ここは雷尊の庭なり
夏の暑い日の夢を見た。
洗濯物を終えて、ちょうど正午だったので、ローストビーフ丼とラーメン食べて腹いっぱいになって、少しばかり昼寝。
ゴロゴロという音で目を覚まし、「あ、夕立か。急いで洗濯もの取りこまなきゃ」と思い窓の外を見ると。
世界が暗くなっていた。
向こうの方に分厚い暗雲があり、その下は完全に光がない。
その周りはからからに晴れて、青空が広がっている。
不自然な空模様。あれは本当に雲なのだろうか?
分厚い空に浮かぶ雲の形をしたそれは、10をくだらずそこにあり、その一つは僕の家の真上に来た。
暗闇。
暴風。
滝の雨。
これは洗濯もの取りにいくどころではない。家中の窓をしめねば。
その時。
はるか向こうにある暗雲の底部が光り出す。
あ、あれはやばい。
慌てて窓から離れて部屋の隅で防御。
閃光。
雷鳴。
衝撃。
ちょっと待て、雷が落ちる音ではなかったぞ今の。
不安になってもう一度窓の外。
降りしきる雨で、確か田んぼがあった所はすでに浸水し、世界一面が水面と化す。
嵐の海の如く波打つ。
真上を見る。
先ほどと同じ光が、真上の雲に集まっている。
そこで気付いた。
あれは雲じゃない。
光の向こう側。雲の底部に、目玉がある。
再び雷鳴。
多分、世界が終わる時ってのは、こんな感じだろうな。




