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おじさんの凱旋的帰郷


 小柄な初老のおじさんの肩を担いで、山を降りる夢を観た。


 なんとか大臣を務めるようなえらいおじさんなんだけれど、地元の祭祀を復興させるために尽力した人で、病でがたがたになった身体を押して、人生の最後にもう一度祭を見たくて田舎に戻ってきた人だった。


 その土地の若い衆であった僕は、しっかり舗装整備された山道で大臣を待つ。


 大臣は車を降りて「ここからは、歩いて行きたい」とかわがまま言うんだ。


 最後の最後くらい、故郷の山々を眺めながら帰りたいんだと。


 だから、僕が肩を貸して。土地の男の肩くらい借りて当たり前だろうと、無理矢理身体を掴んで、並んで歩く。


 特に何も言うことはない。


 テレビの中で偉そうにふんぞりかえる姿しか観たことのない老人は、びっくりするくらい軽くて。


 無言で並んで歩く。


 涙が出てきて。


 町が見えて、灯りが見えて、おじさんが何かを言って


目が覚めた。

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