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11-6.未来を想像する技能(前編)

前話のあらすじ:研究組も含めて、選りすぐりの精鋭達が集ったこともあって、福慈様への説明に向けた話し合いもかなり盛り上がりました。……ただ、人族より無理の効く種族が多いこともあって、参加者の心身がかなり疲弊するまで、話し合いを続けてしまうミスがありました。そのため、急遽、三日間お休みをいただいてのんびりできました。

次の日は、大使館領の中の小道を、冬季戦用のフル装備を背負って、あちこち歩き回る散歩を兼ねた訓練があり、テンポを崩さず姿勢良く歩くことの大切さを学ぶ事ができた。安全な領内、しかも護衛人形の皆さんとジョージさんも同行しているという事もあって、トラ吉さんは別邸の窓から見送ってくれた。寒空の中、出掛けるなんてなんて物好きな、って言いたげな顔をしてた。


冬の森は雪が積もってなくても、木々は葉を落としているものも多く、やはり、寂しげな雰囲気だ。空から照らす陽の光も弱々しくて、風も冷たい。……まぁ、防竜林のお陰で、歩いている人の高さだとかなり風は弱まってるんだけどね。高い位置の枝は結構揺れているから。


以前見た角栗鼠さんも見かけたけど、埋めておいた団栗を掘り出して食べるのに忙しそうだった。冬眠はしない種なんだね。


冬の戦い方もジョージさんに教えて貰った。足場が悪く、体も寒さで動きが悪くなるので、少ない体捌きで仕留めるのがセオリーなのだと。逆に僕の場合なら、正面から受けず、重心が崩れないよう距離を取って時間を稼ぐ、という事。僕に求められるのは、護衛の皆さんが来るまで生き延びることだからね。それでも、枯れ葉が積もってるだけでも滑りやすく、泥濘んでいれば足を取られやすい。立木があれば、利用する事で相手の手を縛る事もできる。そもそも立木を剣で切り倒すなどと言う真似は隠し芸ならともかく、実用的な話ではないそうだ。


なお、相手が鬼族なら自分より太い立派な木でも、無いよりマシ程度に思え、というレベルなんだそうで。相手の武装が鉄杖なら大木を薙ぎ払うのは鬼族でも大変、ただ、得物が大剣ならバターの様に斬り倒してくる……らしい。


それなら小鬼族ならどうかと言えば、彼らは多少の足場の悪さは全く苦とせず、滑るように走り込んでくるそうで、とにかく中心線を意識して武器を振るい、相手に受けさせて、体格差を利用して近づけるな、って言われた。倒そうなどと色気を出さず、何時間でも打ち合うつもりでいけ、と。


なんと、小鬼人形のタローさんや、鬼人形さんまで付き合ってくれて、色々と実技で教えてくれた。おかげでよくわかった。鬼族相手ならとにかく武器の届かない距離まで逃げるか、話し掛けて時間を稼ぐくらいしか取れる手段がなく、小鬼族だと、空振りした瞬間、あの世行きだと。


そして、相手の姿勢から、重心がどこにあるか見極める事の大切さもわかった。鬼族だと多少、重心が崩れて手だけで武器を振り回しても必殺の威力があるし、小鬼族とて、半端な振り方をしたこちらの武器を弾いて姿勢を崩すくらい簡単な事だって事。


全身泥塗れになってあちこち筋肉痛で酷い目に遭った。


因みに訓練の最中、お爺ちゃんはギリギリまで手を出さないよう、上手く立ち回ってくれた。もし、僕が襲われるような事態になったなら、妖精族お得意の投槍で牽制するから安心するように、と話してくれた。


その投槍は竜の鱗すら貫通するのだから、心強い。……ただ、お爺ちゃんが全力で護るような訓練はできないそうだ。発射した瞬間に命中ではあるけど、防御不能の圧倒的な貫通力があるから、事故が怖過ぎるのだと。


セイケンにも聞いてみたけど、投槍が創造された際の向きから射線を予測しても回避は至難、更に回避で動き出したところを追撃されれば、お終いだと。まぁ、障壁を展開しても貫通されるんじゃ、やってられないだろう。

