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第十四章の施設、道具、魔術

纏めページ(人物、技術、勢力)ですが、私事の割込みがあって見直しが間に合わないので、掲載順をいつもとは変えて、技術→勢力→人物の順に変更します。十五章の第一パートを公開する際に、それまでの章に合わせて順番を揃えます。


今回は、十四章でいろいろと施設や道具、魔術が登場したので整理してみました。

◆施設、機材、道具


【科学・魔術併用式コンピュータ】

本編でも紹介されているように、多くの試作を経て創り出されたこちらの世界初の実用的なコンピュータだ。プログラミング可能で、入力装置としてキーボードを、出力装置としてディスプレイを備えている。画像処理はまだできないが、初歩のコンピュータとしては破格の性能と言えるだろう。当面は高性能な計算機として、電子化したテキストの検索機として使われる程度だが、開発ツリーはマコト文書のおかげで明確なので、今後もハイペースで開発が進んでいくだろう。


【浄化杭(試作型)】

全長六メートル、直径四十センチ、分厚い金属外殻に包まれた地中貫通式の空中投下型浄化杭である。作りは地中貫通爆弾(バンカーバスター)を参考にしている。爆弾の代わりに浄化術式の魔導具がセットされている訳だ。本文でも記載されているように、空間鞄から取り出すと、四枚二対の三角翼を展開し、自由落下していき、目標地点を貫く仕組みだ。誘導機能は、高濃度の呪いに覆われた地域では視界が悪く、魔力濃度の変化も激しいことから、レーザー式も電波式もまともに操作できず、今のところは、小型召喚竜が与えた方向、高度、速度に従って自由落下させるしかなかった。ただ、好条件であれば、かなりの高精度で命中させる事もできる。本式では杭全体がリアの無色透明魔力を浸透させている為に、外部からの魔力干渉を受け付けず、鍛え上げられた外殻を破壊する事も困難、深く地中に埋没した浄化杭の尾部は大型帆船の外殻よりも分厚く、それを狭い貫通孔に降り立って、実体を持つ不死者達が破壊するのはほぼ不可能だろう。試作型は本式と違う簡易式の術式発動の魔導具を搭載していたが、投下時の衝撃を受けて、予定通り術式を起動したようだ。本式では地脈に流れる魔力の呪いによる汚染を除去してから、その魔力を使って、周囲の浄化を絶え間なく続ける事になるので、只でさえ、まともに体が動かせない貫通孔の底に、実体を持つ不死者達が辿り着いたとしても、毎ラウンド、至近距離から浄化術式を食らう事になるので、不死者達が存在し続ける事すら困難と言うのが実情だろう。

初の投下実験は、少し目標から逸れたものの、十分な成果を発揮した事から、本格的な量産の流れも加速していきそうだ。


【科学・魔術併用式照準器】

マコト文書の記載を参考に作り出した照準器であり、その仕組みはアメリカ製のノルデン式爆撃照準器をベースとしている。違いは投下段階に入ると、雲取様が装着している多機能グラスに飛行ルート指示が表示され、予定コースの範囲になると、自動的に投下されるところだ。軍艦が波揺れを考慮して、水平になった瞬間、発砲するのと似た話である。

当然だが、空軍など存在しないこちらでは、初となる器具であり、武人の蛮用に耐えるとは言い難い、繊細な代物だ。投下実験で外したのも、急なGの変化に機構が歪んだせいだった。暫く運用して信頼性を高めていくしかないだろう。


【浮遊式標識灯】

空間鞄に入る程度の大きさで、起動すると一定高度まで上昇して、人の視覚外の波長で一定期間、点滅を続ける標識であり、その目的は直下にある「妖精の道」を速やかに発見させることにある。透明化を行うかどうかは検討中。ある程度の高度になれば視認も難しいとの意見と、消えていると空を飛ぶ生き物と衝突するかもしれないという意見があり、まだ答えが出ていない。

仕組みはシンプルなので、そろそろ試作機も出来上がることだろう。内蔵魔力が無くなる頃には離れたところに着陸して内部機構を破壊処理する仕組みや、意図しない形で中を確認しようとするとやはり内部破壊する仕組みも搭載される予定だ。極力、意図しない相手に情報を渡さぬよう、設計・製造は注意深く行われている。……いるのだが、工作精度や材質、表面加工などをどの程度にすればいいか、妖精達も大した情報を持ってない為に、初号機はそうした配慮無しで作られる事になった。

魔力が濃いほど、物のことわりが歪むと言うことは、妖精界では物質への理解が進みにくく、均一な高機能軽合金というだけで、地球あちらでの無重力でのみ製造可能な宇宙合金くらいぶっ飛んだ場違いの工芸品(オーパーツ)なのだが、それが明らかになるのは、ずっと先の話である。


