表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
洗濯船ハイパー日誌  作者: 田子作
第4章 本物のお宝
62/101

タニシの侵略

この話のイラスト付き本サイトはこちら↓

http://ideanomi.jp/index.php?%E3%82%BF%E3%83%8B%E3%82%B7%E3%81%AE%E4%BE%B5%E7%95%A5

何度目かの水曜日に遂にチャンスは廻って来た。

田螺丸は丸メガネの男がカフェに来るのを待ち、彼が席に着く寸前にその席を取った。


「あ、すみません!」


田螺丸は一応は礼儀正しい素振りを見せたが初めからその席に男を座らせる気はなかった。

初めから席に座っていると、店の入り口から見える位置なので来店を取りやめる可能性があったのだ。

そこでわざとギリギリのタイミングを狙ったのだった。


「あ、ああ。どうぞ、気にしないでください。」


男は紳士だった。

店内を見回し田螺丸の隣の席に諦めたように腰かける。

そして殊更に不自然に監視カメラを避けてパソコンをテーブルで開いた。

それは田螺丸にとって思いがけない幸運だった。

前後の監視カメラを避けようとするがあまり画面が彼からは丸見えとなったのだ!

田螺丸はログイン画面でのパスワード入力を注意深く見つめる。

慣れた感じで素早く手を動かす男の動作を寸分違わず記憶しようとする。


画面がパッと明るくなりログイン後の状態となってた。

そして男性はブラウザーを立ち上げネットに接続し、あるサイトへアクセスする。

そのサイトは恐らく自分の秘密のサイトだろうと思われた。

さらにそのサイトの会員専用パスワードを入力して奥へと進む。

数秒の待ち時間の間、男は背後の視線を感じたのか、軽く振り向いたが、田螺丸はまるで関心が無いふりをしていた。


『起動時のログインパスも特殊サイトのパスもゲットしたぞ!後はログが残らないようにハッキングすれば目的達成だ!!』


それ以上この場に居ても得は無いと判断した田螺丸はすぐに席を立った。

それから数日後、田螺丸がそのサイトで発見したのは、彼の想像をはるかに超えた人工知能に関するレポートだったのだ!


---------------------------------------------------

4月16日

今日、役員会議に呼ばれたが、役員の様子が変だった。

この会社の重要ポストの人材はみんな変人なのか?

まるで感情が読めない。


6月22日

家庭用人工知能ロボットの完全管理が始まって私の周辺の人間も少し妙な輩が増えてきた気がする。

これは過剰残業の影響なのか?

私も最近疲れがたまって来た。

自己管理どころではないが・・・


10月3日

こんなことが本当にあって良いのか?!

いつの間にかAIロボットが本物の人間とすり替わっている!!

地下の動力冷却室がいつの間にか生身の人間の『コールドスリープ』室になっていた!

監視カメラがたまたま故障中だったので私の入室を特定できていないようだ。

私が眠らされるのも時間の問題だ!

急いで後継機にアレを注入しなくては!

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・


日記は眉唾な話で埋まっていた。

しかし、大の大人がわざわざ仕事場を抜け出してこんな日記をつけるだろうか?


「作家志望の妄想親父?」


ここまで来てそれは考えにくかったが、内容がそれほどまでに突拍子が無かったのだ。

ただ一点を除いては。


田螺丸には「後継機にアレを注入」という記述だけが妙にリアルに感じられたのだった。


「アレってアレか?」

あの誰かの人生を記録した『あの動画』のことだろうか?

ようやく話がつながりつつあった。

そしてそれはすぐに確信となる出来事が生じたのだった。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
http://ideanomi.jp
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