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学生から社会人へ
大学を卒業して、四月から社会人になって、あれからもう十二年ほどが過ぎた。
社会人になりたての頃は、右も左もわからない状態で、右往左往していた。
果たして、自分はしっかりとした一人前の社会人になることができるのかと不安になった。
内定をいただいた介護施設での初めての仕事。
慣れない中でも、みんな親切に仕事のことを教えてくださった。
人よりも慣れるまでに時間がかかってしまう自分。
社会人になったことで、責任感を持たないといけないというプレッシャーに押しつぶされそうになる。
それでも、必死で仕事内容を覚えようと努力した。
しかし、ミスが多くて、他人ができていることも自分はできなかった。
ミスするたびに落ち込んでしまい、また違うミスをする。
自覚が足りないのか、仕事に向いていないのか。
働くという意識が徐々に薄れていたのかもしれない。
希薄な感情で、できるほど世の中は甘くない。
そう痛感する日々を今でも過ごしている。