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Stage1 ~宇佐見菫子と謎の転校生~

続きです。

分かりにくいと思いますが、作者自身語彙力がないもので混乱してます。

読んでてツッコみたくなる箇所や誰視点で語られているのか分からない箇所がいくつかありますが、温かい目でスルーしてやってください…。

(基本、視点は誰でもありません)

 その魔法使いを探すことにはしたものの、紫は少々乗り気ではなかった。

なぜなら、魔理沙やアリスとは違ってパチュリーのような生まれつきの魔法使いであり、しかも悪霊の力を借りて魔法を使うことを得意としている彼女は、妖怪にとって厄介な存在だからだ。

妖怪に嫌われている黒魔術師を探すことは、いくら紫でも躊躇いはあった。

しかし、このままでは幻想郷と外の世界のバランスを崩しかねない。

複雑な気持ちになりながらも紫は捜索を続けた。


Stage1 ~宇佐見菫子と謎の転校生~


 突如、東深見高校に転校してきた少女は不思議な雰囲気を醸し出していた。

 なんて名前だったかな…

東深見高校に通う宇佐見菫子は、菫子の前の席に座っている転校生の少女のことを考えながら退屈そうに午後の授業を聞いていた。

長かった授業が終わり、放課後は皆部活動に専念する。

菫子しかいない秘封倶楽部の部室に、菫子は早くも昼寝の用意をしていた。

いつもなら授業中に寝ているのだが、今日は転校生の少女のことばかり考えていたせいか眠れなかったのだ。

 この時間だと向こうは結構暗いのかな…

寝る準備が整い、さぁ寝ようと思った矢先、誰かが部室のドアをノックした。

菫子は寝るのを邪魔された苛立ちと、自分以外部員はいないというのにいったい誰が何の用で来たのだろうという警戒心を覚えながらドアを開けた。

「あの…相談があるんです…。」

軽い会釈をしてからそう告げたのは、あの転校生の少女だった。

菫子は戸惑いながらも少女を部室に入れて、話を聞くことにした。

「えと…宇佐見さんですよね?秘封倶楽部のことをクラスの人から聞いて相談にのってもらおうと…。」

少女は俯きながら小声でそう言った。

「どんな相談?あ、いや、その前に名前…なんだっけ?」

菫子は相手に緊張を解いてもらおうと軽く言った。

「あ…黒星亜鈴くろほしありんです…。」

亜鈴はまだ俯いたままだ。

菫子は、その名前にハッとした。

亜鈴…あれい、とも読める…星、スター…黒、クロ…!

「あなた、あの有名な魔法使い、アレイスター・クロウリーの子孫だったり!?」

つい大声を出してしまった菫子は、あ…そんなわけないよね、ごめん…と呟いた。

亜鈴は一瞬、何か思いついたような顔をしたがまたすぐに俯いた。

「で、どんな相談?」

「あの…最近、変な夢を見るんです。」

「変な夢?」

菫子はドキッとした。

「はい。その…知らない神社にいたり…。」

「…。」

冷や汗が流れる感覚がした。深秘異変の影響がこっちの世界にもあったのか…!?

菫子は不安になった。

「あの、何か分かりますか?秘封倶楽部の人はそういう話が好きだって聞いたもので…。」

「――っ、あ、あれじゃないかな、最近疲れてるとか。そういうときに悪夢とか見るもんだしさ!」

「…あぁ、なるほど…確かに疲れてるかもです…。」

亜鈴は少し納得した様子だった。

「転校してきたばっかりだから、いろいろ大変だもんね。明日は土日だから、ゆっくり休むといいよ。」

「そうですね、ありがとうございます…!」

亜鈴は顔を上げて微笑んだ。ちゃんと顔を見たのは初めてかもしれない。

菫子はホッとして亜鈴を見送った。

それにしてもあの雰囲気…そうだ、魔理沙みたいな感じだったなぁ、と思って時計を見ると、部活終了の時間になっていた。

菫子はちょっと残念な気もしたが、亜鈴とは仲良くなれそう、と嬉しく思った。

それに、亜鈴は知らない神社、としか言ってなかったし、そこが幻想郷とは限らない。

考えすぎたか…菫子は開き直り家に帰った。


 自宅に戻った亜鈴は、今日は菫子に言われた通り早めに寝ることにした。

だが、それでもあの夢を見なくなることはなかった。


 亜鈴が幻想郷の夢を見るようになった原因は、紫にある。

外の世界で無闇に姿を現すことは危険だ。

だから、夢の境界を操りつつ夢喰いの貘に力を借りて幻想郷を彼女の夢の中に映し出し、夢の中で姿を現すことにした。

本来、人物が特定できれば夢の中に潜り込み幻想郷に連れ戻すことは容易だが、どうやら記憶を失っているようなのだ。

記憶を失ったまま連れ戻すことは、自然と記憶を取り戻すことも可能かもしれないが、能力者という自覚がない生活だと外来人と同じ扱いになる。つまり妖怪に襲われてしまう危険性がある。それはあまりにも無慈悲だ、と紫なりの優しさとして記憶を取り戻すための時間を与えているのだ。

しかし、魔法が使えることを忘れてしまっている故、無意識に外の世界で魔法を使ってしまう恐れがある。

紫は慎重に事を進めた。

彼女の以前の面影が全く無かったというのは、記憶喪失になっていたからでもあるのだ。


 次の日、菫子は幻想郷にいた。

博麗神社では、いつものように霊夢と魔理沙が縁側で話をしていた。

「あら、いらっしゃい。ちょうど、あんたみたいな外来人の話をしてたのよ。」

外来人の少女だって!?