被弾覚悟で突っ込むんじゃ、それこそ訓練にならないし。





お休みの三日目は、エリーと一緒に、魔術で水を沸騰させたり、凍りつかせたりと、温度変化を色々試した。勿論、とっても危険だから、師匠とお爺ちゃんに見守って貰う万全の態勢だ。


氷を沸騰させた時がかなり危なくて、高温の水蒸気と吹き飛んだ氷の破片が四方に散って、耐弾障壁が発動して氷の破片を防ぎ、水蒸気の方は予め容器を囲うように配置してあった魔導具が障壁を展開してくれて、噴出した高温水蒸気を上方に逃してくれた。


少しずつ温めて溶かすんじゃなく、僕の場合、加減が効かないから、氷から水を経ず、一瞬で沸騰状態に変化したせいで、爆発的に体積が増えたらしい。


水蒸気が上方に吹き上げて、派手な爆発音がして、少し騒ぎになる程だった。


氷にする方は、水でもお湯でも熱湯でも、一瞬で氷にできたから簡単だった。


問題は温める方で、対象の氷や水に直接働きかけるのは悪手で、なかなか思った温度になってくれなかった。沸騰させるのは簡単なんだけど、その度に障壁のお世話になり、この方法は危な過ぎるので禁止に。


そこで絞った熱風を送り込んで溶かして温めるようにしてみたら、こちらはイメージがし易くて、狙った温度のお湯も作れるようになった。……なったんだけど、師匠もエリーも、呆れた顔をしていた。


「エリーはアキの真似はするんじゃないよ。こんな方法は魔力の残量を気にせず使えるアキだからこそできる力技なんだからね」


「わかってます。熱風を送り続ける間、ずっと魔力を注ぎ続けるなんて、私では一分と持ちません」


むむ、工夫して目的を達成したのに不評だ。

まぁ、桶の水を温めるためにドライヤーで温風を当てるような非効率さではあるけど。


「望んだ結果を実現するのが古典魔術なんだ。沸騰させるか凍りつかせるかどっちかだけなんてのは、落第点なんだよ。とは言え、モノを飛ばすのと違って数をこなしても成果が見えないから、水を温める術式は当面中止だ」


師匠からも念押しされたし、そうでなくても沸騰してる湯なんて怖過ぎるから、そんな術式を使わないで済むならその方がいい。


そんな感じで、三日間は研究と関係ない事を色々やって、頭を休める事に専念した。頭も使ってはいたけれど、使う方向性が違っていたから、疲れもだいぶ癒されたと思う。他の皆も、研究からは敢えて離れていた事で、精神的に回復できたらしい。


休み明けに集まったメンバーの顔つきを見たら、休暇を取って良かったとすぐ思ったくらいだったから。それくらい、休み前の僕達は疲れが表情に出てた。





屋外に竜族の皆さんも含めて欠員なしで揃った。今日は気力、体力も充実している感じだから、質の良い話し合いができると思う。


「それでは、皆で意見交換していきましょう。竜族に導入する施策はこれまでに話し合った通りですが、これからは、それらが予定通りできるようになって、導入し始めるとどうなるか、導入の順番があるのか、何かを実施してその結果を見てから次に移るべきなのか、同時が良いのか、というように、施策同士の相互に与える影響について思い付く限りの意見を出し合う事になります。ルールは四つ。①判断や結論を出さない、②自由奔放なアイデアを尊重する、③質より量を重視する、④アイデアを結合して発展させる、です。①は他人の意見を否定しない事、②は突飛な意見でも否定からではなく肯定から捉える事、③は多角的に検討する事を重視、④は出たアイデアの組み合わせを思いついたら話そう、ってことです。忘れがちなので、これらは皆の見える位置のホワイトボードに出しておきましょう」


ベリルさんが四項目を見やすく書いてくれた。全員もそれを見て、これからのルールは理解してくれたようだ。


「まぁ、習うより慣れよ、ともいいますからね。取っ掛かりと言う事で、先ずは「竜族が誰でも小型召喚で団体戦を楽しめるようになる」からにしてみましょうか。僕からの意見は、「竜族に暦が普及する」です」


