09・城の調度品 1
少々短いかなぁ…。
「それで、これからどうしよう」
剣を装備した後、紅蓮が凪斗に尋ねた。
「そうだな…この城の中を探索したいけど、誰も居ないのか…あっ」
紅蓮の方を見ていた凪斗喋っていた凪斗が、何かに気付いた。凪斗の視線は紅蓮の背後に向いており紅蓮が振りかけると、件の虹色の球が有り、また何かのメッセージが表示されていた。
こノ城にハ 貴方タチしか 居まセン
貴方タチノ じユうにつかっテ良いデス
「僕達しか居ない上に、自由に使って良いって…」
「この城丸ごと、僕らの物…?」
二人は顔を合わせて驚いた。
「それって早い話が、巨大なマイホームを貰えたって事だよね」
「それは少し…違うんじゃないか?」
紅蓮の言葉に凪斗は苦笑しながら答える。すると球の表示が変わり、地図の様な絵が表示された。
「これは地図かな…紅蓮、スマホで撮影しておこう」
凪斗に言われて紅蓮はスマホを取り出し、表示された地図を撮影する。地図は城内を表しており、一部の部屋に点の様な表示もあった。
「この点は何だ…」
凪斗が呟くと、球は再び文章を表示した。
こノ部屋にハ 貴方タチに 必要ナ物が置カレテいます
じユうにつかっテ良いデス
「必要な物…水や食べ物かな?」
紅蓮が呟いた。凪斗もその意見に一理あった。何せ右も左も分からない異世界で、食べ物が無くては生きていく事は不可能だからである。
「…兎に角行ってみよう」
凪斗の案で地図の部屋へと行ってみる事にした。
※ ※
撮影された画像の地図を見ながら辿り着いた場所は、複数のドアが間隔的に設置された廊下であった。
「…部屋の中に必要な物があるって…あの球が表示していたけど…」
紅蓮が呟くが凪斗は警戒しているのか、何も答えない。
「…開けてみよう」
そう言って紅蓮は、一番近くの扉のドアノブに手を掛けた。
「紅蓮…」
凪斗は声を掛けるが、紅蓮はドアノブを回して扉を開けた。扉を開けた先には幾つかの箱が山積みになっている部屋であった。
紅蓮と凪斗は警戒しながらも部屋に入り、一番手前の箱に手を掛けた。箱の上の部分は二になっており、簡単に外す事が出来た。その中身は…。
「えっ…? カップ麺?」
其処に入っていたのは、日本なら何処にでも売っている、カップ麺であった。
「えっ? 何で? 何で日本のカップ麺が入っているの? 此処、異世界だよね?」
「落ち着け紅蓮。他のも見てみよう」
紅蓮を宥めた凪斗は、別の箱を開けてみる事にした。
「こっちもカップ麺や化学反応で調理出来る食品だ…何故日本の食べ物が、異世界に有るんだ?」
凪斗は戸惑うが、その答えは紅蓮にも分からない。
「…凪斗、とりあえず、他の部屋も見てみよう」
「そうだな…」
二人は他の部屋も探索してみる事にした。
次回に続くか、ダイジェスト化するかは、まだ未定ですわぁ…。
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