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9-24.価値観の相違(前編)

前話のあらすじ:「変化の術」を用いた社会構造変更の提案は、魔力量故に住む場所の狭さに困る鬼族や竜族の状況改善を齎すもの、と考えてましたが、他の種族も貪欲に飛びついてくる話であり、特に小さくても竜相手に平然と立ち向かえる妖精族すら強い興味を示したのは、アキにも想定外でした。

<例の年老いた街エルフ達が来て、各勢力の長と話し合っておるのか。ならば期間が伸びるというのも仕方ないことよ。地の者達は移動にとても時間がかかる。遠路遥々来た者達の間で話が弾むのは当然だろう>


金竜さんは、僕の様子を竜眼でじっくり観察して問題なさそうとわかるまで、とても心配そうで申し訳ないくらいだった。


問題なさげと判断されたけど、上の世代は怖いから、心話はよくよく注意するように、と念押しされた。嬉しい心遣いだ。


そして、期間延長の件だけど、あっさり了承された。そもそも竜族の感覚からすれば、数日伸びるのは、少し話が長くなったかなというレベルらしい。移動速度は空軍仕様でも、時間感覚は鶴亀レベルと。


そうなると、彼らが僕に合わせて話をしてくれているのは、内心、せっかちだなーとか考えている可能性大。要注意だ。


「こうして皆さんとお話しする機会が増えたのは嬉しい事ですね。勿論、用事がなくても今後もこうした機会を持てればいいと思ってます」


<そうよな。ただ、役目が終われば、順番待ちの列に並ばなくてはなくてはならないのが残念だ。上の世代が自分達も話をしてみたいと煩くて叶わぬ>


などと言いながら、アイリーンさん特性の特大パウンドケーキを口に含んで、締まりのない笑みを浮かべたりしてる。


うん、うん、こういう表情とか見たら、怖さが先行してる竜族のイメージも改善していくんじゃないかな。


「アイリーンさんのレシピを公開する方向で調整中です。遠隔地で食す機会を得るのが難しい方にも、収穫祭の時などに縁があれば口にする事もできるようになるでしょう」


その話を聞いて、金竜さんは安堵の表情を浮かべた。


<それは朗報だ。心話も確かに上の世代の感心を惹いているが、アイリーン殿の作る菓子を是非食べたいと話す方々が多くてな。ロングヒルまで飛んでこれない遠隔地の者達が、途中にある巣で休ませてくれ、などと交渉などしておって、物議を醸しておるのだ。人族の旅行に相当する行動だが、我らにはそんな習慣はなかっただけに、相談された方も困っていてな>


広い縄張りを確保して離れて定住するのが基本の竜族なのに、いくつもの縄張りを超えて、遠出がしたい、休む場所を貸してくれ、などと言われても確かに困ると思う。何せ、物を作り利用する習慣もない。手首に付ける鞄の容量は人からすれば大きくても、竜族からすれば、ビスケット一枚入る程度。

獲物を土産になどと言っても、大荷物を抱えて遠出は厳しいだろう。だいたい長持ちさせる為の一手間をかける技術も持たない筈。


「竜族の暮らし方と、旅行は合わないですよねぇ。それに冬を越す為の巣篭もり準備とか、食べ物の備蓄とかもないから、急に訪問されても困りますよね」


せいぜい、縄張りの中に滞在する事を許可すると言うのが、竜族なりの気の使い方だろう。それでも結構な譲歩をしているし、普通はそれで感謝もされる。これまではそれで良かったんだけど。


<上の世代も旅行をしたい訳ではないから、自分の縄張りで食せるなら満足するだろう。ただ、縁があれば、だったか。具体的にはどうすれば良いと思う?我らは一部の変わり者を除いて、人族とは不干渉を貫いてきた。それだけに接し方が判らぬ>


金竜さんはとても品の良い質問をしてきた。


「先ずはそのように僕達に合わせた視点で考えていただける事に感謝します。そうですね、皆さんはよく空を飛んでいるので、地崩れ、洪水といった災害の起こりを見かける事があるかもしれません。例えば川が堰き止められてしまえば、水がどんどん溜まっていき、限界を超えると堰き止めていた土手が崩れて、下流を鉄砲水が襲い、甚大な被害を齎す事になります。もし、飛んでいて、異変に気付いて、下流の人々に上流で起きている変化を伝えて貰えると大変助かります。普段と違う事があって問題になりそうならそれを伝える、そうした縁があれば、人々は竜族がいてくれるおかげで、天災にも抗えると考えて、一年無事に過ごせれば、これも竜族のおかげと、感謝の印として、実りの一部を皆さんに奉納するようになると思います」


