02・三人目の幼馴染
前話で名前だけ出た、三人目の幼馴染登場!
学生の賑わう教室に、紅蓮と凪斗が入ってくる。
「あっ! 紅蓮、凪斗!」
其処に一人の女の子がやって来る。
「ああ琉季、おはよう」
紅蓮が呑気に挨拶をする。榎本 琉季。紅蓮と凪斗の幼馴染である。
「おはようじゃないわよ! 二人共遅れて!」
怒った口調で琉季が紅蓮と凪斗に言う。
「いやだって…凪斗が起きるの遅いからさぁ…」
横に並んでいる凪斗見ながら、紅蓮が呟く。
「! 紅蓮だって以前、寝坊した事があったじゃないか!」
凪斗が反論する。
「僕はたまにでしょ? 凪斗は朝が弱いから、よく寝坊するじゃないか!」
負けじと紅蓮が反論する。二人は大声で言い合っており、クラス中が見ているが、二人は気にしない。
「いい加減にしなさい! 二人共どっちもどっちでしょ!」
と、二人を上回る大声で、琉季が叫んだ。
「「…ごめん」」
二人は委縮してそう返すしかなかった。その時…
「おい! 黒崎と赤崎!」
二人に厳しい口調で話しかけてくる男子生徒が居た。
「神山…」
話しかけてきたのは、神山 勇樹。紅蓮と凪斗と琉季のクラスのクラス委員である。
「…何か用?」
先程の琉季との会話とは違い、やや低い声で応じる紅蓮。
「お前達昨日、他校の生徒に、また暴力を振るったらしいな!」
「まあ…そうだね」
「相変わらず最低だな! 他校の生徒の暴力を振るうなんて!」
激しく糾弾する勇樹に、凪斗が返す。
「言っておくけど、その他校の生徒が、うちの学校の一年にカツアゲしていて、注意した結果戦闘になったんだからな」
「言い訳するな! そんな話、信じられる訳無いだろ! 相手は『無抵抗』だったにも関わらず、容赦なくやられたと言っていたぞ!」
「……」
クラスメイトより他校の生徒の言葉を信じる勇樹に、紅蓮と凪斗は心底呆れてしまい、最早会話も無駄と考えて、明後日の方向を見る。その二人に憤りを感じながらも、今度は祐樹は琉季を見た。
「榎本さんも、黒崎や赤崎となんか話さない方が良いよ! 幾ら幼馴染だからって、気にする事もない」
と、紅蓮や凪斗の時とは違って、穏やかな表情と口調で言うが…。
「誰と話したり、一緒に居ようが、私の勝手じゃない! 神山に言われる筋合いは無い!」
と、琉季は強い口調で返した。それに対して勇樹は悔し気な表情を見せながら、その場を去った。
「ふん! 何よベーだ!」
と、去っていく勇樹に対して、あっかんベーをする。
「琉季…大人気無いよ…」
凪斗が呆れながら言う。
「何よ! 私達まだ子供じゃない! それに元々、紅蓮と凪斗は何も悪くないんだから!」
そう凪斗に言い返す琉季。
「大体、紅蓮も凪斗も神山に言い返せば良いじゃない! 大体二人は…」
最早琉季は、誰に怒っているのか分からず、紅蓮と凪斗は苦笑いするしかなかった。
紅蓮と凪斗と琉季。この三人にはモデルがおるんですわ!
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