この後、いくらでも意見が出てくるのと、位置変更などがどんどん起こる事を見越して、ベリルさんが手元の付箋紙に書いて、ボードの近い位置に貼り付けた。それを拡大投影して、皆にも見えやすいようにして貰った。


「アキ、それは一度に小型召喚できる頭数には限りがある、だから、順番待ちが発生する、一週間後、一ヶ月後というように互いが同じ暦を使わないと予定を合わせる事ができないって事よね。それなら、追加で、時刻の考えも普及するわね。小型召喚を午前三回、午後三回とか分けるなら、秒の単位は不要だけど、時分あたりは把握しておかないと揃って参加できないわ」


エリーが早速、派生した意見を話してくれた。いいね。


「なら、時を知るのに日時計という訳にもいかんだろう。竜族向けの時計が普及するな」


ヨーゲルさんも続いてくれた。


さて、竜族はどうかな?


<ふむ、時計か。知ってはいるが、具体的にイメージしたい。用意できるだろうか?>


雲取様からのリクエストだ。女中人形の一人が別邸の中から、すぐに壁掛け時計を持って来てくれた。


お盆くらいの直径で薄型、事務的な感じのシンプルなデザインだ。僕が歩くエリアでは見た事が無いから、スタッフエリアの方で使われているんだろう。


雌竜達も含めて机の上に置かれた壁掛け時計を見ていたけど、どうも評価は芳しくない。


<精巧な道具だが、私達の巣には置き場がない。時刻を必要な時に確認するのだから、外に置かねば意味がない。風雨に耐える作りにしても、体がぶつからないよう気を使うのは面倒だ>


紅竜さんが自分の巣に置く事をイメージしながら話してくれた。


「竜族にとって、巣は人族のベッド、リラックスして休む場所という事をですね」


<その通り。だから、卵や幼竜ならまだしも、それ以外に気を使うモノは置きたくない>


なるほど。あれ?


「それだと、以前、大きな写真を持ち帰ってましたけど、収納箱も含めてどこに置いてるんです?」


<高めの位置に穴を穿って、雨風が当たらぬ奥に置いてある。ただ、時計をそのようにしては時刻の確認に不便だ>


不用意に踏み潰したりしないようにするのも大変だね。それに室内という考えも無いから、魔導具でなくとも、普通の本やノート、筆記用具なども置き場に困るだろう。


「小型召喚は、多数対多数の集団戦を想定していて、その結果を瓦版で周知しようと考えている。だが、そうなると、中心的な竜に定期的に瓦版を届けるにしても、以前の瓦版を見たくもなるだろうね。劣化を防ぎ、置き場を広げないなら空間鞄となるが、竜族の魔力に耐えられる魔導具、それに彼らに使いやすい形状、サイズとなるとかなり難度が上がる。それくらいなら、それぞれの竜のところに魔導人形を派遣してそれらを扱わせた方が良いんじゃないかな」


リア姉が派生した運用に踏み込んでくれた。いいね。ん、竜達が表情を曇らせた。


<私達、若い世代はともかく、成竜や老竜になると、魔導人形を巣に近寄らせる事に忌避感を持つ者が多い。事故は避けたい>


紫竜さんがそう教えてくれた。福慈様も街エルフや魔導人形を目にしたら、反射的に熱線の術式で焼き消そうとしちゃいそうな事を言ってたし、無理強いは良く無いね。


小鬼の研究者達も、街エルフの人形遣いと天空竜達の永年の血で血を洗う凄惨な歴史は学んでいるようで、当たり前のように歴史的な話が出てくる事に驚いてる。


京都の人達が「以前の戦で〜」と話して、よく聞いてみると、その戦が応仁の乱だったりして、感覚の差に驚くのと似たようなモノかな。


「そもそも巣の近くなら、他の種族だろうと、伴侶以外の竜だろうと、近寄らせないんじゃないかい? それよりは瓦版は皆で眺めるもんだ。なら、集会の場に保管する箱を用意すればいい。個人所有じゃなく、群れの所有として、代表がそれを扱う事にすればいいさ」


