14・城での朝
こっちも投稿せんと…。
窓から差し込む朝日に、紅蓮の意識は覚醒していく…。
「んん…んんっ!?」
目を開けた時、紅蓮は少し離れた所で寝ている、巨大な虎猫に驚いた。そして寝ぼけた頭で記憶を辿っていく。
「あっ…そうか…僕ら元の肉体が無くなって…猫獣人の姿になったんだっけ?」
そう言いながら紅蓮は、自分の手を見つめた。黒い毛に覆われた手…紅蓮は黒猫獣人であった。そして眠っている虎猫獣人は、幼馴染の親友である凪斗である。
紅蓮は毛布を半分被って寝ている凪斗を起こさない様に、静かに部屋を出た。
※ ※
人の気配の無い廊下を歩き、紅蓮は広間へとやって来た。
広間の中心には、あの虹色の球体が、昨日と変わらずに浮かんでいた。
「……」
紅蓮は球体に近づいて、浮かぶ球体を見つめる。
「…この球に触れて…僕と凪斗は体を失って、今の姿を与えられたんだよね…」
球体を見ながら紅蓮が呟いた。
昨日、放課後のクラスにて突然この球が現れた。球はクラスを異世界に転移させようとした。その際に紅蓮と凪斗は、この球に触れてしまい肉体を失った。
その後精神世界らしき場所にて、球から謝罪の意味を込めて、転移先の世界に猫獣人の姿で転生させられた。
昨日の事を思い出しながら、紅蓮は球を見つめていたが、そろそろ凪斗の居る部屋へと戻ろうと思い、広間を後にした。
※ ※
部屋に戻ると、凪斗はまだ眠っていた。
「凪斗。もう起きて」
紅蓮が声をかけるが…
「んんっ…」
凪斗は小さな声を出すだけで起きない。
「やれやれ…凪斗は相変わらず、朝が弱いな…」
紅蓮は苦笑しながら、凪斗の顔に近づいた。そして…
カリカリ…
薄ピンク色の鼻先を、軽く爪で引っ掻いた。
「ふぇっ!? ふぇっ!? な、何!?」
鼻を掻かれた感触により、凪斗は驚いて飛び起きた。
「おはよう、凪斗」
紅蓮が声を駆けると、凪斗は驚いた様な表情をした。
「…ああ、紅蓮か…」
凪斗が紅蓮の名を呟いた。どうやら凪斗も寝ぼけて今の自分達の姿を忘れていたらしい。
「朝ご飯にしよう。これからの事も考えないと」
「そうだね…」
紅蓮は先に部屋を出て、凪斗は目を擦りながら紅蓮の後を追った。
凪斗は朝が弱かった!
紅蓮と凪斗のキャラには、モデルが存在しますんや♪
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