ」


 ふむ。


「となると、森の再生は木々任せだから、森が再生するより前に、残った木々が病気で枯れたり、育ちが悪くなったりしたら大ピンチですね」


「……自然任せでは駄目か」


「駄目とまでは言いません。ただ、大地の恵みには限りがあり、毎年の収穫量は不安定です。平和な世となれば、人口は増える一方なので、大地の余力がどんどん失われて行くのは避けられません。話を戻すと、争いが減ってくると、小鬼族の人口の伸びが顕著になります。元々、人口が多く多産多死の文化ですから。そして人口が増えれば、必要な水や食料も増える。けれど田畑はそう簡単に増やせないし、単位面積あたりの収穫量もやはり増えない。バランスは厳しくなっていきます」


そして定期的ないくさで強制されていた多死がなくなれば、人口の増加ペースは更に高まる、と。


こちらの地の種族にとっては当たり前の話でも、豊かな森林からほんの僅か恵みを分けて貰えば十分な妖精族にとっては、水や食料の重みはまるで違うということだ。


そもそも農耕文化が発達してないっぽい感じだもんね。意識して増やそうとせずとも、実った分をつまみ食いしてれば十分なのだから、わざわざ品種改良したり、田畑を広げるような行為をする必要も無かったんだね。


他の皆さんも、最初は何を当たり前な事をって顔をしてたけど、種族間の認識のズレに気付いて表情を変えてくれた。


 ん、いいね。


おっと、ユリウス様が手を上げた。


「アキ、飢えれば争いは避けられん。だが各勢力とてそうそう食料は余ってはいないだろう。何か良い案はあるか?」


飢饉に備えて蔵一杯に食料を溜め込むくらいのことまではしておくだろうけど、他勢力に輸出できるほど食糧生産をしているような余力があるか、というと、まぁ普通はあり得ない。ユリウス様の問い掛けも、マコト文書の知で、何か改善策でもあれば、といった程度の気持ちからだろう。


でも、今ならあるんだよね。


「幸い、僕の方で提示できる解決策はあります。ほら、連邦に沢山、休耕田があったじゃないですか。せっかく田畑があるのに、人手不足で放置していた奴です。そこを活用すれば、帝国が今後、必要とするであろう食料のかなりの部分は補えると思います。どう増産するのか、帝国は何を対価とするのかなど、実務レベルでの細かい話はありますけど、そこは枝葉末節な話でしょう。まぁ、この件を連邦と帝国だけに任せるのではなく、連合、共和国も関わった方がいいでしょうね」


妖精さん達も、他の種族がどれだけの水や食料を必要としているのか、その実りを得るのにどれだけの土地が必要か、知っておくのが良いと話すと、シャーリスさんと宰相さんの目の色が変わった。


っと、今度はレイゼン様か。


「軽く言ってくれるぜ。それにアキも強調したように、連邦の休耕田にも限りがある。帝国の人口増を養える範囲に抑える施策は必須。それもいくさ以外で、だ」


連邦と帝国がいくさをしてるような有様では、帝国への食料輸出など民が納得しない、とレイゼン様も念押しした。


「無論だ。即答はできぬが、他の勢力が我らを支えてくれる最中、いくさを仕掛けるような真似はせぬと約束しよう」


ユリウス様もそれに答える。


連合のニコラスさん、共和国のヤスケさんもそれぞれ、支援を惜しまない旨を表明してくれた。


 ふぅ。


少なくとも、現状の弧状列島では、三大勢力がそれぞれ独自の文化圏を築いている状況で、その中でかなり産業構造は高度化もしていて、民の教育水準も結構高め。聞いてる感じだと魔導具も家電製品のノリで使いこなしているし、昭和時代くらいまでは間違いなく到達してそうだ。


戦時体制ということもあって、各勢力ともかなり統制も取れてるし、種族間の殲滅戦ということもあって、勢力内の団結力もそれなりに高め。となれば、地の種族に限れば、本一冊を起爆剤に赤いドミノ倒しの連鎖が起こる、なんてことはないだろう。ここまでは良しだ。

いいね、ありがとうございます。執筆意欲がチャージされました。


弧状列島の現在の状況は、三つ国境、三つの勢力、三つ種族、三つの言語、三つの文字を持つ三つの大勢力と、独立を保つ共和国、地の種族と相互不干渉とする強大な竜族、という多様性に富んだ有様なので、ここから一つの国家に進めていくのは大変です。細かく見ると連合は鬼、小鬼以外の種族の寄り合い所帯で、それをざっくり人族と纏めているだけなので、種族はもっと多様です。


ですが、銃弾の雨の時代を経て、まだ当時のような大戦おおいくさを行えるほど回復していない小競り合いの時期といったところなので、ニコラスが言うようにあちこち火種だらけですが、あちこちに戦火が広がるほどの状況でもなし、と言ったところでしょう。


アキはさらりと連邦の休耕田利用を促してますが、これまでと同様、枝葉末節と言いつつ、落し処はもう脳裏に描いているのでご安心を。次パートで軽く私案ということで触れていきます。本筋で語りたい内容に付随するオマケなので軽く、ですけどね。


次回の投稿は、四月十九日(水)二十一時五分です。

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『彼女を助けようと異世界に来たのに、彼女がいないってどーいうこと!?』を読んでいただきありがとうございます。
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