師匠が落とし所を話した。ん、ある程度、意見が出るまでは様子見に徹してくれるのはありがたい。


<その意見は良いと思う。巣の周りは大勢が集まるのには不向きだ。それよりは集まる広場近く、間違って踏んだりしない、少し離れた高いところに置けば安心だ>


金竜さんは文字の普及を担当しているだけあって、運用イメージまですぐ思い描いたみたいだね。


「その運用なら、群れの代表には、遠隔操作の術式で瓦版などを扱う技量や、魔導具をしっかり管理する几帳面さ、読み書きできる知性が求められていくだろう。或いは瓦版に書かれた内容を皆にわかりやすく話せる聡明さに重きを置かれるかもしれない。群れの在り方にも変化が生まれると思う」


セイケンが竜の社会への影響に踏み込んでくれた。いいね。


「群れによってスムーズに導入が進み、変化を楽しめるところと、面倒事が増えたと感じて導入が遅れていくところのように差が開いていくのは避けられません。そして、あまりに差が開けば、他の群れに移るなり、代表を変えようとするなり、社会に統廃合とそれにともなう軋轢が生じます」


ほぉ。ガイウスさんの話し振りはかなり生々しさが感じられる。ユリウス様の元で皇帝への集権化が進んだと聞くし、小鬼族の中でも色々と社会を荒波が襲ったようだ。


雲取様も、彼の話が実体験に基づくモノと感じたらしい。


<ガイウス、小鬼族が経験した事を話してくれ。竜族は群れに属する者の数に違いはあれど、どの群も本質的には変わらない。だから安定していた。我々は社会を変えるとしても次も安定したものでなければならん>


雲取様に促されて、ガイウスさんは小鬼帝国の内情を丁寧に説明してくれた。ユリウス様の中央集権化は各地の領主達の反発を招いたらしい。実際、幾つかの国が謀反を起こしたものの、全てを短期間の野戦で撃破し、その勢力を吸収した事で歯向かう者は居なくなったそうだ。本人達は秘密裏に準備を進めて決起したつもりでも、実際はユリウス様によって、決起させられた、といった有様だったそうだ。他国と連携する前に驚異的に速さで軍を派遣して浮き足立った相手を蹂躙し、しかも、ユリウス様の直属軍の被害は常に軽微だったって。凄いなー。


「常勝無敗なんて流石、ユリウス様ですね」


僕は手放しで褒めたけど、雲取様は当てが外れたと残念そう。


<残念だが、我らが参考にすべき話ではないな。意見が合わぬからと、我らが容易に争いを選んでいたら、弧状列島全体が灰と化してしまう。それではダメだ>


まぁ、そうだよね。でも、最後だけ注目しては勿体ない。


「雲取様、相手を叩き潰しているのは結果であって、そこに至るまでの過程はとても参考になると思いますよ?」


<そうか?>


「相手の置かれた状況や考えを把握して、こちらが望むタイミングで、望んだように動いて貰う。そのように相手を誘導し、自らが選んだと思わせながら、その実、こちらの希望した末路に追い込む、その手法は見事です」


本当の情報に少しの嘘と、確認しようがない話を混ぜて、思考をそれとなく誘導するのがコツです、と話すと、何故かドン引きされた。


あれぇ?


「えっと、将を射んと欲すれば先ず馬を射よ、とも言うように、例えば、変化に興味の薄い老竜がいたとして、その老竜が可愛がってる幼竜がいたなら、幼竜に変化を体験して貰ってそれが楽しいと吹聴して貰い、老竜の心を動かす、とか、そんな感じですよ。群の中で誰が要で、互いの関係や好みとかが判れば、攻略の糸口を掴むこともできるでしょう」


相手を丸裸にするように情報を手に入れて、できるだけ小さい働きかけで、ターゲットを動かせれば、最上ですって説明したんだけど、何故か、更にドン引きされた。


あれれ?