「その話、詳しく聞かせてください!」

菫子は少し声を荒げた。

「お、おう。先月、幻想郷から行方不明者が出たらしいんだ。」

「紫が幻想郷に連れ戻すために探してるって言ってたわ。」

「幻想郷の夢を見せて誘導するとかなんとか…。」

二人の話を聞き、紫は意外とそういう話を霊夢たちにするんだなぁと感心したが、菫子には心当たりがあった。

「それって私の深秘異変が原因だったり…?」

菫子は恐る恐る二人に尋ねた。

「まぁそうだろうな。」

「あんなに幻想郷の結界に穴を開けて出入りしてたんだもの…。」

霊夢は菫子の方をチラッと横目で睨み、お茶を飲んだ。

「私たちも実際見たことはないんだが…なんせ、普通夢を見るとしたら真夜中だし、現れるのも真夜中だもんなぁ。」

魔理沙は失笑しながらそう言った。

「それにその少女は黒魔術師らしいわ。でも記憶喪失だから連れ戻しにくいって…魔理沙みたいな子だろうからすぐ分かると思うんだけど。」

「私みたいな子?おまえ見たことあるのか?」

「いいえ、でもあんたと同じ魔法使いなら雰囲気とか似てるんじゃない?」

菫子は、霊夢の発言にハッとした。

魔理沙のような雰囲気で変な夢を見ると言っていたアレイスター・クロウリーに似た名前の少女、黒星亜鈴の顔が頭に浮かんだ。

もしや、亜鈴は幻想郷の住民…!?

「あの、その少女らしき人物と面識があるんですけど…」

菫子は少女らしき人物、亜鈴のことを二人に話した。

「なるほど、紫に伝えておくわ。一応あんたにも責任はあるんだし、協力してもらうほかないわね。」

「そうだな。紫も助かるだろうし。」

菫子は複雑な気持ちだった。

「……分かりました。」

それだけ言い残すと、菫子は目を覚ました。

もう昼前か…。

一度しか話したことのない少女に、勝手に仲良くなれそうと思ってしまった自分に反省した。

 ――私だって友達がほしい――。

菫子の心の声。

夢でまた出会えるかもしれないが、現実世界ではまた一人になってしまう。

分かってたはずなのに、なんであのとき霊夢や魔理沙に言ってしまったんだろう。

言わなければ友達になれたかもしれないのに。

そんなことを考えてしまう。

ダメだ、冷静になるんだ!そう自分に言い聞かせた。

気分が晴れないままだったが、好きなオカルト雑誌を読んで気分転換しようと思った。


 一方、夢の中にいる亜鈴は、あの謎の女性と話していた。

名前は八雲紫というらしい。

「記憶は取り戻せたかしら?」

紫は不気味な笑みを浮かべながら尋ねた。

「…なんの話ですか?」

亜鈴はその笑みにゾッとしながらそう答えた。

「記憶を取り戻す手がかりは此処よ。以前見たことあるでしょう?」

此処は真夜中の博麗神社。おぞましい咆哮が聞こえてくる。

「……いいえ…。」

亜鈴は早く目覚めてほしい一心で答えた。

「…そう。でも目を覚ます前に、もうひとつ記憶を取り戻すヒントをあげる。」

紫の目はまっすぐ亜鈴を見据えている。表情は捉えにくいが、威圧が恐ろしいほど伝わってくる。

「あなたは――此処、幻想郷に住んでいる魔法使いなのよ。また来るわ、それじゃあね。」

そう告げると紫は姿を消した。それと同時に亜鈴は目を覚ました。

 幻想郷?魔法使い?なによそれ。

でも、亜鈴自身最近の記憶がないことは分かってた。

幻想郷…あの夢で見ている場所は幻想郷って言うのか…。

その瞬間、菫子の言ったアレイスター・クロウリーの名前を思い出し、スマホでその名前を検索してみた。

 ―有名な『魔法使い』―

幻想郷、魔法使いという言葉が頭の中をグルグルまわっている。

 すると、急に亜鈴は微笑んで、

「そう、私は幻想郷の魔法使い。ついに、外の世界へ来ることに成功したのね…!」

と不気味に呟いた。

まだ続きます。

たくさんのキャラを出そうと思えば思うほど悩みまくりです。

とりあえず完結できるよう頑張ります。

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