ここ半年(十三~十八章)で溜まった要相談・認識合わせが必要な事項(全30項目)
春(十三章)~夏(十八章)、単行本換算で二冊分の期間に起きた案件で、片付いたモノを除いたリストです。一般的な内政系小説だと順次片付けていくので、こんなに積み上がることはないですよね。でも、本作は異世界日常系であって、政関連の話はアキからすればオマケ、サービス扱いなので誰かに任せられるモノなら、どんどん手を放していくので、三十件も積み上がる結果になりました。
春先(十三章)から、秋の再集結(十八章)までに起きた出来事で終息してない、または新たに派生している案件が多いので、リスト化しました。本編(十九章)ではいちいち全部取り上げたりはせず、ざっくり「他の案件は事務方が個別対応してる」くらいでスルーするかも。すぐ結果がでない長い取り組みも多いですからね。
【01.樹木の精霊探索&交渉の件】
連合内の一次調査はほぼ予定を完了し、交渉役の確保が間に合わないことから、手が足りない分は春先に調査を先送りすることになった。連邦、帝国でも探索&交渉は行われているが、そのペースは連合には大きく劣るのが実情だった。また、弧状列島全域で考えた場合、その半分を占める竜族の縄張り内をどうするかという話もある。
【02.超音速巡航実験の件】
魔導具を用いた対風障壁の動的変更は、ちまちまと改良作業が続いていた。小型召喚体で普段はできない超音速巡航を試せるとあって、実は何気にこの試験対応は人気があった。亜音速域でも障壁の可変操作は試せるので、雲取様以外でも良しとしたおかげで間口も広い。結果として、かなりの安定性を確保できたのだが、同時にかなり上品に飛ぶ必要もあることが判明したのだった。
【03.連樹と世界樹の呼びかけとその影響の件】
半年がそこらで、連合内の広範な地域にある膨大な魔導具の交換や修理が終わるはずもなく、その運用の縮小を余儀なくされていた。アキの身の回りには魔導具がないか、あっても街エルフ品質で問題なく稼働しており気付きにくい案件だった。
【04.風洞実験事故と反省の件】
模型を使うなど、事故が起きても死傷者が出ないような実験方法を模索中。それもあって、大勢が参加するような大規模実験はその後は行われていなかったのだ。
【05.ケイティとの心話の件】
心話対象枠拡大という意味では朗報と言えるが、誰に聞いても五指に入るという魔導師であるケイティであっても、アキがかなり繊細に心の距離を調整せねばならず、まだまだ改良が必要だ。そして、この件では三大勢力が思いの外、意欲を見せる事が明らかになる。
【06.追加の洗礼の儀の件】
非竜神子対象、励まし、応援的活動といったところだったが、やはり竜と対峙できる竜神子の特異性が再確認される事となった。こちらもまた、三大勢力は更なる対象拡大を求めていくことになる。
【07.浄化杭投下実験と精霊使いの件】
同実験では精霊使いの汎用性、柔軟性、応用範囲の広さが強く認識されることになった。また、投下精度を高める為の照準器の改良もまだまだ必要だ。浄化杭に搭載する浄化機構のプロトタイプも出来上がったので、杭本体と、浄化機構それぞれ並行して製造、開発が進んで行くことになる。
【08.白岩様と鬼族の武術の件(桜竜も絡む)】
連邦での手合わせで、鬼人形ブセイが怪我を負ったこともあって、治療の間は研究を控えていたが、今ではもう元通りに活動を再開していた。アキは桜竜も参加すればいいと軽く話していたが、緑竜立ち会いですら、何度かフォローが必要だった事もあり、第二演習場で白岩様と桜竜のペアが見られるようになるのは暫く先の話になるだろう。
【09.紫竜による魔獣生息域玉突き問題の件】
特別チームによる合同対処結果、及びリアが心話で支援をした結果、については状況確認が行われるだろう。代表達が集まった時点では、各自が活動記録作業を行っており、活動の区切りは付いたと言えるのだが……。
【10.セシリア妃による女衆交流の話】
