抜刀術の極致
抜刀術の極致。それは相手の動きを読み、未来の相手の位置に刃をふるうこと。
抜刀術師範百代目頭首が長を務める道場に来客。
「道場破りをしたいのですが、よろしいでしょうか?」
ここで会ったが、百人目。
この道場は、最近道場破りが多い。しかし、道場破りが一人としてその武勇を示したことはないのだ。
師範代・須杯着は決闘を快諾した。命をかけることを条件に、である。
そしてその相手は上記の発言をした人物が作った、人型機械であった。
『抜刀術の極致。それは相手の動きを読み、未来の相手の位置に刃をふるうこと。』
これに関して人型機械は負ける要素が見当たらなかった。
人の電気信号を完全に把握。筋肉の動きは、その筋肉が動く前に予測できる。
その精度は99.9%・・いや100%と読んで差し支えない。
精神状況も血圧、体温、神経伝達物質の種類で完全に把握。
負ける見込みはない・・と人型機械の設計者は思った。
いざ、尋常に。
はじめ!・・一本!
勝負は一瞬だった。
須杯道場、陥落。