星間戦争と左寄りな光剣の騎士
ゆったりとしたローブを身に纏い、光線剣を腰に佩いた者をそう呼ぶなら。
ジェダイ騎士になる夢を見た。
ジェダイと言えば、フォースと共にあらんことをとか言いながら、剣を振り回して宇宙人と戦ったり、トラブルの調停者として手打ちの立会人になる仕事だと思っていた。
けれど夢の中の僕はスペースシャトルに乗ってお隣の星に手紙を届けたり、紙という文化のない植物型宇宙人同士のやりとりのために、両者の間を行ったり来たりしたりと、トラブルの調整のために走り回ってて修行をする暇もないという不良騎士である。セイバーも持ってないし、フォースだって共にない。
ある頃から地球生まれの間でおかしな思想が蔓延し出した。
平和の調停者が、武器を持ってはいけないとして、セイバーを使わずに対話で扮装の調停を進める、武力放棄主義というやつだ。
正直、乗り気じゃないけれど、僕も地球生まれということで、その一派にカウントされている。
……あ、だから僕セイバー持ってないのか。
ある日、所属不明の超巨大ショッピングモール型宇宙船が地球に墜落してきた。
僕が、生存者を捜しに中に入り込むと、びっくらこいた。
中身もショッピングモールで、映画館では2000年代のヒット映画のポスターが貼ってあった。上映してるのかなあ、見たいなあ。
なんか、普通に民間人だらけで、宇宙に浮かんでるショッピングモールがトラブルで墜落した感じ。
……ということで、ショッピングモールの責任者に、この建物をどかして欲しいと伝えると、「故障して無理。お客様を地球に避難させて欲しい」とまっとうな返事。とりあえず店を出て、ジェダイ地球支部に報告すると「どんな病気持ってるかわかんないのに下ろせるか。自給自足できっだろ」と言いに行かされる。
そんな感じで両者のメッセージを伝えに走り回る。
お前ら、無線通信とかないのかよ。
なんてギャグやってたら、黒幕的な悪い奴が現れた。
なんか、フォースで宙に浮かせた8本のセイバーをファンネルみたいにして使ってくる。くそ危ない。
とりあえず、ショッピングモールによくある20人くらい乗れそうな大きなエレベーターに誘導し、手数の多さが邪魔になったところで、相手のセイバーを一本空中で奪いチャンバラ。セイバーが、意外に重かった感触だけ覚えてる。
こんちくしょう、僕は今からモール責任者に「お客さんを船外に出すのはまずいから、船直すから建物の建築確認の図面見せて」と言いにいかねばならないのに。
……あれなんだろうか、この悪党っぽい奴はそれをさせないために邪魔してるんだろうか。
とりあえずわかったのは、ジェダイのセイバーとつばぜり合いできるのはセイバーだけなので、無茶苦茶にでも振り回してた方が強い、ということ。
エレベータの壁を切り傷だらけにしながら、こんちくしょうこの戦いが終わったら、絶対に武力放棄主義のタコどもを廃滅してやる、と思ったところで目が覚めた。
久しぶりに、視覚的に映える夢だった。
ファンネル的な利用とか、エレベーターでのアクションとか、本当にフィルム会社に使っていただきたいくらいに面白かった。