僕の話を聞いて金竜さんが疑問を口にした。


「その程度は容易い事だが、そんな事態はそうそう起きまい」


「起きなければそれでいいんです。十年、二十年、場合によっては五十年、百年と昔の話でも、天空竜が悠然と空を飛び、昔、人々を襲う災害を知らせてくれたおかげで生き延びる事ができたなら、それを感謝し、子や孫にその出来事を伝えて、竜族の皆さんと仲良くして、伝えてくれた事に感謝する伝統も生まれます」


僕は地球あちらの例をいくつかあげて、人の人生は短くとも、代々、出来事を語り継ぎ、大切にしていく文化がある事を伝えた。


<ふむ。それは契約ではなく、信頼し合う緩やかな繋がりに思える。人と竜はそれくらいの距離感が妥当か>


人のようにあまり密では、竜族も息が詰まる。年一回くらいの方が気が楽かもしれない。


「年一回くらいから始めるのが良いと思います。実りの秋であれば、節目としても丁度良いでしょうから。契約ではありません。別に見回ったり、連絡する義務がある訳でもありません。何か変化を見つけて、教えてやろうと思ったら伝えてあげる、それくらいでいいと思いますよ」


僕の提案を金竜さんは暫く考えていたが、結論が出たようで、ちょっと表情も明るくなった。


<その程度なら、若い竜が担うのが妥当だろう。竜は年を重ねるほど、飛ぶ頻度が減るのだから、あまり飛ばない竜では、変化にも気付きにくいというものだ>


何かやって感謝されてお礼も貰える、それは若い竜にとっては魅力的なようだね。金竜さんの思念波からも、隠しきれない期待と嬉しさが滲み出てる。


「竜族の階層秩序(ヒエラルキー)と真逆ですからね。魔力が少なくて、よく飛び回る若い竜ほど交流の可能性が増える、これはストレスが多い下積み世代には朗報でしょう。レシピと人族からの軽い提案については、各地で準備ができたらお伝えしますね」


<楽しみにしてるぞ>


嬉しさに尻尾が動くのを、意識して止めてるのが伝わってきた。子供っぽい仕草だからやらない、そんな強く意識しているのがわかる。


背伸びしてるね。可愛いなー。


「ただ、そうなると、こちらに来ている皆さんと同様、魔力を抑え、フワリと降り立つ品の良い振る舞いも心掛けて貰った方がいいと思います。第一印象は大切ですから」


普通の人族は、僕や妖精さん達と違って強い魔力に耐性がないですから、とも補足した。


僕達との初めての出会いを思い出して、金竜さんは、ちょっと目を逸らした。


<その点は、レシピや収穫祭、そして気付いた事を伝える際の注意、それと魔力に対する鈍さを持つ者の選別と共に、準備ができたとの連絡を伝える際に注意して申し渡すようにしよう>


それはありがたい。だけど、ちょっと気になる事が一つ。


「ところで、文字を紋章的な使い方しかしてないとなると、伝言リレーで話が変遷しないか気になります」


「伝言リレーとな?」


僕は地球あちらでの伝言リレーゲームの概要を説明して、当初の話が最後には似ても似つかぬ内容に化けてしまう様を話した。


「こちらに来ている雌竜の皆さんは、個人的に会う事もあるのですよね? それなら伝言ゲームをやってみませんか?」


娯楽ですよ、と遊びである点をアピールしておく。


<ふむ、いいだろう。それで伝言は何とする?>


ん、乗ってきてくれた。僕はメモ用紙を取り出して、お爺ちゃん、金竜さんと相談しながら、先程話していた各地の竜族と人族の緩やかな繋がりの提案について、箇条書きにした内容を決めてみた。


