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地図にない国を旅行する3泊5日ツアー


 大学時代の先輩に、超進学塾の講師をしながら、暇を見つけては世界中を優雅に旅行するケーシー先輩というのがいる。


 ケーシー先輩に連れられて、地図にない国を旅行する夢を見た。

 空港に降り立つと、白人ばっかりで、英語ではない言語の掲示板ばっかりだから、ヨーロッパなのかな、なんて思う。

 空港から出るバスに乗ってホテルに向かうと、雪解けの高山にずらりと囲まれた、だだっ広い平原に道が一つまっすぐのびている。

 日本にはない光景だと思い、鑑賞していると、窓の向こう100mくらいのところで、子どもたちが手を振りながら「ケーシー! ケーシー!」とか言っている。

 先輩に「来たことあるんですか?」と訊いたら「うん」と答えるので「あの子ら何?」とさらに質問したが、何と返ってきたかは覚えていない。


 ホテルに着いたのだが、どうやら僕と先輩は違うホテルに泊まるようだ。

 先輩曰く「せっかく初めて来たのだからこの国独特の泊まり方しないとな」と僕に勧めてくれたのは

 借家。

 旅行者のために、格安で貸し出される屋敷というものが、町中の至るところにあるらしい。

 治安がいいんだな。

 先輩は普通にホテルに泊まった。


 さて、一人アラブの宮殿みたいなだだっ広い屋敷に案内された僕は、荷物を置いてまずはトイレとベッドのある部屋を探す。

 広い割に、意外と間取りはわかりやすくすぐに見つかる。トイレは綺麗だし、ユニットバスじゃないし、いい物件じゃないの。

 集合時間までベッドで横になろうと思ったら、呼び鈴がなる。

 ?

 玄関に行くと、町内会の人らしいインド系の顔した女の人がいた。

 誰?

 曰く「明日の町内会の会合はここでやるから、開けといてください」

 ……僕もそれに参加しないといけないのだろうか。この借家、普段は地元の人が住んでるのかもしれない。

 まあ、せっかくの経験だ。出てみるか。

 曰く「午前三時からです」

 早いね。

 とても早いね。夜じゃん。

 しかし、この辺りは緯度の関係で24時間太陽が沈まないから、明るいんだってさ。

 地軸の傾きがおかしくなっているのだろうか。

 

 その後、先輩と合流してリニアモーターカーに乗って予約していたレストランに行く。フルコースなんて生涯二回目やでー。

 車中で「午前三時から地元の町内会の会合に出ないといけないから二次会までね」と話したら、先輩目ん玉ひんむいて「そんなの出なくていいだろ。部屋だけ貸しておいたら」

 そこは先輩と僕の趣味の違いということで、と返事をしたところで目が覚める。



 ……夕飯のフルコース、食べ損ねた。

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