【妖精さんの六分儀等の計測機器】

原理はマコト文書から仕入れ、使い方もファウスト船長などからしっかり教わったものの、妖精さんサイズの道具では工作精度が出ず、実測誤差も出て使い物にならなかった。その為、魔術によって疑似的な計測器類を創造して、術式で操作して計測するといった流れとなりそうだ。固定式設備は天文台のように大型、といっても人間が使う程度のサイズのものを設置することで運用はできるので、都に設置する形式と、移動先で術式によって展開して計測する二つの方法を追求していくことになりそうである。


椅子ハーネス)に追加した荷箱トランク

耐魔力機構は、アキが普段使っている馬車のものの予備部品を流用し、荷箱トランク自体は軽量合金で作り出した一品モノである。中に空間鞄を一つ入れるだけ=他に入れたいものがあれば空間鞄内に入れておけばいい、なので、荷箱トランク自体は、中の状態が程よい温度、湿度で保たれ、衝撃も和らげるよう緩衝材を敷き詰めておくといった工夫がされている程度だ。耐魔力機構はアキ&リアの膨大な魔力を使って稼働に必要な宝珠をチャージしている。そんな不思議な魔力泉が無ければ、ほぃほぃ気軽に使えないくらい稼働効率は悪かったりする。技術革新が望まれるところだ。


控室シェルター

役割としては控室だが、その作りは避難所、地下壕と言ったところで、分厚い外壁や、内外を隔離する頑丈な二重扉、内壁に展開する耐圧障壁と言った厳重な作りになっている。ただし、物理的な破壊への耐性は求められていないので、そこは二の次だ。空気浄化、室温、湿度維持の魔導具も備えられているが、水回りの設備は最低限であり、あくまでも短期間利用を前提とした仮設の設備だった。それでも見た目は簡素ではあっても粗末には見えないよう丁寧に作られており、アキの目には近代建築風のシンプルさで、小鬼族らしくていいと好評価だった。


【魔導人形達の式典装備、赤外套装備、作業着】

街エルフ基準での標準装備であって、特に今回の為に特別にしつらえた品ではないのだが、全ての作りは最高品質であって、全てに魔術付与がされており、武器も防具も小物類も含めて魔導具と化している点が特徴と言える。何十年、下手をすれば何百年と使える信頼性があり、いずれも意匠まで凝った逸品だ。勿論、こんなイカれた基準で運用しているのは街エルフ達だけであって、他の種族からすれば信じられない装いとなる。単なる作業着ですら、防刃、防弾、防火くらいの機能は付けてあって、しかもそれでいて作業の邪魔にもならない軽さ、薄さだったりする。ただ、アキはこういった共和国のイカれた基準の品々をじっくり見ることはないので良く知らない。残念ながらアキが触ると付与された術式も魔導具も過負荷で壊れるのがオチだからだ。まぁいつも傍にいる三姉妹や護衛人形達の身に付けている高魔力域への耐性を高めた品々は見ているので、ある程度凄いんだろうなーとか思ってはいるようだ。


【アイリーンの盾装備、ベリルの魔導師装備、シャンタールの指揮官装備】

アイリーンはトラ吉さんの代わりとなれるよう、防御重視の装備品に身を固めており、一見すると普通の礼服だが、実際には短時間なら重鎧すら凌ぐ防御力を発揮したりする。また、持ってる杖も耐弾障壁を多重展開するような代物だ。まぁそれしかできない機能特化型だからこその品であった。

ベリルはケイティの代わりとなれるよう、魔導師級の術式を発動する装備品に身を固めている。それらは全てが魔導人形用ということもあって、魔力を通せば瞬時に発動するという魔導具である。これらは範囲を限定した幻惑や攻撃に特化した術式を揃えており、部隊規模を相手に圧倒するだけの火力を提供できた。ケイティのような多彩さはないが、特化したことで限定された状況下であれば、一流魔導師に遜色ない働きができる装備であった。

シャンタールはジョージの代わりとなれるよう、人形遣いの指揮官装備で身を固めており、ヘッドセットと指揮杖を用いることで、空間鞄から任意の魔導人形を短い指示付で召喚したり、人形達の位置把握や短い連絡を双方向で行うことを可能としていた。これらの装備は下位指揮官を擁する大部隊を指揮する人形遣いが、指揮を担う魔導人形達に持たせている品だ。ただ、大軍指揮を行える街エルフなどそうそういる訳もなく、末端の魔導人形達を統括する指揮官級の人形を必要とするニーズも少ない。その為、この装備はシャンタールの為に作られた一品モノだったりする。