「この伝言は必ず翌日に伝える事にしましょう。そして最後の方が僕に最後の伝言を伝え、それを文にして、最初の内容と見比べてみるんです。面白そうでしょう?」


<そう変わらぬと思うがな>


おー、結構余裕ありだね。まぁ、個体能力が高いから、できると思うんだろうね、きっと。


さて、七日後が楽しみだ。これまで緩い繋がりで生きてきた竜族に、写真記憶のような技があるとも思えないし、頭の賢さと正確な記憶力は正比例もしないからね。





そんな風に、竜族に知識を文書で残す事の大切さに繋がる娯楽の話をメインに金竜さんとの雑談も穏やかに終わる事ができた。


さーて、次は変化の術の方の話か。


帰りの馬車でケイティさんから渡された昨日の纏め資料にざっと目を通してみる。


各勢力が頭を悩ましているのは、研究者の投入と情報封鎖、その範囲と期間をどうするのか、いつ国民に周知するのか、といったところかな。


竜族に伝える件も、誰に伝えるか、どの範囲まで話を広げるか、あたりが問題と。


そもそも伝えるか否か、という話は揉めた形跡がない。なんでかな。


「ケイティさん、そもそも竜族に変化の術を伝えるか、あたりで揉めると思ってたんですけど、すんなり決まったみたいですね」


「竜族に伝えても、そこから更に情報が漏れる心配がない事、竜族の強さからして頭数が増えたからとて、こちらの対応が変わる訳ではない事、竜族が物作りや文書の運用を始めれば、物の流れの歪さを正す事に繋がる事、竜族の竜眼による分析が変化の術の改良には欠かせない事、それらを勘案し、伝えることについては合意が得られました」


「竜が物を欲しがっても、彼らが出せる対価が少ないアンバランスさは何とかしたかったですからね。金竜さんに伝言ゲームを試して貰える事になったので、結果を見れば彼らも情報を文字で残し伝える大切さを理解してくれる事でしょう」


僕がそれは良かった、と安堵の気持ちを伝えると、ケイティさんは少し表情を曇らせた。


「どうしました?」


「我々は竜族の実態をまだ把握できていません。我々が接触している天空竜達は、理性的で人の文化に理解を示し、知性も高い方々です。我々は彼らを竜族の平均的な姿と想定してましたが、それは適切ではないかもしれません」


あー。鬼族の女傑ライキさんとか、セイケンとかを見て、それが鬼族の普通と思うなと何度も言われたっけ。


確かにトウセイさんはかなり庶民的で戦士としてみたら、人族の三人分くらいがせいぜいと思える。


となると……


「例えば、雌竜の七柱はいずれも育ちの良いお嬢さんって感じ、雲取様も紳士的で心身共に優れた好青年、まぁ、福慈様は例外としても、確かにサンプルがかなり偏っていそうな気がしてきました」


雲取様の事を、竜族の役職的な視点でいえば、単なる村人と称した事もあったけど、雲取様ほどでないにせよ、どの子も魔力の抑え方や飛び方も会うたびに洗練されてきてるし、皆がそれだけ器用で賢いと考えるのは危険な気がする。


だいたい、雲取様だって福慈様を祖母のように敬愛してる感じだけど、あの若さで自分の縄張り持ちでもあるし、血筋も育ちも良さそう。


んー、サンプルに偏りがあるかもしれないと、ユリウス様にも見解は話したけど、どこかで、他の竜達も程度の差はあれ、理性的で高い知性と紳士、淑女的な振る舞いができるに違いない、と考えていたかな。


昔話に出てくるような粗暴な竜、身勝手な暴君ってパターンはもういないと安心してた。


だけど、人族との相互不干渉を守っているからといって、それが人基準での品行方正に繋がるとは限らない。


「変化の術と人の文化に触れる事は密接に絡んできます。竜族が高い知性を持つとしても、人の価値基準に沿うとは限りません。また、理解を示し、折り合いをつける柔軟性のある竜達もいれば、それを嫌う、あるいは上手く適合できない不器用な竜達も出てくるのは避けられないでしょう。竜同士の争いは避けなくてはなりません。その為にも、福慈様のような老竜達にも働きかける必要が出てくるでしょう」