この件は連合内だけに閉じた話だが、交流祭りで各地から多くの女衆もやってきており、そんな絶好の機会をセシリア妃が逃す筈もなし。コーヒーブレイクのようなシーンで成果も聞ける事だろう。
【11.登山をして皆で「死の大地」を眺めた件】
活動自体は綿密な準備もあって大成功で終わったが、その活動の余波はそうそう収まるわけもなし。竜族も含めて、どのような変化を生んだのか、意見が交わされる事だろう。
【12.依代の君、降臨の件】
二体目降臨も含めて、世界樹の精霊、連樹の神との約定によって得た世界樹の枝、それから創り出した依代に、「マコトくん」が降りた、しかも二つ目の依代にも、とあっては、代表達も報告書だけで済ませる事はないだろう。それに依代の君自身も代表達に挨拶をしておこうと思っているのだから。
【13.連樹の神を浄化作戦に引き込む件】
連樹の神を浄化作戦引き入れようと画策してる件、それに伴い、依代の君と、ヴィオが主体となって将棋を学んでる件には、代表達も強く興味を持っている。何せ神が二柱も絡む案件だ。アキはお友達を誘うように簡単に招いたが、代表達も頭が痛い事だろう。
【14.弧状列島交流祭りの件】
代表達が集う最中にも、大勢の人々がロングヒルの地を訪れており、半月以上の運営もあって、その活動はだいぶ安定してきていた。祭りに参加した者達も大勢が帰国しており、その影響なども話し合われることだろう。
【15.祟り神の蝗害戦略や「死の大地」浄化作戦(参謀本部設立に絡む)】
アキが要望していた人材を各勢力も何とか確保し、ロングヒルの地に伴ってきた。アキが彼らと話をするのは早くても何日か後になるだろう。何せ、バグラチオン作戦や攻勢作戦編成への理解を追いつかなくてはいけない。追いついた上で、ある程度、具体的な算段を付けられなくては彼らが集った意味もないからだ。
【16.若雄竜を企画・運営サイドに誘った件】
竜族社会に新構造を導入しようという件は、何れは必要になる話なだけに、皆の認識を合わせておきたいところだろう。竜達のことは、竜神子を通じて知るしか無いだけに、その扱いには慎重にもなろうものだ。
【17.自己イメージ強化の件】
代表達もアキと会い、意思を載せた声を聞いた事で、報告にあった自己イメージ強化の恩恵が実際、大きいことを実感したことだろう。同時に竜族は皆がそれを修得している事を意味しているだけに、自分達への導入にも前のめりになるのは仕方ないところだろう。
【18.呪いの共同研究の件】
リア主導で、管理・分析手法の大々的な導入をするチーム投入の件は、勢力間の調整も終わっている話ではあるが、他の案件に比べて、どの程度注力すべきか、全体の中での重要性はどうか、といった意識合わせは残っている。特に竜族が直接、呪いのある地に赴くだけに、帝国はこの件の話し合いを強く望むだろう。
【19.若竜達と竜神子の交流前倒しの件】
これと若竜達の遊説飛行の件はセットになるが、各勢力にとって影響の程度は異なれども、その範囲の広さは前代未聞だったのは間違いない。それに若竜達が各地を訪問して語り掛けた事で、竜達の間でも、地の種族への興味の芽は蒔かれたと言える。それらについても意見交換が行われるだろう。
【20.研究組の統制案について】
特に松案は竜族社会の在り方を大きく変えるだけに、代表達の知恵を借りたい、と頼ることになっており、今回の会合における主要議題の一つと言って良いだろう。
【21.雲取様と連携訓練の件】
竜族の中でも共同作業が始まった、と軽く報告する程度の話であり、これが地の種族なら、話題にすら上がらないだろう。しかし、相手が個で一軍に匹敵する天空竜であり、彼らの活動を何れは横展開して、何千柱という規模での集団活動に繋げていくとあれば、話は別だ。しかもその活動が「死の大地」の祟り神相手なのだから、万に一つも見落としは避けねばならない。きっと代表達は胃が痛くなってる事だろう。
【22.リバーシ大流行の件】