【ドワーフ謹製の演奏用パイプ群】

様々な長さ、太さで構成されたパイプ群であり、その配置や間隔、位置や角度にも厳密な意味がある妖精の国が誇る最大の楽器である。その音色の特徴は、魔術で風を制御する事で、音の強弱や揺らぎを自在に操作する事が可能であり、肺活量や打鍵の力加減と言った制限がない為に、ピアノのような音の減衰と、ずっと続くオルガンの響きを両立できると言う、地球あちらでも実現できない超演奏を成立させていた。

また、三人の奏者が分担することで、オーケストラのような多彩な音も奏でる事が出来ていた。

ただ、本編ではあまり音楽に詳しくないアキ視点なので、何か凄い演奏だった、と少ない語彙で語られるのみである。この辺りの話は十五章で、希望者を集めて、妖精界の夜空と共に何回も披露される事になるので、音楽に造形の深い面々から話を聞くことになるだろう。


【空気浄化の魔導具】

こちらでは一般的な魔導具であり、狭い室内でもこれがあれば快適だ。ただ、こんなモノを使うくらいなら、空気を入れ替えたほうがよほど楽で経済的でもあり、その用途は炭鉱などの閉鎖空間での緊急対応用であったり、窓も敢えて作らない秘密重視の部屋の浄化用であったりと、ニーズは限られている。街エルフの魔導具であれば、浄化するだけでなくまるで森の中にいるような清々しさまで再現、なんてことをしているが、小鬼族からすれば、それは過剰そのものであり、匂いが篭るのを防ぎ、息苦しさを改善できるならそれでいい、というのが小鬼族スタイルである。


【小鬼帝国の大型帆船(共和国の小型相当)】

SS③で語られたように、小鬼帝国の大型帆船は、やっと作った一番艦であって、共和国のように量産体制に入っている訳ではない。とはいえ、より小型の船から着実に技術を習得して建造しただけあって、その設計思想や作りは堅実である。小鬼族らしく、自分達で作れる範囲で、求められた性能をできるだけ簡素に実現する、といったコンセプトは健在だ。共和国の船との違いとしては、様々な道具が小鬼サイズになっているところだろう。一般的な人族にはサイズが小さく、鬼族では小さ過ぎて使えない。それでも、空間鞄も少量ながら導入しているおかげで、船体規模に比べて容量は大きく、補修部品もたっぷり積んでいるし、海水から水を生成する魔導具もあるなど、その性能は外洋を長期間航行するのに足るものがある。ただ、やはり国力のなさは如何ともし難く、共和国のように同型艦を建造して船団を組ませるようなことは厳しそうだ。



◆魔術、技術



【LiDARの導入】

本編でも語られているように、レーザーの照射と、反射光の検出技術だけではなく、照射機器の現在位置を正確に把握し、得られた情報を素早く処理する計算能力と、結果を蓄積する機能が無くては成立し得ない高度な複合技術である。その為、こちらでは導入は何十年か先の事になるだろう。彫刻家が話していた、「妖精の道」を見つける魔導具も、視覚を多少補う程度のアイテムと捉えた方が良さそうだ。

地球あちらでは、ジャングルを見通して、マヤ・アステカ文明の遺跡群が物凄いペースで発見されており、考古学分野の飛躍は間違いない。凄い時代になったものである。


【妖精さんの角灯(ランタン型警戒魔導具】

これまでは、召喚体の空き領域を用いていた常駐術式を外出しした魔導具である。この魔導具のイカれたところは、この魔導具自体が創造術式で生成されているということ。普通の道具を生成するのとは次元の違う話で、アキは便利だね〜としか思って無かったけれど、話を聞いた技師達は、理論上は可能だろうが、と頭を抱えたらしい。今のところ、妖精族しかなし得ない超技術である。魔導具としては、周辺に警戒術式を展開して監視しつつ、必要に応じて耐弾障壁を展開するという、護符でも実現している定番機能を実現している。小指の先程の大きさでそれを成しているのもまた超技だが、魔導具の創造に比べれば、まだ理解の範疇だ。


【常闇の術式(集団術式)】

元々の術式はケイティが行使したように、精々、天空竜を覆う程度の範囲=テニスコートくらい、を闇に変えるモノだが、それを小砦単位=サッカーグラウンドくらい、まで覆えるよう大規模展開したモノである。以前にも紹介したが一定範囲内の「世界の(ことわり)」に干渉して、光の存在しない領域を生成するという高難度技である。発動も個人ではなく集団で行い、維持には専用の一抱え程もある大きな魔導具を用いる必要があった。維持する魔導具は闇の範囲の中心に無くてもいいが、その範囲内には置く必要がある。これ程の広範囲を覆うニーズは普通はないので、今回の為にわざわざ開発した一品モノである。それだけに浄化杭の直撃だけはしないで欲しいと、担当者達が「マコトくん」に祈った気持ちもわかる。中規模の国でも一撃で破産させる被害なのもあるが、これが壊れれば、計画の停滞は避けられないからである。あと何回、投下試験をやるのかと、まるでロシアン・ルーレットをやらされる気分らしい。御愁傷様である。


