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洗濯船ハイパー日誌  作者: 田子作
第5章 日いづる国
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葉隠れ部隊参上!

この話のイラスト付き本サイトはこちら↓

http://ideanomi.jp/index.php?%E8%91%89%E9%9A%A0%E3%82%8C%E9%83%A8%E9%9A%8A%E5%8F%82%E4%B8%8A%EF%BC%81

隊員を前に防衛大臣は少なからず戸惑っていた。

隊員一人当たり平均でも2年半を費やし、体力・精神力・知力の限界まで鍛え上げてきた精鋭200名。

彼らは国防のためだけに極限状態を何度も味わい、決して表舞台に登場することも無い。

一般の部隊とは違い、隠密活動から強襲活動まで参加可能にするために、通常はおよそ軍人らしからぬラフな格好をしている。

『通称 ロン毛部隊』とは彼らのそのような風貌から名づけられた。


「今回の任務は非常に難しいと覚悟して欲しい。」


防衛庁直轄の部隊として位置づけられているために他の軍関係者でも彼らの任務について知ることは出来ない。

それだけ機密事項扱いなのだ。


「諸君には一般人の格好で現地で活動してもらう。その際、特に難しいのが、『不戦戦術』である。」


一糸乱れず大臣が話す作戦に聞き入る様はやはり紛れも無く軍人そのものである。


「この『不戦戦術』とは、人工知能型ロボットと対する時に特に大事な戦術である。簡単に言ってしまえば、『戦ってはならぬ』ということである。」


さすがに唾を飲み込む微かな音がし始めた。


「諸君らには、奴らAIロボットと戦わずして勝ってもらう必要があるのだ。」


この後、詳細な作戦の説明があり、今回の作戦名が『葉隠れ』であることが告げられた。

作戦会議終了後、部隊はすぐに行動開始となったのである。


-----------------------

雨が降りしきるダイブンシティーを5台のジムニーは所狭しと駆け巡る。

すぐ後を追うAIロボットの群れは人間では決して不可能な速さで車に迫る。

彼らの目的は厳密には、車に引き摺られている動力を失った5体のAIロボットだが。


「NO,1」は、洗濯船に進入し捕獲されたこれら5体のロボットから何か有力な情報を得られるはずだと計算していた。


「優先順位ハ①ロボットノ回収。②船員の捕獲。」


これが全ロボットに直接命令されているのだ。


「うわわ~~~!やばい~~~!」


僕は狭い一方通行路を逆送しながら、右に左に曲がることで追っ手に追いつかれるのを防いでいた。


「そこ!右!」


笹川さんが指差す方向を見るゆとりも無いが、信じるままにハンドルを切る。

狭い道に誘い込んだのは大勢のロボットに取り囲まれるのを防ぐ意味があった。

しかしあまりに曲がる回数が多いとその度に減速してしまい、返って数台のロボットには追いつかれるリスクが高まるのだった。


早く大通りに出て『目的地』に行きたいのだが、予想をはるかに超えるロボット達の運動能力に、振り切るのが精一杯なのだ。


「うわ~~~~っ!!つ、捕まる~~っ!!」


ルームミラーには今にも荷台に乗り移ろうとするロボットが見える。

必死にハンドルを切り、逃げ切ろうとする僕が、次にミラーを見たときにはそこには何も居なかった。


「え?逃げ切った??どこ行った?」


たった今まで荷台の淵を掴んでいた1台のロボットが突然姿を消したのだ。

安心したのも束の間、またすぐに他のロボットが追いついて来た!


「うわ~~!今度こそ駄目だ~~!!」


前方とルームミラーを交互に見ながら運転している僕が、再度ミラー越しに後方を確認するとまたしてもロボットは消えていた。


「うわ!なんだこれ!?」


助手席の笹川さんが再度ミラーに写った何かに驚いた。


「え?どうしたんですか?」


アクセル前回のまま疾走しながらも笹川さんの方をチラッと見る。


「今、何か黒い者が空から降ってきた!!」


何が言いたいのか理解できずにいると更に続ける。


「黒い何者かがロボットを空から釣っているんだよ!!」


ますます信じ難い話だった。

思わず運転しているにも関わらず後方を確認したい衝動に駆られた。

だが何も見えない。

前を振り向いた瞬間、数m先の角から突然ロボットが現れた!


「ブツカル~~~ッ!!」


ブレーキを踏む勇気はない。

アクセル前回でロボットに突っ込む僕。

頭のどこかで伊東さんが『毎度あり~~!』と言ったような気がした。


が、黒い何かが一瞬見えたかと思ったら、ロボットは居なくなっていた!?


「これ~!!これだよ!」


興奮状態の笹川さん。


「何?何?今の何?」


訳が分からない僕。

作戦会議でもこんなのは聞いてなかった。


何はともあれ、ともかく隘路を抜けて、ようやく大通りへ合流することが出来た僕達は、一目散で集合場所である『公立ダイブン高校』を目指すのだった。

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