カメラバズーカ?!
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&size(20){''バウーーンッ!!キュキュキューーーーンッ!!''};
街中を美しいスラロームを描きながら疾駆する青いJA11タイプの改造ジムニーには小野先生と毒舌羽田さんが乗っている。
いつも冷静な小野先生が運転を任され、助手席では羽田さんが何やらゴソゴソと『仕込み』をしている。
&size(20){''「それ何ですか?」''};
小野先生は運転しながら横目でチラリと羽田さんの手元を覗く。
「うん?厨房のを持って来ちゃいました!」
愉しそうに、両足で挟んだ10本ほどの小瓶を見せる。
「次のカーブを大きく曲がったら、その先の細い路地に入ってください。」
羽田さんに何か考えがあるようだった。
路地は車一台分ほどの幅しかなく、ロボットが追いついても荷台に乗るか、車の前に飛び越えて来るかしかないのだった。
ロボットは瞬時に2列に並びながらドンドン距離を詰めてきた。
「よし、そろそろ行くか!」
そう言うとバブル期の遺産とでも言うべき『後付けサンルーフ』を開け、上半身を乗り出すと後方のロボットに向って怒鳴り始めた。
「てめぇ~ら、人間様をなめてんじゃねぇぞ~~っ!!これでも食らえや!!」
そう言うと次々と例の小瓶をロボット目掛けて投げ始めた。
小野先生はサイドミラーで後方の状況を確認しながら先を急ぐ。
「中華の力を思い知りやがれ!!」
車中に胡麻油の匂いが立ち込め始める。
「なるほど!」
小野先生は合点がいった様子だった。
ミラーに写るロボットたちは雨と混ざったゴマ油に塗れ、次々と滑りこけるのであった。
「本当はサラダ油で十分なんだが俺の厨房には無かったから仕方がねぇ!!良く味わいやがれ!!」
本当にただの毒舌なおっさんになっているケセラン羽田であった。
「あれ?でも良く考えてみると一人足りなくないですか?」
さすがに『普段は』クールな小野先生である。
「そう言えばいつも肩にカメラ担いでる人が居ないよね?」
気が済んだのか、スッキリした顔で羽田さんが答える。
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1月の雨にしては大粒で、まるで初夏のような蒸し暑さである。
先日のレーザー砲のおかげで大気のプラズマバランスが崩れているようだ。
「さてと、小野先生の方はこれでバッチリだし、なべちゃんも好い絵が撮れたしっと。」
とあるビルの屋上に雨合羽を着込みバズーカ砲のような巨大な望遠レンズを付けたカメラを弄る首藤さんは、撮影にご満悦。
「あとは町中に隠した4台のカメラと、皆の車にこっそり取り付けた小型車載カメラの映像をゲットしたらOKだな?」
そう呟くとサッサとカメラを片付け始めた。
しかし背後に気配を感じ、慌てて音の方を振り向く。
3本ほど向こうのビルの屋上が何やら騒がしいことになっているのに気が付いたのだ。
仕舞いかけたカメラを急いで元通りにセットし、今度はそのビルの屋上に焦点を合わせる。
ビルの屋上には20名ほどの私服に雨合羽を着た男たちが、黒く大きな竿のようなもので、何かを釣り上げていた。
糸の先端には黒い塊が一本に一つずつ付いているようである。
物凄い勢いでビヨ~~~ンと釣り上げると次々に屋上中央に置いてある大きな黒い箱に投げ込まれてゆく。不思議なことに竿の先端の黒い塊が引き上げられた勢いのまま、その箱に入ると、いつの間にか塊は無くなっている。
まるでカジキマグロの入れ食い状態とでも表現すればよいのだろうか?
首藤もズームアップしたレンズの光景を現実の風景と実感するには時間がかかったのであった。
「な、なんなんすか、あれ?」
首藤も他のメンバーも軍精鋭部隊の「葉隠れ」作戦を知らされてはいなかったのであった。
そのうち、一人の男性が首藤に気づき、手を振った。
「なに?カメラに映りたいの?」
釣りをしながら他の連中もカメラに気づき、楽しそうに手を振ってくるのであった。
「まあ、そういうことなら『部活ドキュメント』で鍛えた撮影技術を駆使しちゃいますか!」
久しぶりにキャメラマンとして腕の鳴る首藤であった。




