表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
10/94

バッドエンド


 とかく巨大で、計器だらけの壁と自動ドアだらけの通路。

 気密が半端ない、宇宙船みたいな図書館に、地球外生命体が落ちてくるという夢だった。



 僕の夢も生物災害好きだよなあ。


 

 それは幼児体型のプレデターで、生態はエイリアンだった。


 そいつは光の当たらない闇の中では不死身で、光が当たっている間は死ぬが光合成で急速に成長し成体になるという、どっちにしろ人間様に不利な性質を持っていた。

 

 さっさと逃げたいところだけれど、図書館司書として、こいつをこの図書館から出すわけにもいかず、滅することになりもうした。横にいたおちゃらけ風だった同僚が、深刻な顔でそう結論しもうした。

 本当、人間って窮地に陥った時にどうしてあんな自己犠牲に目覚めるのかね。

 

 ま、実際にやるのは僕なんだけどな。




 事務室裏の倉庫から持ってきた手斧片手に、現場に帰ったら、あの化け物すでに消えてる。


 嫌でたまらないハイド&シークが始まった。

 仕方ないので、ノリノリで押しつけてきた同僚も巻き込んでやった。


 激闘に次ぐ激闘。


 次第に明らかになるエイリアンの生態。


 あんにゃろう、メスで子供を産む気だ。


 途中でブレーカーが落ちて館内の電気が全部消えた時は死ぬかと思った。




 最終的に同僚が囮になって現れた所を、強烈な光を当てて動けなくして、五体バラバラに刻んでくれたわ。

 


 脊髄が、二本あった。




 で、遺体に光が当たっても成長するかもしれないので、完全密閉の暗闇ボックスに詰め込んで、セメントで固めることにした。


 封じこめて密閉した箱が飛び跳ね始めた。



 中で、何かが暴れている。




 どうやら、エイリアンは胎生生物であったらしい。



 

 箱を開けて、中にいるかもしれない怪物の子供と戦うのか?


 それとも、この強烈な闇は、もう沈めてしまう方がいいのか?



 同僚の亡骸の横で僕はもう途方に暮れた。



 18時。



 閉館時間が来た。






評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