【摩擦軽減術式】

物体の表面に付与すると、摩擦係数が極端に下がる便利な術式。街エルフが作るベアリングには当たり前のようにこの術式が付与されているくらいポピュラーな技である。ただ、全体が見えない物体の一部に触れて、物体表面全てにこの術式を付与する事ができるのは、一握りの魔導師だけだ。それは表面を把握する術式と、本術式を同時に駆使する必要があるからで、それができるセンスを持つ術者は稀なのだ。もっとも、どちらかの術式を肩代わりしてくれる魔導具があれば、一般的な魔導師でも何とかできるだろう。


【精霊魔術】

精霊魔術を使えるのは精霊使いだけであり、精霊使いと古典/現代魔術の両立はできないとされる。精霊魔術は、精霊を介して魔術を行使する為、大雑把な指示や、場合によっては発動自体を精霊に任せられる自由さが特徴であり、本編で見せたような、貫通孔の中の空気を外の空気と入れ替える&汚れた空気は遠くに捨てる、なんて作業も少人数でこなせてしまうのだ。魔力効率も高く、似たことを現代魔術で行う時の何割かで結果を出せる。弱点は結果の揺れ幅が大きく、精霊の気分によっては、発動を拒まれる事すらあるところだろうか。良くも悪くも精霊頼みなのだ。


【妖精さんの望遠術式】

自身の前方に鏡のように魔法陣を展開し、その中に拡大された遠景を映し出すという術式だ。視点移動と焦点操作は術者が行うので、下手な奴が使うと、ボケた風景しか映らないなんて事になる。妖精族にとっては、子供の頃に習う術式であり、相手に気取られない遠距離から観察するなど、その利用範囲は広い。

こちらの世界では、望遠鏡があるので、このような術式は開発されていなかった。


【武技「辻風」を用いた草刈り】

鉄棍に風を纏わせて、刃と化す武技だが、範囲限定の刃の乱舞は、本編のように草刈り作業にも打って付けだ。ただ、辻風の使い手なら誰でもできるかと言えば、草刈りに必要な最低限の力加減を、必要な時だけ行使する繊細さが無ければ、直ぐに魔力を使い果たして息切れしてしまうに違いない。セイケンの武がどれ程、研ぎ澄まされたものなのかは、一般的な鬼族の様子を見る機会があれば、一発で理解できる事だろう。


【精霊魔術による空気入れ替え】

内容も複雑で、範囲も広いことから、この作業は、複数人の精霊使いが共同で実施した。ただ、精霊使いの精霊は本人にしか見えず、精霊同士の交流もない。その為、やる方針を決めたら、後は精霊使いの合図に従って、精霊達が魔術を行使し始めて、後は他の様子を見ながら調子を合わせて連携する、といった感じになる。それも第三者から見れば、複数人の術者が共同術式を発動しているようにしか見えないが、結果が同じでも過程はまるで違う典型例と言えるだろう。妖精達が(ことわり)が違って参考にならなかったと零す訳である。


【妖精さん達による竪穴の補強と観測支援】

大変脆くなっている縦穴を、そっと支えるように表層を障壁で覆い、仲間達の障壁展開とも歩調を合わせて連携していく様は見事なものであった。当然だが事前練習などできるものではないし、こんなニーズもある訳もなしというぶっつけ本番であり、作業にあたった妖精達の技量の高さが伺える。そもそも、浮遊しつつ障壁展開してそれを維持、発光する光粒を散布したのちに自身は透明化と、何とも器用な真似をしている。同時使用の術式は三つだが、その難度は曲芸の域に近いだろう。こうして手軽に喚ばれて、超技を難なく披露している妖精さん達。だが、それは最高峰に位置する賢者や、国のトップに君臨するシャーリス女王が声を掛けて、腕に覚えのある連中を連れてきているからであって、いくらなんでも妖精さん達の一般層までこんな真似が簡単にできる訳ではない。そんな訳で、精鋭だけ連れてきて誤解を生んだ小鬼族達と同様、妖精さん達もまた、色々と誤解されていくのだが、実態が見えてくるのはもうしばらく先のことになりそうだ。


