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洗濯船ハイパー日誌  作者: 田子作
第4章 本物のお宝
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『戦(いくさ)』の準備

この話のイラスト付き本サイトはこちら↓

http://ideanomi.jp/index.php?%E3%80%8E%E6%88%A6%EF%BC%88%E3%81%84%E3%81%8F%E3%81%95%EF%BC%89%E3%80%8F%E3%81%AE%E6%BA%96%E5%82%99

[[&size(20){''「ここでいいのかなぁ?こんちわー!ハリウッドパーティーで~す!」''};>http://kudamono8.jp/index.php?%E5%A4%A7%E5%88%86%E5%B8%82%E3%81%A7%E6%AF%8E%E6%97%A5%E6%89%8B%E4%BD%9C%E3%82%8A%E3%81%AE%E3%83%94%E3%82%B6%E3%82%92%E5%AE%85%E9%85%8D%E3%81%97%E3%81%A6%E3%81%8F%E3%82%8C%E3%82%8B%E3%83%8F%E3%83%AA%E3%82%A6%E3%83%83%E3%83%89%E3%83%91%E3%83%BC%E3%83%86%E3%82%A3%E3%83%BC]]

制服の赤いTシャツに身を包み帽子を目深にかぶった若い男性は、恐る恐る洗濯船の階下へ降りてゆく。

驚いたことに、外見からは想像できないほど長い中央廊下に降り立ち、呆然とする。

同時に激しい頭痛に襲われ思わず宅配ピザの箱を落としそうになる。

ひょっこり誰かが廊下の中央付近の扉からこちらを覗く。


「あ!ごめんごめん!!これ渡すの忘れてた!」


笹川さんが大慌てで青年に駆け寄り、左耳の耳たぶに『ニナール理論制御装置』を取り付けた。

青年の頭痛は嘘のように止まった。


「あ、こんにちは!宅配ピザのハリウッドパーティーです!お届けにあがりました!」


イケメン青年は爽やかな笑顔を見せるとピザの入った箱を笹川さんに手渡す。


「あ、お会計をしないとね!」


笹川さんは胸の内ポケットに仕舞っている長財布を取り出そうとすると青年が制する。


「あ、お代は頂いてますんで!」


そう言うと爽快な風を残し立ち去ってしまった。


「いや、欲しいなぁ、彼・・・」


後継者候補として目を光らせるササピィーさんであった。


「さあ食ってくれ!!腹が減ってはいくさは出来ぬ!!俺のおごりの特製ピザだ!!」


船長はいくつかの段取りを済ませ、最後の詰めのためにメンバーを食堂に集めて最終打ち合わせに入っていた。


「うんめぇ~~っ!!え?ここってフランチャイズのピザ屋さんですか?!」


あまりの美味しさに僕は思わず尋ねる。

何と言ってもピザ生地がモッチリしてるのにしっかり歯ごたえがある。

しかもピザはシンプルな『マルゲリータ』。

『イタリアでは釜の一番近くで出てきたばかりのピザを食べるのが一番の贅沢なのよ。』とイタリア在住の友人が教えてくれたが、このピザはその美味しさに匹敵するものがあったのだ。


「バカ野郎、こんな美味しいフランチャイズの宅配ピザがある訳無いだろ?この店は自分で粉の配合から生地作りまで全部やってんだよ。」


自分の事のように自慢げな船長。


「いや本当、これは旨いですねぇ!」


一流シェフの料理を食べ尽くしてきた笹川さんも流石にこのピザには唸った。


「まあ、僕とは畑が違いますけど、これは凄いですね!」


流石に一流の職人は優れたものを素直に評価できる。

自分に自信がない職人に限って他人の仕事の粗探しをするものだ。


「うん、これなら毎日でも食べれるね。」


大きな体をテーブルの上に乗り出すようにしてピザを頬張る男性。


「誰?」


みんなの視線が集まる。


「あ、紹介するのを忘れてた。友人の車屋さんの伊東さん。今回の作戦では多大なるご協力を頂くことになりますんで、皆さん、よろしく頼みます。」


船長がそう紹介すると、男性はポケットから白いハンカチを取り出し、上品に口の周りを拭くと、のっそり立ち上がり自己紹介を始めた。


「あ、ダイブンシティーで自動車販売をしてる伊東と申します。この度は皆さんとお知り合いになれて光栄です。」


落ち着いた物腰だが嫌味を感じさせない、どこか育ちの良さを感じさせるアラフォー男性。


「自動車ってどんな車種ですか?」

車に関心があるらしく珍しく口を開いたトマト農家タク君。


「何でも取り扱えるんですが、今は特に軽自動車が多いですね。その中でもジムニーみたいなアウトドアスタイルの車種の在庫は豊富ですよ。」

穏やかに包み込むような話し方にすっかり一同は聞き耳を立てている。


「僕、結構田舎に住んでるんで、今度車を見せてもらっても良いですか?」

家電に限らず概ね工業製品が好きなトマト農家兼オペラ歌手。


「あ~どうぞどうぞ。ご案内しますんで!」

愛嬌のある満面の笑みを溢し、嬉しそうに答える伊東社長にメンバーもすっかり心を許した様子だった。


「じゃあ、具体的な作戦の立て直しだけど・・・もう、他に言ってないことは無いよな?」

ギロリとエーコを睨むように見る船長。

ハッとしたようにソワソワするエーコ。


「おいおいおい!何、挙動不審になってんだよ!まだ何か言ってないことがあるのか?!」

もう残された時間は少ないはずなのに、今更『不測の事態』が発生してはアウトである。

船長が切れそうになる。


「あ、あの・・・冷蔵庫の・・・船長が取ってあったアイスクリームを食べたこととかですか?」

ズルリとメンバー一同テーブルの上を横滑りした。


「そ、そんなことじゃなくて!もういい!何か気が付いたら早めに言えよな!!」

諦めた船長はとりあえず作戦の詳細を皆に説明し始めた。


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