そこは竜族の内政問題だからお任せで……と言いたいところだけど、彼らの影響力があり過ぎて、とても対岸の火事なんて言ってられないと思う。


「その話って、変化の術を導入するなら、どの種族でも関係してくる話ですよね。うーん、まだ大規模導入の目処は立ってませんし、そこまで考えなくてもよくありません?」


すごく面倒臭そうなので、先送りでもいいんじゃないか、と話を振ってみた。


けれど、ケイティさんは呆れた視線を向けて、深い溜息までついた。


「アキ様、面倒そうだからと、先送りにしようとするのは悪手です。そもそも、皆が、それを遠い未来と考えていません。そこに疑問をもたれているのはトウセイ様くらいでしょう。私達は既に知っているのです。妖精族の魔術、竜族の分析、街エルフの魔法陣と魔導人形技術、ドワーフ族の製造技術、そして、アキ様のマコト文書。それらを組み合わせた事による相互作用の成果、そのあまりに高い成果を我々は既に目にしているのです」


「えっと、例えば?」


「心話系の魔法陣の改良、緩和障壁の護符、召喚術式の改良などです。いずれも私達のこれまでの常識であれば、何年、下手をすれば何十年と膨大な時間、人、物を費やさなくては手が届かない成果なのです。アキ様もあちらの話で、数多くの失敗を繰り返しながら研究が花開くお話は数多くご存知でしょう?」


「そうですね。普通は研究は地味でなかなか成果が出なくて、とても苦労するものです」


研究者は常識を疑い、仮説を立てて、検証を行い、そんな成果の出ない日々を何十年と続けて、画期的な発明を行うものだ。


「ですが、アキ様がこちらにきてからの短い期間に我々は次々と新たな技術を生み出しました。街エルフには高魔力域の知識、経験がなく、妖精族には現代魔術の魔法陣制御に並ぶ技術がなく、竜族には高い分析能力はあってもそれで何か開発しようという意欲や目的がありませんでした。アキ様が彼らを繋いだ事で、互いに欠けた部分を補い、不得手な部分に引き摺られる事が無くなりました。それだけでなく、マコト文書の知も活用する事で、かなりの部分を予め想定した上で研究、開発できるようになったのです」


何か凄そう。んー、第三者意見も聞いてみよう。


「お爺ちゃんも同意見?」


「うむ。儂らは魔術は得意じゃが、魔術で大概何とかなるせいで、世界の(ことわり)に対する探究心はあまりなかった。それだけにこちらにきて、物とは何か、現象とは何かなどなど、多くの知見を得て目が覚めた思いなんじゃよ。それに竜眼の力にも驚いた。あちらにも竜はいるが、彼らと手を取り合うなどとは考えた事もなかった。つまりな、アキの繋ぐ力は、単独では手が届かない事にも容易に掴み取れる力を我らに与えたんじゃ」


組み合わせがそこまで伸びるとは思ってなかったね。


「そしてアキ様、その相互作用はまだ始まったばかりです。この先、どこまで伸びるか見当もつきません」


おー、なんかそう言われると、次元門開発も行けそうな気がしてきた!


ちょっと浮かれ気味になった僕を見て、ケイティさんは、良い事だけではない、と釘を刺してきた。


「アキ様、相互作用で確かにこれまで不可能とされてきた事も、今後、次々と可能になっていくでしょう。ですが、それを使う私達が、私達の社会が、それを使いこなせるよう同じ早さで成熟できるかと言えば、それは否定せざるを得ません。過ぎた技は人を腐らせ、驕らせ、強欲にします。我々は謙虚でなくてはなりません。代表の方々が危惧されているのは、そういう事なのです」


言われた事に該当する事例が地球あちらではゴロゴロしてる。地球あちらにある気候問題にせよ、食料問題にせよ、殆どの問題は軍事に費やす資金の一割も割り当てれば解決できる話だ。でも、それができない。


聡い個人は多いのに集団になると、だんだん個人では制御できない動きを見せ始める。国を超個体として見たなら、人類はやっと幼少期を脱しようという程度と思う。


「そうなると、皆さんが検討して持ち寄った話、摺り合わせるだけでも、かなり揉めそうですね。なんか憂鬱な気分になってきました」


そんな話をしている間に、馬車は別邸に到着した。さてさて、どんな話になってるんだか。





庭先を覗いてみると、何やら険悪なムードだ。火花が散るほどではないけど、和やかな雰囲気からは程遠い。


仕方ない、割って入ろう。


「ただいま戻りました。皆さん、難しい顔をされてますけど、何か折り合いがつかない話でもあったんでしょうか?」


僕は殊更落ち着いた声で、皆にとりあえず、一旦、意識を切り替えるよう、働きかけてみた。


席に座り、お茶を飲んで一息つく間に、ざっと観察してみたけど、なんとも温度差が激しいね。


ユリウス様は悠然と構えて余裕を見せているけど、後ろに控えている親衛隊長のルキウスさんの雰囲気からすると、レイゼン様が激しい反応を見せるような何かを打ち込んだってとこかな。