【爆炎の術式(竜バージョン)】

雲取様が合図として放った爆炎の術式は、竜一頭を丸ごと焼くという定番のモノであり、地の種族が使う同術式に比べると、範囲は倍は広く、その位階も高く、竜であっても無効化はできない。ただし、指定地点まで飛翔して炸裂するという関係上、見た地点に術式を叩き込むことなど容易な竜族からすれば、テレフォンパンチもいいところであり、簡単に迎撃可能であり、あまり実用的な技では無い。ただ、大きく目立ち、破裂音も遠くまで聞こえるので、合図として使うと便利である。


【創造術式によるマーキング】

黒姫が用いた、地面にサークルを描いた術式であり、これは目立つ塗料を創造して撒いたイメージである。なので、あまり長時間持続するものでは無く、幼竜相手に位置を指示する時などに使うのが定番だ。長時間残したい場合は、熱線術式で石の表面を焼いて描くのだが、不要になっても消せないので、そうして何かを描き残す事は稀である。


物体移動サイコキネシス

黒姫は、遠く離れた位置に設置されていた石柱を、軽く引き抜いて取り寄せたが、人族の術者であれば、杖の先、数メートルにある物体を動かすのが精々であり、距離も動かした重量も、まるで比較にはならない。とはいえ、その運搬方法は、持ち上げる、バランスを維持する、の二つの作用で構成されており、術式としては同じ系統である。アキのように全方位から力を掛けて均衡状態にしてから動かす、なんて真似はかなり異端と言えるだろう。


【黒姫が斬った石柱】

本編でも紹介されているように、既存の切断や石割りともまるで違う効果で斬られていた。何より切屑が出ておらず、まるで空間ごと切り取ったかのようだった。魔力を用いて、この世のことわりに干渉して、結果を得る魔術でもなく、当然ながら物理的なことわりで斬ったのでもない。この石柱は、妖精族も含めて多くの種族の研究者達の頭を悩ませるのは間違いないだろう。


【戦術級術式「風の輪舞曲(ロンド」】

ケイティが使った術式の広範囲版であり、その維持には大型の魔導具を必要とする。ソフィアが褒めていたが、リップ・サービスという面だけでなく、実際、賞賛されるに値する術の発動だった。音は阻害しても、余計なところに風を舞わすことなし、と言うのは、難度が高いのだ。


【超音速巡航】

ジェット戦闘機は一部の例外を除くと、通常の燃焼では亜音速までしか速度は伸びず、そこからは熱い排気に燃料を吹き付けて更に燃焼量を増やす=アフターバーナー機構を用いないと超音速巡航を行うことができない。そして、通常とは異なるところで燃焼させるのだから、燃焼効率は悪く、そんな真似をすれば五分程度で燃料を使い切ってしまう。F22など、第五世代戦闘機は、アフターバーナーを使うことなく超音速巡航を行える高推力&高燃費の化物エンジンを搭載しているので、何十分も超音速で飛行し続けられるのだ。で、本作では小型召喚竜が超音速巡航を成し遂げたが、これは普通は自前の魔力がガンガン減って、長時間続けられない加速を、経路パス経由で魔力を尽きることなく供給され続けるので、超音速が維持できると言う裏技みたいな話なのだ。減らない燃料タンクを搭載したチート戦闘機と言った所だろう。通常サイズの竜を召喚して同じ真似をすれば、いくらアキ&リアでも魔力供給が追いつかず、速度を落とすしかなくなる。似た真似を既存技術で行うとしたら、空間鞄の中に宝珠を沢山入れておいて、加速術式を発動させて、宝珠を次々に交換する事で宇宙空間へと到達させた飛行杖の仕組みでも実現はできる。ただ、地球あちらのロケットと同様、費用対効果は最悪で、とても実用レベルとは言えないだろう。


【竜族の医療】

本編で紹介されているように、体の内部を生きたまま詳細に観察できる竜眼と、欠けた部位を補う事すら可能とする創造術式のおかげで、道具が無い割には、かなりの医療行為を実現できている。創造で補った部分も暫くすれば本来の細胞に置き換わって治癒されるのだから、夢のような技術と言える。ただ、治療に合わせた適切な措置が必要なので、治療結果は竜によって大きく異なる。治療の得意な竜は医師として皆に頼られ尊敬される感じだ。下手なら当然、下手なりの扱いとなる。また、黒姫も語っていたように、これ程までに医術に長けた竜族は、他の地域にはまずいない。その事実が確認されるのは、大陸系の竜族との交流が始まる時代なので、ずっと先の話である。


【鬼族の軽身功/重身功】

地球あちらの体術のように重力を上手く利用し、見掛け上の自重を軽くしたり、重くしたりもしているが、それと併用して魔術によって実際に自重を変化させているところに特徴がある。軽くすれば羽毛のようになり、小枝の先にすら立ち、座ったまま椅子を圧し折る真似もできる。しかし、その真髄は自重の変化を素早く変幻自在に行い、それと体術を組み合わせる事にある。ただ、その技の高みを理解するには、見る側の目もそれなりの力量が求められる。白岩様なら竜眼を用いることで理解もできるだろうが、アキでは何かよくわからないけど凄かった、程度の事しか言えない、そんな話である。