僕が竜達の反応に悩んでいると、師匠が苦笑しながらも答えを教えてくれた。


「竜達の間柄や性格、好き嫌いなんて話に詳しい、アキがベタ褒めしてるユリウス帝のように、望んだ状況になるよう、竜達に働き掛けられる人物がいる事に気付いたからさ」


ざっと皆を眺めてみると、視線が僕に集まってる事に気付いた。あー、なるほど、言いたい事はわかった。


「まぁ、それはコインの裏表みたいなモノですからね。ちょっと寂しい気もしますが、相手が誰であろうと情報を鵜呑みにせず、深く考える癖はつけるようにして貰えるといいですね」


少しオーバーに、身振りを加えて寂しい、でも嬉しい、と話して竜の皆さんを見た。


雲取様は以前も話した事だから、あぁ、それかって感じだけど、雌竜達は少し困惑気味かな。


あぁ、小鬼族の研究者達は、僕の考えを始めて聞いたからか、驚いてるようだ。竜族の巫女、そう呼ばれているから、もっと竜族を崇めて寄り添うイメージでも持ってたのかもしれない。


「今後、巫女の数も増えて、地の種族との交流も増えていけば、あちこちから矛盾するような話を聞くかもしれません。良い事と思っても、立ち位置が違えば、酷い事だったりもします。寿命の短い種族だと、世代が変わると約束も反故されたりもするでしょう。ですから、相手の話を聞いて、何か変だ、と感じたら、その感覚は大切にして下さい。すぐに原因を思い付かなくても、それは大切な気付きに繋がるかもしれませんから」


これは大切と、言葉に想いを込めて、そっと話し掛けるように。


そんな風に竜の皆さんに伝えたら、しっかり耳を傾けてくれたんだけど、場が静かになり過ぎてしまった。


タイミングを計って、手をパチンと打ち鳴らして、皆の注意を集める。


「少し、話が横道にズレちゃいましたね。なので、話を戻しましょう。集団戦の結果を伝える瓦版ですけど、写真に文を添えて、楽しく話が伝わるのは良いのですが、その写真や文には必ず作成者の意図が入る点は要注意です」


例として、同じ写真でも、褒める文面と、問題点を指摘する文面では受ける印象が変わる、という話をした。また、文面は同じでも写真が違えば印象も変わるとも。


おまけで、地球(あちら)では、政治的宣伝(プロパガンダ)の天才でヨーゼフ・ゲッベルスという人がいましたが、嘘をつかず大衆に理解しやすいようプレゼンテーションを行い、人々を熱狂させたんですよね、とエピソードも話すと、ケイティさんが眉を顰めた。


「アキ様、確か、民主主義国家において、民衆から熱狂的に支持されて独裁政権が成立させる力となり、宣伝相となった後は、報道を統制し、一億の民を統一された思想に染め上げて、国が総力を上げて世界と戦うのを支え、国が滅びると自害された方では?」


おや。


「よくご存じですね。宣伝の為に模範的な家庭を演じながらも、様々な女優と懇ろになって、総統に関係を清算されたり、最後は六人の子供や妻と共に総統の後を追って自害したり、個人的には好きになれない人物ですけど、彼の生み出した宣伝技法は今日でも通用する程であり、その技量は評価すべきでしょう」


補足として、地球(あちら)では、宣伝では文字の形や大きさ、色や間隔、紙の材質や光沢に至るまで配慮して、狙った効果を最大限に発揮する学問まであって、それらを学べる専門の大学とかもあるんですよ、と話した。


金竜さんに、そんな訳なので、文字や書物の普及の際にはそれらも気を付けないといけませんね、と伝えると、表情を痙攣らせながらも頷いてくれた。

ブックマークありがとうございました。執筆意欲がチャージされました。

三日間の休暇をとったことで、気力が充実した状態で、話し合いを再開することができました。また、間を開けたことで、情報を整理する時間も取れたことでしょう。そんな訳で始まった施策同士の連携や影響の検討会。

アイデア出しということで、否定から入らず、まず肯定的に聞き、そして自由に発言をする、というブレインストーミング開始です。

話していくとアイデアも出てくるけど、竜族側の制限もちらほら出てくる感じですね。ただ、それらを地の種族は知らないので、情報が出てくることで、竜族達の暮らしや社会を明確にイメージできるようになっていくことでしょう。

次回の投稿は、九月二十七日(日)二十一時五分です。

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