レイゼン様は少し気が立ってたようだけど、僕の様子を見て、少し体面を取り繕って気を鎮めてくれた。余程、冷静さを失わせるような何かがあった……のかな。


ニコラスさんはそんな状況でも、それを楽しんでいるような様子さえ感じられる。ん、少し評価を修正しよう。かなりの胆力がなければ、こんなテーブルで笑みを浮かべてなどいられない。


そして、街エルフの長老さん達はそんな様子を淡々と眺めていて、少し距離を置いている感じか。竜が絡まなければ淡白なのかもしれない。


シャーリスさん達もまた、興味深く皆の様子を観察している感じで、なんとも意地の悪い顔を見せてくれた。


なんてカオスっぷり。


そんな、状況把握に苦戦してる僕に、ニコラスさんが簡単に説明してくれた。


「ユリウス殿は変化の術を研究する専用のチームを作り、全ての種族で成果を共有すべしと主張されてね。レイゼン殿はまず鬼族の他の者で影響を確認し問題点を洗い出すべしとして、両者の意見が真っ向からぶつかっているんだよ」


ふむ。別にそう揉めそうには聞こえないけど。


「でも、それでレイゼン様の気が乱れるという事は、まだ、他に、驚くような主張があったんですよね?」


そう、レイゼン様に話を振ってみた。


「そうだ。ユリウスはな、研究に参加する全ての種族で同時に変化の術を試してみるべきだ、その方が開発ペースも上がる、などと主張してきたのだ。それも各種族とも五人、十人と試してみようなどとな」


そう話すレイゼン様は、忌々しいモノを見るような視線をユリウス様に向けた。


……成る程、これは根が深い問題だ。

ブックマークありがとうございます。執筆意欲がチャージされました。

竜族との緩い新たな関係の提案は、竜の階層秩序ヒエラルキーと真逆、若い竜ほど参加しやすいということで金竜の反応も上々でした。ここ三カ月ほどでの妖精族や竜族が参加したことによる新たな魔術開発も実は常識外のハイペースだったこともわかり、この分だと次元門構築のほうも理論が構築できない、という門前払いな状態からは進展しそうな気配です。ただ、前日は建設的な感じもした代表達の話し合いは不穏な雰囲気に。まぁ、すぐ合意できるほど互いをよく知り、仲がいいなら複数の勢力に分かれて争ったりはしてないので仕方ないステップでしょう。

次回の投稿は、三月二十五日(水)二十一時五分の予定です。


<雑記>

総合評価ポイントが1000ポイントを超えました。評価、ブックマークをしてくださっている皆さん、どうもありがとうございます。

「なろう」の作品検索で総合ポイントで下限値を指定する場合、次のように指定できます。(2020年03月22日現在)

 ※長期連載作品で、完結していない作品を対象とした検索例です。


1.未指定

  29万9247作品。

  このうち、長期連載停止中を除外すると、2万7590作品。


2.総合ポイント100pt以上

  3万1840作品。

  このうち、長期連載停止中を除外すると、7982作品。


3.総合ポイント1000pt以上

  9995作品。

  このうち、長期連載停止中を除外すると、3062作品。


という訳で、総合ポイント100pt台から、1000pt台に移ったことで、下限値を指定した検索をしている読者の目に留まる率は、かなり高まることが期待できるようになりました。

「長期連載停止中」の除外を指定した場合なら、7982→3062ですからね。この母数の変化はかなりのものがあるんじゃないでしょうか?

勿論、連載2年でやっとこの位置ですから、次の3000ptへの道は遠いとは思います。

「なろう」の場合、そもそも作品数が膨大過ぎて、読者の目に留まる、というスタートラインに立つこと自体が難しいですからね……。

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