【魔獣達との心話】

ケイティが、最低ラインとして自分レベルの相手であることを求めていたが、これは世界樹や福慈様のように大きく差のある相手と心を不用意に接触させると、心が安定性を失ったり影響を受け過ぎて自我が歪んだり、場合によっては砕けてしまい統合性を失うなど、酷い被害になりうるからだ。多少は魔獣達を心配する気持ちもあるが、どちらかというと、そうなってしまった魔獣にアキが心を痛めるだろう、という心配からだったりする。多少の差であれば、何でもできる街エルフ、自らの心を律する技も持っているが、小手先の技でどうにかなるレベルを超えると、後はもう如何に巻き込まれないか、制御不能な危険域まで踏み込まないか、という予防措置しか残っていないのだ。


【世界樹との心話】

本編でも語られていたように、一般的な個体とは心の在り方があまりにも異なり、膨大な数の存在が集って形作られる群体といったように、アキには感じられた。ただ、これはアキの視点が小さ過ぎるからそうなるだけで、単細胞生物から見れば、他の動植物なんて全体像もわからない超群体としか思えないといった話に近いだろう。黒姫からも禁じられたこと、世界樹との交流は黒姫が引き継ぐことを申し出てくれたことから、アキから世界樹に接触しにいく機会は当面無いはず。アキの心が安定して、成竜のように、空間跳躍テレポートできるほどにスキル、位階、理解が進めば、まぁ接触できるかもしれない。ただ、それっていったい、何百年後かって話だ。


【アキの魔術による岩の運搬】

本編でも紹介されていたように、アキは全方位から力を加えることで均衡を保ち、全体で調子を合わせながら神輿のように移動させるなんてことを漠然とだがイメージしていた。そりゃ確かに動かす物体もそれならしっかり固定されるだろうが、師匠のソフィアも語っていたように、普通なら魔力切れか、制御困難で術式が失敗する話である。力加減を誤れば岩は超高圧で圧縮、加熱され、加圧が無くなれば弾け飛ぶ爆弾と化す。ソフィアが慌てて、厳重監視下以外での術式行使の禁止を命じたのも当然だった。ソフィアがアキでもできる無難で、難度の低い魔術はないか、と頭を悩ませる切っ掛けにもなった。


【白竜の意識加速と竜眼の併用】

心身操作系術式の奥義と言える魔術であり、こんな真似ができるのは竜族くらいなモノ、しかもこれを可能とする使い手も稀、という超難度技である。妖精族にもこんな使い手はいないし、地の種族であれば、術式単独ではなく、特定の薬物を併用することで生理反応を加速するといった話になるが、それでもできて何割か加速できる程度だ。ただ、本編でも語られていたように加速している間は負担が大きく、相対的にゆっくりになっている外界をジリジリと眺めるのは苦痛でもあり、僅かな間だけ限定して使うのが基本だ。それに心身への副作用も大きく、竜族ですら一週間は目の奥が痛いとか言ってるくらいだから、他の種族は真似をするべきではないだろう。街エルフの極一部の高位術者であれば、時間制御の技にも手を届かせているが、それとて専用の魔導具を用いなくてはならず、必要となる魔力も膨大なものとなるため、やはりそうそう使えるものではない。とはいえ、超技の存在を知った研究者達が刺激を受けたのは間違いない。そちらの研究も今後は進んでいくことだろう。


【人形遣いと魔導人形と空間鞄】

本編でも語られているように、人形遣いは空間鞄を持ち、必要に応じて魔導人形達を出し入れして、自分を中心とした攻防一体の陣形を形成するのだが、空間鞄内では人形達は寝ているような状態であり、外の情報は召喚される際に、僅かに渡される指示情報だけが頼りとなる。つまり魔導人形は人形遣いに対してどの位置に出るのか、基本行動パターンは何かといった程度の情報しかない状態で、現場に放り出される訳だ。

当然、仲間の魔導人形達や人形遣いと事前に綿密な打ち合わせと訓練を積み重ねなくては、まともな連携などできる筈もない。

もし、同じ人形遣いを相手に何度も戦えたならば、魔導人形達の喚び方や戦い方が決まったパターンの組み合わせである事に気付けるかもしれない。ただ、これまでの歴史では、人形遣いの暴威は遠目で見て逃げ果せた僅かな者が伝えるのみであり、刃を交えた相手は僅かな数合で細切れにされ骸となっており、他の勢力には、まるで一つの生き物のように動く化け物練度の殺戮人形達と伝わるのみだった。