たかがゲーム一つでここまで変わるか、と代表達も衝撃を受ける件でもあり、雲取様もこの件の取り扱いにはかなり神経質になってるので、慎重な対応が必要だ。アキは雲取様の部族をテストケースとして、問題を洗い出せたら、他の部族にも横展開して、リバーシを竜族全体に広めるつもりであり、その準備だけなら春先までにはできてしまいそうだが……。
【23.桜竜の恋路応援の件】
アキとしては重要案件と思うし、ケイティも雌竜同士の争いを女同士の取っ組み合い等と甘く見るなと忠告するくらいなので、代表達も半ば呆れながらも、相談に乗ることになるだろう。
【24.竜族の医術について】
創造術式を治療に組み入れるという発想は、地の種族には無かったモノであり、その手法をそのまま導入するのは無理でも、治療の原理やノウハウを理解するだけでも、医術に大きく寄与するに違いない。
【25.竜の飛行紹介、玉突き事故対応映画】
アキと翁が支援者となり、リアが監督を募って、制作に向けて話を進めており、全勢力の地で上映することを考えている事から、これも軽く流せない案件だろう。アキや翁はそんなに注目してくれるんだ、と喜ぶ程度だが、代表達からすれば、人員を絞っての先行上映で影響を精査したいところだろう。今はその可否を判断する組織も無いが、何れは映倫のような団体設立にも繋がる話だ。
【26.竜向けの妖精界のプラネタリウム作成の件】
妖精界の星空をプラネタリウムで再現する為には、星の位置、輝きの強さ、星雲や銀河の大きさなどの情報が必要だ。しかし、実は妖精達はあまり詳しい天文情報を持っていないことが判明した。天測航法も、詳しい暦を用いる農業も必要としてこなかったのだから、仕方ないところではあった。
【27.小鬼族の帆船の共和国入りの件】
共和国に連邦の船が寄港したこともあり、帝国の帆船も向かわせたい、という機運が高まっている。勿論、この秋に帝国が成人の儀として、いつもの定期戦争を仕掛けてきたら、そんな話は消えてしまうが、そうならない可能性も十分高い。事務方の調整は進んでおり、そこから、各勢力の帆船を用いた、「死の大地」に対する活動にも話は繋がっていくだろう。
【28.思念波共鳴の件】
魔導師にも似た技は無い訳ではなかったが、ソレを範囲拡大に用いるような事はこれまでされてこなかった。広範囲に点在する対象に魔術を行使するなら、それぞれに魔術を使う方が無駄が無いからだ。それだけにこの技法については、地の種族も独自に研究していくことになるだろう。
【29.小鬼族の都市の防疫・医療体制拡充の件】
これは都市自体の対災害強化、風水害対策など多岐に渡る。鬼族の先遣隊は常に現地入りしており、呪いの件とは別に、連合からは共和国もセットで、現地入りしていることだろう。具体的な話も見えてきた事で、アキも絡めた意見交換の場が設けられそうだ。
【30.竜族の情報取り扱いの基準作り】
雲取様からアキが貰った宿題だが、事は各勢力における情報の管理に及ぶ広範な話であり、集ったこのタイミングで、ある程度の合意に漕ぎ着けておく必要があるだろう。
読み返してみると、いやー、どれもこれも、終わってなかったり、まだ着手したばかりだったり、次の話に派生したりと、綺麗に終わってるモノの方が少ない感じでしたね。冒頭でも書いたように、本編では結果が出るまで、或いは何かトラブるまではさらっと流す感じにしていきます。
政という視点では重要でも、アキ視点だと「まぁ、後は専門家にお任せで」と言う話も多いですから。
あと、全体俯瞰で見ると、この半年のアキの振舞いと無縁でいられた列島住人が一体、どれだけいられたか、なんて話もあったりします。何せ多様な専門家集団を次々と巻き込み、場合によっては引退したような老人やまだ就職前の新人などまで漁る始末ですから。連合内では為政者達が気付いた時には有望な人材を財閥が抱え込んでいた、なんて事もあったりするので、話題には事欠かなかったでしょう。
<今後の投稿予定>
十八章の施設、道具、魔術 三月五日(日)二十一時五分
十八章の人物について 三月八日(水)二十一時五分
十九章スタート 三月十二日(日)二十一時五分