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洗濯船ハイパー日誌  作者: 田子作
第2章 輝ける洗濯者たち!
35/101

恋はコリッゴリッ?

この話のイラスト付き本サイトはこちら↓

http://ideanomi.jp/index.php?%E6%81%8B%E3%81%AF%E3%82%B3%E3%83%AA%E3%83%83%E3%82%B4%E3%83%AA%E3%83%83%EF%BC%9F

「・・・竹子さん。本当に良いんですか、僕で?」


竹子は恥ずかしそうに微笑むと小さく頷いた。

暗い部屋の中に窓から月光が差し込む。

月明かりに浮かび上がる彼女の右顔はまるで天使のようだった。

お互いにゆっくりと近づき、僕は静かに彼女の肩を抱く。




「ありがとう。僕を選んでくれて。」


耳元で囁く僕の声に反応するように彼女は体を震わせる。

小さく震えるその体は、まるでこれから起きるイリュージョンに期待と不安を抱く子供のよう。

彼女の震えは徐々に大きくなる。




『怯えているのかな?』


少し大げさな反応に微かな疑問が湧く。




「大丈夫。僕を信用して。」





さらに耳元で囁く。

すると彼女の体は激しく揺れて、ついに僕を振りほどいた???




「大丈夫じゃないですよ~~!!もう閉店ですよぉ!!あ~~もう、気持ち悪っ!!」



気が付くと小平師匠が僕の隣で僕を揺さぶっていた。




「目が覚めましたか?僕の腕に抱きついて気持ち悪いったらありゃしない!ママ、お勘定僕の分だけここに置いとくね!」



カウンターバーで小平師匠の恋愛談義を聞いてるうちにお酒が回った僕はいつの間にか眠り込んでいたようだった。




「あ、師匠~、もうちょっとお話しましょう~~!次の店、僕が奢りますから~」


もう少しで『最高の彼女の見つけ方』を聞き出せたのに途中で夢見心地になってしまった。




「あ、ママ。また来るね!」


帰り際にカウンターを振り返り僕はポーズを決めた!



「もう帰ったよ。この飲み助!」


カウンター内ではケセラン羽田さんが皿洗いをしているだけだった。

『幸運を運ぶ妖精ケセランパセラン』の名残はなく、もはや『猛毒を運ぶ毒舌』羽田と化していた。

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「あ~、今日は疲れた!」


首の骨をポキポキと鳴らしながら中央通路を部屋へと辿る小平師匠。




「ん?何ですか?また厄介なのがいますよぉ。止めてくださいよぉ。ホント今日は厄日だわ。とほほ・・・」


師匠の部屋の前で体育座りをして待つ細身の男。




「どうしてここに居るかは聞きません。ではオヤスミナサイ!!」


師匠はスラックスの右ポケットから部屋の鍵を取り出し彼を無視するように部屋に滑り込む。が、ドアが締まらない。

何度かドアを開閉したが何かが突っ掛って締まらないようだ。

ふと顔を上げると締まらないドアの隙間からこちらを覗いてる亡霊、いやロウヤー小野くんと目が合った。




「うわぉ!!」


よく見ると彼の左足のつま先がドアに挟まっていた。




「『僕の部屋に相談に来なさい。』って言ってくれましたよね~??」


半ば妖怪のようになっている小野くん。




「い、言いましたけど今日はもう勘弁してくださいよぉ。顔が怖いよぉ。」


ヘトヘトに疲れ切った小平師匠は懇願する。




「じゃあ、最後に1つだけ質問しても良いですかぁ?」


ドアに半分顔が隠れているので、あたかもホラー映画のワンシーンのような光景。




「あ、君のね、『最後に一つだけ質問』はいつも一つじゃ終わらないからダメ!そうだ、代わりに僕の恋愛講座のアクセスキーを貸してあげるから、当分はこちらで基礎学習しなさい。ほれ、これがそのキー。じゃあ!!」


ツンッと小野くんの左足のつま先を蹴ってドアから追い出すとキーをポイッと廊下に放る。

小野くんがそのキーを落としまいと振り返った隙にバタンとドアを閉め鍵をかける小平師匠。




「やれやれ、やっと眠れるよぉ~~~。」


もはや半べそ状態のままベッドへ倒れ込む。




「人の恋愛はもうコリッゴリッすわ~~・・・」


そう呟くとそのまま深い眠りへと落ちていくのであった。




「あれ~、小平師匠の部屋って何号室だったっけ?あれ?あっちから来るのは小野先生?」


僕はまだアルコールのおかげで千鳥足だが、意識はある程度しっかりしていた。

小野先生がこんな真夜中に鼻歌を歌いながらこちらへやって来る。




「あ、先生、こんばんは!」


挨拶する僕に、右手で拳銃を作り、通り過ぎざまに『バキュ~~~ン』と打って行った?




『友澤、お前には竹子さんは渡さない!』


何だかやけに嬉しそうにスキップまでして行ってしまった。




「なんなんだ???」


気分が削がれた僕は大人しく自分の部屋に戻って眠ることにした。




「ま、明日があるさ。ムニュムニュ・・・・」


食堂の隣はみんなが集まるミーティングルームになっているが、その部屋の隅に、『恋愛講座資料』と銘打ってある分厚い辞書が置いてあるのは皆の知るところ。

しかし、この辞書には頑丈な鍵が付いていて、簡単に中身を読むことは出来ない。

著者である小平師匠の許可を得て鍵を借りたものだけが読めるのだ。




「ふふふ、やっと僕は今、恋の謎を解くことが出来るんですね?」


自問自答しながら震える指で鍵を差し込む。

ガチャッと鍵が開く音がすると、固く頑丈な表紙が開いた。


内表紙には『恋愛マスター小平師匠の恋愛相談室』と印刷してあった。

期待と不安に体が震えてくるのを自覚しながらも、一行一行大事に読み進めてゆく小野先生であった。

『恋愛マスター小平師匠の恋愛相談室』はこちら↓

http://ideanomi.jp/index.php?%E6%81%8B%E6%84%9B%E3%83%9E%E3%82%B9%E3%82%BF%E3%83%BC%E5%B0%8F%E5%B9%B3%E5%B8%AB%E5%8C%A0%E3%81%AE%E6%81%8B%E6%84%9B%E7%9B%B8%E8%AB%87%E5%AE%A4

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