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八話 地球の守護者 降臨

前回のあらすじ

遅れた人を助けているところに現れた雷帝が一人戦うなか、ドラゴンとの攻防を見守る俺。しかし、雷帝はドラゴンの咆哮に押しきられてしまう。俺はなにもできないのか。その自問自答のなかで、星を守る力が覚醒する。

  気づくと俺の体は、胸の中心から光の粒にかわり始めた。



  その変化は徐々に全身に広がり、体は形を留めない。


  そして俺は意識だけの空間に入ったような感覚になる。

  そこは今まで見たこともないような空間で、音も光も空気さえもない。

  だがそこに空間があることだけは知覚できる。



  「頼む」



  ただそれだけ。


  俺の心に何かが、いや、もうわかる。


  地球が、地球の意思が俺に語りかけた。




  その瞬間俺の意識は一気に現世に覚醒する。






 


 





 



  「くっ!!!これは不味い。俺だけでは守りきることができない!何とかしないと!!」



  雷帝は思案する。


  高速で動き回るなかで、何とか守りきる方法を。だがすぐには出てこない。


  なんなら一生出てこないのかもしれない。これが人類の運命なのか!?



  いや、そんなことは…



  「ない!!!」



  雷帝は動きを止めやつの正面に回り込む。


 

  「雷神拳!!!」



  ゴガァァァァァァアアアアアア!!!


  雷帝は正拳突きを放つと、拳から今まで出したことのないほどの出力の稲妻が雷鳴と共に放たれる。


  それに応じてドラゴンも熱線の咆哮を放ち応戦する。



  その激突は周囲に過去最大の爆風をもたらした。

 

  周囲の建物は窓ガラスが飛び散り、コンクリートは歪み、瓦礫が吹っ飛んでいく。



  見ていたもの達は、この結果で全てが決まるとさえ思えた。



  ドラゴンの攻撃の要咆哮に対し、雷帝の繰り出す最大級の攻撃。これがどうなるかは誰一人としてわからなかった。



  だが、





  「ダメか!!クソっ!!」



  相討ちとなった。ただドラゴンはもう一発放つ準備を始めているのに対し、雷帝は体力の限界を迎えていた。


  ここまで10分ほど一人で戦い続けた代償がここに来た。



  「足も、動かん!!」


  アドレナリンで何とか動かし続けていた足は限界を迎え、突然彼に疲労を襲わせた。


  雷帝はそこに跪き、天を仰いだ。



  「ここ、までか…」







  その瞬間だった。



  誰もが雷帝の敗北に絶望していたなかで一柱の天まで延びる光が雷帝とドラゴンの間に現れた。


  ドラゴンは咆哮をやめ、十メートルほど飛んで後退する。



  光の柱はだんだんと細くなっていく。



  それはまるで神が降りてきたかのようで。

  誰もがその光景に目を奪われた。



  そして光の柱が消えきったとき、雷帝の前には、






  地球の守護者が現れた。














  これが俺の体か。


  意識が覚醒した。この光の粒子でできたからだと共に。


  ある程度の人の形を留めてはいるものの、光でできた影のごとく、実体がないとさえ思うほどの身体だった。



  それに声を出すことはできない。


  目で知覚している感覚はあるが、おそらく目もないだろう。



  全てが光でできたこの身体。


  自分が感じたことがないほど力に溢れている。


  今ならなんでもできるとさえ思える。




  俺は後ろで膝をついている雷帝に対し頷く。


 

  (ここからは俺が守る!!!)



 

  俺は一気にドラゴンの方へ逼迫。


  ドラゴンが飛んで逃げる隙も与えずに右の拳を放つ。


  ドラゴンの左脇腹が抉れ、血が飛び散る。



  (俺の拳は、守るために!!!)



  左足でドラゴンの足もとを薙ぎ払う。


  奴の左足が粉砕。片足状態となるが、ドラゴンは飛んで対応してくる。




  (くっ!息が、苦しい!?)



  まだ少ししか動いていないが、俺はだんだんと息が苦しいのと同じような感覚に襲われる。


  ただ、今の俺は呼吸などしていない。なぜならこの身体は、光で…



  (まさか!この状態は時間制限ありってことか!?)



  つまりこのまま長く戦うとじり貧ということか。


  (短期決戦だ!!!)



  飛んで距離をとろうとするドラゴンに対し、俺は少し腰をおとし右足を引く。そして少し半身になりつつ、飛ぶ!!!



 

  一瞬でドラゴンの目の前に到達。

  そしてそのまま右腕を前につきだしドラゴンの首もとに突っ込む!!



  (この地球は!!!俺が守る!!!!)



  ドラゴンを突き抜け俺は奥の地面に着地。



  ドォォォォォォォオオオオオオオオン!!



  俺の背後でドラゴンが爆発音を響かせながら塵に変わった。







  「「「「うぉぉぉぉぉぉおおおおお!!!」」」」




  多くの人たちの歓声が上がる。誰もが涙を流し、周りの人と抱き合った。

  はぐれた母親と子供が再会し抱き合う。

  夫婦が、友人が。



  (おれはこの光景を守るために戦ったんだ。)



  これが俺の守りたかった日常。当たり前に家族や友人がいる日常。


  これから世界がどんなに変わろうと、ダンジョンが地球を脅かそうと、俺が守る。


  もう、迷わない。






 

 







  これら一連の出来事は、一瞬で世界に広がった。


  SNSが発展した今の時代、映像が一瞬で回ったのだ。



  ダンジョンから初めて出てきたモンスターたち。


  今まで出てこなかったのに、なぜいきなりでてきたのか。


  そして、日本ランキング二位雷帝ですら勝つことが出来なかったドラゴンが潜むダンジョンについての懸念。


  次現れたときどう対処するのがいいのか。


  そして何より話題となったのは







  未知の光神。







  そう人々に名付けられた存在は何者なのか。



  この出来事を皮切りに、世界はまた動き出す。

 

感想、評価、ブックマークありがとうございます!!

とても励みになってます!!


これで一章完結です!!


次の二章も続けて投稿します!!


よろしくお願いします!!

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