【言葉への意識乗せ】

言葉に意識を乗せることで、まるで英雄の演説の様に心に響く効果が追加されるのだが、近頃は細かな感情や意識まで感じられる事から、嘘発見器代わりにされ出した感がある。そこで十五章からはアキが対策を取る事になる。何せ心を触れ合わせている状態でも、隠し事ができるアキなので、まぁやろうと思えば、それなりには出来てしまうのだ。その辺りについては、十五章でリアとあれこれ話していきます。


【心話の問題点】

直接触れ合うことで、言葉を介さず、超高速で交流を行えて、感情なども生のまま共有できるなど、他の方法にはない突出した利点が多い技法だが、互いの心の間に、介するものが何もないということは、何かあっても守る手段がないことにも繋がるので、素の能力だけ、他者からの補助なしで対処しなくてはならず、その弱点が露呈する事態となった。ちなみに世界樹が持つ禁断の知識(記憶)に触れてしまったアキは、心が安定性を失って病むことになったが、それはアキだからそれで済んだ訳で、並の魔導師達なら、廃人になってもおかしくない事態だった。その辺りはリアが十五章で語ってくれるだろう。


【妖精達による妖精界の夜空演出】

夜空を蜂の巣状の枠で埋め尽くした半円状のドームを形成し、各枠を夜空を模した障壁で埋め尽くしていくと言う集団術式である。全体の統制は、賢者が操作する難解な複合魔法陣が担い、等間隔に配置された術者達が、隣接する枠と接合するように夜空の障壁で埋めていくのだが、展開する障壁は、中心位置から眺めた夜空の輝きを再現した幻術であり、背面の陽光を完全遮断し、夜空の深い闇と薄明かり、無数の星々の輝きや星雲の霞む様まで再現している。全天の夜空の情報は賢者の魔法陣が集中管理し、対応した枠に応じた情報を提供することで、障壁の描く夜空が自然に繋がるよう配慮しているのだ。空に配置された妖精達は、障壁を展開すると、透明化術式で姿を消して、夜空を隠さない工夫もしている。鳥と違い、羽ばたく必要がない妖精だからこそできる演出だ。

指定位置で浮遊しつつ、皆と協調しながら夜空の障壁を展開し、姿を消すと、三つの術式を並行起動しており、これを可能とする術者は妖精界でもそう多い訳ではなく、今回の演出では賢者の弟子達や関係者が勢揃いしての実現となった。障壁の位置がズレると、隙間から外の景色が見えたり、光が漏れたりしてしまうし、重なった部分は星の並びや星雲がおかしくなるので、練習はなかなか大変だった。

月明かりに照らされる浮島や、月の幻影は別途嵌め込みなので厳密には、完全再現はしてないのだが、それを言うと、月明かりを集めて照らしたりと、現実には起きない魅せ方もしてるので、そこは妖精らしい遊び心というべきだろう。

いずれにせよ、最低でもあと三回は公演を行い、その後はこちらの技術、魔術で何とか同じ演出を再現しなくてはならなくなった。いくらお祭り騒ぎ好きでも、国の中枢や上位術者達をかき集める真似をそうそうしていては国の運営が止まってしまうので仕方ないところではあった。


【妖精さん達の派手な騒ぎ用の魔術】

噴水のように花弁を撒き散らしたり、空中に文字や模様を描いたり、幻影の鳥を飛ばしたりと、後で話を纏めた小鬼族の担当が頭を抱えるほど、その術式は多様だった。これらは妖精の国で毎年行われる術式のお披露目で、他人とは違うところを見せようと、各自が創意工夫した、謂わば、隠し芸なので、多様なのは当然だったりする。誰かがやった芸では新鮮味に欠けるのだから。なので、実用性とか、意味とかは度外視されている。いくさや探索など、様々な状況に対応しうる補助術式や攻防の術式の工夫に腐心する小鬼族からすれば、術式の根底思想からして違うので、彼らはその意図を長い間、誤解する事になった。



◆その他



政治的宣伝(プロパガンダ)映画の制作】

アキの発案で、「①飛行する竜達の紹介」、「②魔獣達の生息域を元に戻す作戦の紹介」の二つについて、映画製作を行う方向での検討作業が始まった。前者の方は共和国+ロングヒルにいる人々で作る感じ、後者は何が必要なのか、どこに注意するのか、どんな感じで作るのかなどを決めたら、監督や撮影チームの選定を行う流れなので、しっかり動き始めるのはまだまだ先だ。後者の方は三大勢力が既に資金提供、撮影協力を行う=口も出す、と表明しているので、制約が多い中でも信念を貫けそうな監督を選ぶ必要もあり、人選は難航しそうである。


