『NO,1』A.Iの陰謀
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・・・ですがまだイラスト埋め込みが間に合っておりません。
ドームの扉が背後で開いたことに気づいた博士は、すぐに異常事態が発生したと直感した。
「博士!!大変です!NO1(ナンバーワン)が勝手にプロトタイプ回収に他の5体を現場に向わせた模様です!!」
息を切らせてドームへ駆け込んできたのは先ほどの研究員だった。
「慌てても仕方が無い。どうせ我々に奴は止められんのだから。」
意外にも落ち着いた態度で返す博士に、研究員は戸惑う。
「もう一人のあたしの同類のことかい?あんたも気が休まらないねぇ。」
お末母ちゃんA.Iが話に割り込む。
「今この国は私が作ったもう一つの人工知能によって支配されつつあるんだ。それを食い止めるには母ちゃんの力がどうしても必要なんだよ。」
肩を震わせて怒りを抑える暗倉博士を見つめる研究員。
「そういうことなら任せな。とりあえず作戦会議といくかい。」
お末母ちゃんはかつての豪快な人格に戻りつつあった。
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「あの~、誰か居ませんかぁ~?ちょっとトイレに行きたいんですけどぉ~」
『本物のあべ君』はまだリクライニングの手術台のような椅子に括り付けられたままだった。
「まじでヤバイんですけど~~~?」
何度目かの尿意の山場を迎えつつあるあべ君は必死に持ち堪えようと頑張っている。
その時、両手首を施錠しているロックが解除された。
ただし胸のところで大きなロックがかかっているので自由になったのは肘から下の部分のみだった。
更に何かがこちらへ向かってくる音がし始めた。
それはどうやら天井を伝って背後からやって来てるようだ。
ウィ~~~~ン、ウィン、ウィ~~~~~~~~~ン・・・
機械音が更にあべ君に近づいてくる。
緊張するあべ君。
「な、何?今度はなんですか?痛いのは僕、ちょっと趣味じゃないんですけど~?」
緊張のあまり今にも泣き出しそうな状態である。
クビを最大限、上下左右に振って音の正体を掴もうとするがきっちり死角で見えない。
ウィ~~~ン・・・ウィンッ!!
ついにそいつはあべ君の真上で止まった。
「い、言い忘れましたけど、くすぐったいのも駄目ですからね~~~~~っ」
ほぼ悲鳴に近い声になっているあべ君。
当然返事は返ってこない。
ストンッ!!
突然頭上から何かがあべ君の股間をすり抜け落ちてきた。
「ひゃあ~っ!!」
思わず悲鳴を洩らすあべ君。
恐る恐る両足の間に落ちてきた物を見る。
ソレは天井から細いアームで吊り下げられ、丁度あべ君の股間の前に位置している。
「し、尿瓶~~っ!?」
緊張が一気に緩むと同時にあべ君の下半身も緩んでしまった。
「あっ、あ~~~~~~~っ!!この役立たず~~~!!!」
恨めしそうに唸るあべ君であった。
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「あ、言い忘れてましたけど、この作戦だと『ニナール理論制御装置』が要のようなんですけど、外では使えませんから。」
平然とした顔で作戦会議も終盤になって突然切り出す宇宙人エーコ。
さすが宇宙人的間合いである。
「はぁ~?今頃になって何を言い出すんだ~!?」
これには流石の船長も切れ気味になる。
「ニナール理論制御装置は私の船の内部か、船と一体化した構造物内でないと有効に作動しませんから。あれぇ言わなかったですかねぇ、前に。」
何かを思い出す素振りをする宇宙人。
「聞いてねーよ!お前、大体いつも大事なことから抜けるよなぁ!!失くすなって言ってカギ預けたら30分で失くすし・・・」
積もりに積もった宇宙人による紛失や破損の被害を思い出し愚痴っぽくなる船長。
「師匠!男がそんな小さなことを根に持ったらいけませんよ!今は大事な時なんですから!ほら、この国の諺にもあるでしょ?『大便の前の小便』って!」
一同はきょとーんとした。
「まさかとは思うんだけど、ひょっとしてそれって『大事の前の小事』って意味で言ってる?」
オペラ青年が小さな声で確認する。
「そうとも言いますよね!」
自信満々、元気ハツラツに答えるエーコに、皆は何を言っても無駄だと再認識するのであった。




