提供者
はい皆さんこんばんは。「現代社会の閑話休題」のお時間がやってまいりました。パーソナリティはいつもと同じく私、横野道郎でございます。今回もいつもと同じく、現代社会において虚実定まらないないあやふやな話題をお届けいたします。
今回の噂話はこれ、先日逮捕された連続強盗事件にまつわる話ですね。
ご存知の通り、ここ数ヶ月間断続的に発生していた強盗殺害事件に列島は震撼しておりました。犯人の手口は極めて単純。一人暮らしや独居老人の家を狙っての押し込み強盗。住人も例外なく殺害されており手がかりも少ないためなかなか犯人逮捕に繋がる情報が得られませんでした。狙われる家、住人も全く関係のない人達ばかり、発生地区も数県を跨る広範囲。純然たる強盗ということで犯人像の特定さえ困難を極めました。
警察の焦燥をあざ笑うように同一犯と思われる強盗殺人は10数件にも上り、模倣犯の発生も加わって近隣住民のみならず列島全体が震え上がっていたのは記憶に新しいですね。
ところが、皆さんもご存知のとおりこの狡猾にして強運の凶悪犯は突然逮捕されることとなります。犯人逮捕の安堵と警察のお手柄を称える声が一時期上がってもいましたね。
が、時間が経つにつれて疑問の声も上がってきました。犯人が逮捕されたのは結構なのですが、逮捕に繋がった経緯がほとんど公表されなかったことです。
犯人は無職の男性であり家庭もなく、その日暮らしの生活を送っていたようです。その犯人特定の決め手は何だったのか。警察は捜査上の機密とのみ発表に留めておりネット上でも様々な憶測が飛び交いました。
そこでひとつの噂が囁かれ始めました。真偽も定かでないあやふやな噂です。
犯人が最後に押し込んだのは一人暮らしの女性宅。賃貸の一軒家でした。犯人はその女性の家に押し込み住人の女性を殺害、数十万円の現金を奪い逃走。その数週間後に逮捕されたので、この最後の強盗で何か重大な証拠を残したと推測されます。が、もしそんなものがあれば警察は即座にマスコミを通じて情報提供を呼びかけると思うのでそれはないでしょう。もっとも、身元特定に繋がる決定的な物証でもあれば情報提供を募る必要もありませんけどね。例えば免許証とか保険証とか。しかし強盗犯がそんな物を持って強盗働くとも考えにくい。ましてや現場に残すなどありえないでしょう。
そこで囁かれたのが決定的な目撃証言説。あくまで噂ですけどね。
実は被害者の女性は強盗に遭う以前から周囲にストーカーの悩みを相談していたらしいのです。実際に被害があったわけでもなく、誰かにつけられている、程度のもので周囲も女性の気のせいくらいにしか思っていなかったそうです。そのストーカーが現実に存在して、犯人特定に繋がる情報を警察に届けたのではないか? というのです。
詳しい状況はこう。ストーカーは不定期に女性宅に不法侵入し、何をするでもなく女性との同居生活を送っていた、いわゆる屋根裏の住人というやつです。
そのストーカーがたまたま女性宅に侵入していた時、例えばベッドの下にでも潜り込んでいるときに押し込み強盗が侵入してきた。
強盗はいつもの手順通り1人しかいない住人をまず殺害。そのあと物色という手順を踏むのですが、ベッド下に隠れているストーカーの存在までは知らかった。
ストーカーにしても身を挺して女性を守るほどの気概もないし義理もない。できたのはベッド下で息を殺し、予め持ち込んでおいた盗撮用の機材で犯人の顔を押さえることくらい。それにしてもストーカーとしては寿命が縮まる思いだったことでしょう。相手は十数人も殺害している凶悪強盗犯なのですから。
しかも下手を打てば自分が強盗殺人犯の濡れ衣を着せられる恐れもある。強盗が立ち去った後、ストーカーもまた現場に痕跡を残さないよう、細心の注意を払ったのではないでしょうか。
が、そうなるとストーカーとしてはそんな事実を警察に訴えるわけにもいかない。なにしろストーカーもまた女性宅に不法侵入していたわけですから。強盗の顔を押さえていてもそんな証拠を提出するメリットなどないのです。
ただし、この事件には警察及び被害者遺族の会が有力情報に500万円の懸賞金をかけていました。そこでストーカーは警察と司法取引をし、連続強盗殺人犯の情報をリークした、というのです。
もちろん世間で流布しているだけの根拠のない噂です。警察が犯人逮捕に至った経緯を発表していないいじょう、憶測の域を出ていません。もちろん、だからといってこの噂がバカげてるとも言い切れないのですけどね。
もしこの噂が事実だと仮定すると、そのストーカーは自身のストーキングが免罪されたうえ、まんまと懸賞金も手にして、今もいち市民として生活していることになりますね。
できれば根も葉もない噂であって欲しいものですねえ。
はい、というところで今夜の現代社会の閑話休題は以上です。パーソナリティ横野道郎がお送りいたしました。また来週、この時間でお会いしましょう。