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黒と赤の猫の騎士達  作者: 黒猫キッド
第1章・転移編
3/15

03・二人の実力

 昼休み、紅蓮と凪斗と琉季は、体育館裏で昼食を食べていた。いち早く食べ終わった琉季が立ち上がる。

「ねえ紅蓮、凪斗。久しぶりに、アレをやってくれない? 見てみたくて」

 そう二人に向かって言う琉季。

「ええ…此処で?」

 紅蓮が嫌そうな表情で尋ねる。

「そうよ! だって二人共、道場には来ないから、見る機会が無いじゃない!」

 琉季にそう言われて、咄嗟に紅蓮は凪斗を見つめる。凪斗は『仕方ないよ』と言った感じの笑みを見せてきたので、紅蓮は溜息を吐いた。

「しょうがないな…凪斗、やろう」

 紅蓮が昼食を置いて少し歩き出すと、凪斗もそれに従う。そして琉季から少し離れた所で、お互い少し離れたまま向き合う。

「紅蓮、久しぶりに戦うな!」

「そうだね。でも僕は負ける気はしないよ! 琉季、合図お願い!」

 紅蓮が琉季に目配せすると、凪斗も同じ様に目配せした。

「うん! じゃあ試合開始ぃぃぃ!!!」

 琉季が高らかに宣言する。それと同時に、紅蓮と凪斗、二人の拳がぶつかり合った。


 ドガッ! ドガッ! ドガッ!


 激しく拳がぶつかり合うが、紅蓮と凪斗の二人の顔には、笑みが浮かんでいた。

「やるね凪斗! 隠れて鍛錬を積んでいたでしょ?」

「まあね! 紅蓮だってそうだろ?」

「あはは! やっぱり僕達似ているね!」

 激しくぶつかり合いながら、二人は楽し気に会話する。

 幼馴染の親友同士になった紅蓮と凪斗は、お互い似ている所があり、考えている事はおろか、好み迄一緒であった。しかし二人はそんなお互いの事が面白おかしく、今現在迄親友う同士でいたのであった。

 暫く戦っていたが、スマホを見た琉季が叫んだ。

「二人共! もうそろそろ昼休みが終わるよ!」

「!」

「!」

 琉季の言葉を聞いた二人は、同時に同じ事を考えた。

『次の一撃で終わらせる!』

 そして二人の拳が、お互いに飛んでいく。


 ドガァ…ドサッ…


 打撃音の後に倒れ込んだ音が響いた…倒れているのは…凪斗であった。

「僕の勝ちだね、凪斗」

 座り込んでいる凪斗を見下ろしながらグレンが言った。

「やれやれ…今回は僕の負けか…」

 溜息交じりに凪斗が言う。紅蓮は凪斗に手を差し出し、凪斗はそれを掴んで立ち上がった。

「まあでも、凪斗も腕を上げたよ」

「紅蓮だってそうさ」

 二人が健闘を称え合っていると、琉季がやって来る。

「やっぱり凄いね二人共! 流石はウチの道場のエース!」

「…元でしょ?」

 琉季の言葉に、紅蓮がそう返した。

「…ねえ紅蓮、凪斗…やっぱり戻ってこない?」

 琉季がそう尋ねると、紅蓮と凪斗は申し訳なさそうな笑みを浮かべる。

「その話なら前にしただろ? もう僕達は道場には戻らないよ」

 そう凪斗が琉季に告げた。

「でもあの事は、二人は悪くないよ! お父さんも戻ってきて良いって、何時も言っているよ!」

「それでも…もう僕達は戻れないよ…」

と、今度は紅蓮が寂しげに言った。琉季は頬を膨らませる。

「ほら琉季。休み時間終わるから、もう行こう」

 凪斗に促されて、紅蓮は歩き出し、琉季も不貞腐れた様に歩きだした。

「あっ!」

「!?」

「!?」

 突然琉季が大きな声を出し、紅蓮と凪斗は驚いて足を止める。

「今度は何?」

「あれ見て!」

 琉季が示した先にあるモノ…それは…

「…猫?」

 琉季が示した塀の上に、黒猫と赤猫が丸くなって、紅蓮達を見ていた。

「猫がどうかしたの?」

 凪斗が尋ねる。

「何かあの二匹の猫…紅蓮と凪斗に似てない?」

「?」

 琉季に言われて、紅蓮と凪斗は再び猫を見る。猫達は欠伸をしながら、紅蓮達を見ている。

「何処が似ているんだよ? 琉季?」

 紅蓮が尋ねる。

「いや…何となくかな…」

 笑いながら琉季が言う。紅蓮と凪斗は呆れながらも、琉季を連れて教室へと戻っていった。


 何時も君と一緒…きっとこれからも…どんな苦境や困難が来ても…君と一緒だから…怖くない…。



 道場って何やろ…? 三人の過去に何が…?

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