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12-21.神々との契約と波及効果(前編)

前回のあらすじ:竜神の神子(男性のいるので巫女⇒神子に)さん達ですが、このまま秋本番を迎えるのは不味いと思ったので、急遽、二週間程度の集中合宿コースで実力アップをして貰うことにしました。あと、漫画とかを見て、ポーカーフェイスな主人公とか格好いいなぁ、と思ってたんですけど、どうも僕には無理そうでちょっと残念です。(アキ視点)

竜神の神子さん達への短期集中合宿をする事が決まったけれど、それらの手配や教育の担当者は、これまでの各種勉強会に参加して、頭角を現している方々に分担して貰う事になって助かった。


教育をするにしても、知識や能力の異なる人達を纏めて指導するのでは、下に合わせる事になり効率が悪過ぎるからね。その辺りは、今後、神子を全国展開する為にも、初回メンバー達で問題点を徹底的に洗い出すつもりとの事。良い事だ。


で、そちらの対応は、ある意味オマケであって、本筋である、神々との契約について、ある程度、話が決まったので、関係者を集めて説明会を開くことになった。やっと決まったという感じだけど、イギリスのEU離脱も方針を決めた後も、色々と揉めてて予定通り行くか微妙な感じだったし、国と言う大きな組織ともなると、四日で基本的合意に至っただけでも凄い事なんだろうね。


説明会場は鬼族のお屋敷。鬼族の女衆とアイリーンさんを筆頭に女中人形達が手を組んで、軽食の提供などをするとの事。雲取様の分は同じメニューを保管庫に入れてわざわざ第二演習場に運ぶ気遣いをするそうだ。皆が飲食するのにずっとそれを見てるだけというのは辛いからね。まぁ、いちいち召喚を切る訳にもいかないから、会議が終わった後に、別途、食事の機会を設ける形にはなるそうだ。


と言う訳で、外出用のワンピを着て、馬車で移動開始。


「アキ様、体調に問題はありませんか?」


「はい。と言うか、体力を使うような話でしたっけ?」


「ヤスケ様の講義にみっちり付合うと思えば良いかと」


「うわ……それは体調も重要ですね。何か揉めるような話ってありました?」


「揉める話しかなかった、という方が正確でしょう。時間感覚、投入可能な国力、技術力に大きな隔たりがある中での調整です。揉めない訳がありません」


「そんな状態でしたか。会議ではニコラスさんが取り纏めをしてた感じですか?」


「その通りで、慎重な鬼族、とにかく作業を進めたがる子鬼族、全体の支援という視点から一歩下がって後から発言する街エルフ、技術的な分野で意見を述べるドワーフ、森エルフ、ある程度、話が纏まると別視点から意見を話す妖精族、そして、様々な施策で活動の要となる竜族が話をするという有様ですから、多種族の集まりを取り纏める経験を積まれてきたニコラス様がいなければ、もっと揉めた事でしょう」


おー、種族的な意味で調整役と思ってたけど、そこまで活躍してくれるとは思ってなかった。


「それは良いですね。ニコラス様の立場もそれなら安定していくでしょう。他の皆さんではニコラス様の立ち位置は代われないでしょうから。その活躍ぶりを見たら、人類連合の二大国も尊重せざるを得ないでしょうね」


「そうなるでしょう。二大国が切り込むとしたら、人類連合の内政面での分担増でしょうか。他勢力との調整を担当される分、内政だけ専念していた歴代大統領程には仕事を担えません」


「ん、それならニコラスさんは喜んで仕事を回しそう。よく言い出してくれた、なんて褒め殺ししちゃったりして」


「その時は、財閥と共和国にも協力していただき、二大国の人材は根こそぎ活用しよう、なんて笑顔で話されてました」


手札が無いから燻ってたけど、制限が減ればここまで化けるかぁ。面白い。


「それで、依代はいつ頃創れそうです? あと、樹木の精霊(ドライアド)達に協力をお願いできる時期も知りたいです」


そう切り出すと、ケイティさんが苦笑しつつも教えてくれた。


「そう言われると思い、ベリルが全体の線表を作成しました。①「マコトくん」の依代作成、②妖精の道捜索、③「死の大地」浄化、④竜神の神子対応、です。説明会もその順番で話を進めて行きます」


ふむふむ。その話の流れだともしかして。


「かなり気を遣っていただいたようですね。初めにお礼をしておきます」


「そうされるのが良いでしょう。皆様、アキ様の注意が散漫にならないようにしようか、と話されてましたから」


手を抜くつもりはないけど、依代作成を後回しにされたら、気になって雑な対応をしないとも言い切れないし。


そんな話をしているうちに、鬼族の屋敷に到着した。雲取様もいるから、庭に大型幻影設備を置いて、庭に面した大広間を開け放って、空調の魔導具を街エルフが提供するなどして、一体感のある会場作りをしていたそうだ。


会場に行くと、皆さん、待ち侘びたぞ、なんて声を掛けながらも、穏やかな表情で迎えてくれた。


さて、気持ちを切り替えよう。

評価、ブックマークありがとうございました。執筆意欲が大幅にチャージされました。

アキがイギリスのEU離脱が揉めててうまく行くか微妙だ、と言っているのは最後の地球あちら側の知識が召喚された2017年7月25日までのためです。まぁ、まさか2020年の年末ぎりぎりまで揉め続けるとは当時は思えませんでしたね。

もっとも、国家同士の調整、合意までの紆余曲折があって、これくらい粘るもの、その中で手腕を発揮し、成果を勝ち取るもの、と考えると、日本人のせっかちな感性と合わないのも頷けるところでしょう。

ニコラスも手札が増えて、活躍できる場を得たことで実力を発揮できるようになりました。きっと、人類連合の所属国の人々も、彼がここまでの手腕を示すとは思ってなかったことでしょう。三大勢力の中で存在感が増すのは嬉しいけれど、ニコラスが力を持つことには苦々しい視線を向けている方々もいるでしょう。

次の投稿は二月七日(日)二十一時五分です。


<雑記>

ひたすら引っ越しのための荷物整理をしていて、段ボール箱も合計50箱に。

衣装ケースが他に12、他にも中身がやっと空になった家具類。

……疲れました。もっと荷物を減らさないといけませんね。

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『彼女を助けようと異世界に来たのに、彼女がいないってどーいうこと!?』を読んでいただきありがとうございます。
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