【緩和障壁の魔導具一式貸し出し】

まだ、共和国でも二セットしかない緩和障壁の展開用魔導具一式であり、テニスコート程度の範囲を障壁で覆い、竜族からの圧を緩和してくれる効果がある。これは既存の障壁よりも遥かに優れた結果を齎し、英雄級の人でなくとも、耐えられるくらいには圧を軽減してくれる。これに護符の守りも併用すれば、五分、十分と竜族と対峙することも不可能では無くなるのだ。ただ、やはり圧への耐性は個人差が大きく、これだけの守りを重ねたからとて、竜族への本能的な恐怖が消える訳ではなかった。

また大量の魔力を必要とする稼働効率の悪さもあって、船舶用の大型宝珠を用いても展開時間はさほど長くはない。

そして、共和国としても今回の式典は失敗させる訳にはいかないので、念の為、予備の宝珠も渡したり、魔導具の状態を確認する診断機器を付けたり、操作員達がどんな状態でも迷いなく操作できるよう訓練を徹底するなど、かなり手厚い対応となった。

毎日のように使われて、必要に応じて手を加えられている状況なので、まだまだ量産化は行えそうにない代物だ。


【ロングヒルから帝都までの立体地図】

現実より高低差を強調しているが、森は緑、草原は薄緑、沼地、湖、河川、海も深さによって色合いを変えるなど、なかなか凝った作りであり、本文でも触れていたように、人工物はそれっぽいミニチュアを所属勢力に合わせた色付をして配していると言う力作だった。地図をどこまで見せるか、正確にするかという点は共和国、財閥でも議論となったが、共和国の島は一部だけ見せる形にして、後は縮尺に合わせて、把握してる範囲で敢えて正確に示して、帝国担当者達の反応を伺う方針となった。アキなら空から観光する視点で、あれこれ聞き出すだろうから、それらの受け答えを聞ければ十分価値があるとの判断と、大事の前の小事として、連合にいちいち毎年攻めてくる悪癖を牽制する意もあった。結果は予定通りと言えるもので、連合の背後にいる小さな島国と言った認識ではなく、三大勢力に並ぶ手強い相手と認識させる事に成功した。


【翁の飛行指示ナビゲーションと翼端灯】

翁からの指示は、風を操って、それぞれの耳元に届けるようにして、竜のほうは返事は翼の端を特定の色で光らせることで返事をする、といった方式を取った。了解、もう一度といった程度の識別であり、それ以上難しい内容なら、思念波を飛ばすという割り切りだったが、概ね上手く行った。ただ、やはりもっと気軽に話ができないか、ということで妖精の技術である伝話を参考に導入してみようか、なんて流れになり出した。なお、伝話は航空管制の為のプロトコルなので、その仕組みは簡潔で誤解しにくく、指示を的確に伝えることが重視されていて、雑談をするのには向いてない。竜達も誰かと共に飛ぶなんて話は番いとなった相手とする程度なので、今回は興味を持ってくれたものの、どれくらいその熱意が持続するかは見通しは不明瞭だ。ただ、「死の大地」を念頭に何千、下手をすれば万単位の竜達が飛び交うとなれば、航空管制は不可欠となるので、大勢で統制の取れた行動をすることの大切さなども教え伝えながら、地道に導入を進めていくことになるだろう。


【発光信号】

予め決めておいた光の色と点滅パターンで情報を伝える、というもので、今回は「問題なし」、「邪魔が入ったが対処済」、「邪魔は入ったがこちらで対処する」、「合流したい」くらいのパターンだけ用意することで、シンプルに運用できた。光が見えさえすれば、一度に多くの相手に伝達できることから、伝話と併用していく流れとなっていくだろう。


【アキの観光案内】

今回は詳細な地図が予め存在し、想定コースに従って事前学習も行っており、同行者達の好みも把握していたことから、アキの観光案内は好評を博することとなった。上手く行った理由はもう一つあって、聞き役として翁が居てくれたことも大きい。アキが話題を示し、翁が第一印象を語り、それを受けてアキが説明して、といった感じで話をスムーズに行うことができた。ラジオ番組のような流れであり、アキには馴染のある話の進め方なので、本人も結構ノリノリで喋っていたようだ。

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今日(2021年12月19日)は全国的に冬日(最低気温がマイナスになる)でしたね。体調を崩されないよう、気を付けていきましょう。


<今後の予定>

12月22日(水) 第十四章の各勢力について

12月26日(日) 第十四章の登場人物

12月29日(水) 十五章開始、十四章纏め(人物、技術、勢力のページ順を整理)


<活動報告にて>

以下の雑記を書いてます。

・神田沙也加さん死去の話

・CG WORLD 2022年1月号のiDOLM@STERスターリットシーズンの記事の話

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